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2024.03.29
目次
こんにちは。京都市左京区岩倉にある歯医者「金田歯科医院」です。
歯石は、歯に付着したら歯みがきでは除去できません。歯科医院でのスケーリングやルートプレーニングによって除去するしかありませんが、歯石は虫歯や歯周病だけではなく、口臭の原因にもなります。
今回は、なぜ歯石が口臭の原因になるかを解説し、歯科医院での歯石の除去方法や歯石の付着を防ぐ方法をご紹介します。
歯石とは、歯の表面に付着している歯垢(プラーク)が、およそ2週間かけて石灰化して石のように硬くなったものです。歯垢は細菌と代謝物のかたまりで、歯垢1㎎に1億個以上の細菌がいるとされています。見た目は黄白色でネバネバしています。
細菌は唾液によって自然と流されますが、唾液の流れが悪い場所では増殖して歯垢になります。歯と歯の間、奥歯、歯茎の境目などは歯垢がつきやすい場所なので、この部分を意識してしっかり磨きましょう。
歯垢が歯石になった場合、歯磨きで除去することはできません。また、少しでも歯垢が残っているといずれは歯石になるので、セルフケアのみで完全に歯石が付着しないようにするのは難しいです。そのため、定期的に歯科医院に通って歯石を除去してもらいましょう。
歯石が付着すると歯周病になるリスクが高まりますが、口臭の原因にもなります。歯石が口臭の原因になる理由は、以下の通りです。
歯石の表面はざらざらしています。つるつるしている状態と比較すると、そこに歯垢(プラーク)が付着しやすくなります。
歯垢は細菌と代謝物のかたまりであり、たった1㎎の歯垢に1億個以上の細菌が存在しています。細菌はガス状の毒素を放ち、それが口の外へと出ると口臭となるのです。
歯周病の原因は細菌のかたまりである歯垢ですが、歯石の表面はざらざらしているので歯垢(プラーク)が付着しやすくなります。歯石を除去せずそのまま放置すると歯垢がさらに増加し、歯周病を進行させてしまいます。
歯周病と口臭には高い相関性があります。歯周病が進むと歯周ポケットができますが、ポケット内には歯ブラシが届きにくいため、歯周病がどんどん悪化します。歯石によって歯周ポケットの入口が塞がれることもあり、その場合はさらに悪化しやすくなるでしょう。
歯周病菌は、代謝の過程で硫化水素やメチルメルカプタンを産生します。それが口臭の原因になるのです。
ごく初期の歯周病の場合、ほとんど自覚症状がありません。歯茎から血が出るようになっても、痛みが生じることはほとんどありません。そのまま放置されて、歯周病がさらに進行するケースが多いです。
最も歯周病が進行した歯槽膿漏(しそうのうろう)という状態になると、歯茎が腫れてしまうだけではなく血や膿が出てきます。膿自体も強い臭いを放つため、口臭の原因になるでしょう。
歯石は歯科医院でのみ除去できますが、その方法は主にスケーリングとルートプレーニングの2つがあります。この2つの方法は一連の作業として行われることが多いため、それぞれの頭文字からSRPともいわれています。
スケーリングとルートプレーニングについて解説します。
スケーラーと呼ばれている道具を使用して、歯の表面に付着した歯石や細菌のかたまりであるバイオフィルムを取り除くことをスケーリングといいます。スケーラーにはさまざまな種類があり、歯石のある場所によって使い分けます。
超音波の振動によって歯石を除去する器具です。歯肉の上にある歯石を除去する際に使用します。
手を使ってアナログ的に歯石を削り落とすスケーラーです。痛みを伴うことがあるため、麻酔を使用する場合もあります。
歯肉の下にある歯石を除去する際に使用します。
空気圧の振動によって歯石を除去します。超音波スケーラーと同じく、歯肉の上にある歯石を除去する際に使用するのが一般的です。
ルートプレーニングは、スケーリングに続いて行われます。歯と歯肉の間の隙間に歯周ポケットができた、中度以上の歯周病に対して行われる治療です。
細菌が付着した歯根(ルート)の表面にキュレットという器具を入れて削り取り、滑らかにします(プレーニング)。そうすることで、再度歯垢が溜まるのを予防します。
強い痛みが伴う際は、局所麻酔を使用します。歯根は外に出ている部分とは異なり、エナメル質がありません。ルートプレーニングで削りすぎると知覚過敏になることもありますので、歯周ポケットの深い部分に対する施術には高い技術が必要です。
重度の歯周病の場合、歯周ポケットの奥深くは複雑な形になっているため、そのままではスケーラーは届きにくく目視もできません。そのため、事前に歯茎を切開するフラップ手術を行ってから、スケーリングやルートプレーニングをすることがあります。
歯石の除去は口臭予防のためだけではなく、以下のような理由から定期的に行う必要があります。
歯周病の原因は歯垢ですが、歯石があることで歯垢が繁殖しやすくなるため、歯石をそのまま放置すると歯周病が進行しやすくなります。歯周病は歯を失う大きな原因であるだけではなく、糖尿病や心臓病などの全身疾患やガンや脳梗塞、早産などのリスクを高めるといわれています。
歯石が歯の表面に付着すると歯の表面がざらざらになるので汚れが残りやすいです。歯石に付着している歯垢はうまく落とせないため、歯周病だけではなく虫歯のリスクも高まってしまうでしょう。
歯石がついている歯の表面はデコボコしているので、着色汚れがつきやすい状態になります。歯石を除去することで着色汚れを取り、歯の表面をつるつるにすることで再び着色汚れがつきにくくなります。
歯科医院での定期的な歯石の除去は欠かせませんが、セルフケアにおいても歯石をつかないようにすることも大切です。自宅でも行える歯石の付着を防ぐセルフケアのポイントをお伝えします。
歯ブラシでのケアをしっかり行っていても、歯間ブラシやデンタルフロスを使う習慣のない方もいます。歯と歯の間の食べかすは落ちにくく、放置していると歯垢になりいずれは歯石となるでしょう。
特に、就寝前は歯間ブラシやデンタルフロスでのケアを習慣としましょう。歯間ブラシやデンタルフロスでのケアは、歯磨きより先に行ったほうが食べかすが落としやすくなります。
歯みがき粉には、歯の表面をつるつるにコーティングすることで歯垢の蓄積を防ぐ商品があります。また、洗口液の中にも歯石予防ができる商品もあるので、あわせて使用すると歯石の付着を防げるでしょう。
歯垢が石灰化して石のように硬くなった歯石は、表面がざらざらしているためその上に歯垢がつきやすくなります。歯垢からはガス状の毒素が放たれるので、それが口臭の原因になるでしょう。
歯石があることで歯周病が悪化するので、歯周病の進行によって膿が発生して口臭の原因になることもあります。
歯石がつかないように日頃のセルフケアを徹底することは大切ですが、歯石になれば歯科医院のスケーリングやルートプレーニングでしか除去できなくなります。定期的なお口のクリーニングは欠かせません。
また、セルフケアのみで歯垢や歯石が完全に付着しないようにするのは難しいです。口臭を防ぐためだけではなく、虫歯や歯周病で歯を失わないように、現在特別な問題がない方も歯科医院でのお口のクリーニングを習慣にしてください。
歯石の除去を検討されている方は、京都市左京区岩倉にある歯医者「金田歯科医院」にお気軽にご相談ください。