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2025.09.19
目次
こんにちは。京都市左京区岩倉にある歯医者「金田歯科医院」です。
近年、金属アレルギーに悩む方が増えています。アクセサリーや時計など、身に着けるものでかぶれや赤みを感じた経験がある方も少なくないでしょう。口の中に装着する入れ歯に使われる金属も、アレルギー反応の原因となることがあります。
入れ歯は毎日長時間口の中に入れるものであり、皮膚よりも敏感な粘膜に触れるため、金属アレルギーを持つ方は不安に思うかもしれません。
この記事では、金属アレルギーとは何か、アレルギーを引き起こさない入れ歯の種類はあるのかなどを詳しく解説します。
金属アレルギーとは、金属素材でできたものが皮膚や粘膜に触れることによってアレルギー反応が現われる状態を指します。金属が汗や唾液などに溶け出し、イオン化した金属が体内のタンパク質と結合して異物と認識され、免疫システムが過剰反応を起こすのが主な原因です。
アレルギーを引き起こしやすい金属としては、ニッケル、クロム、コバルトが代表的ですが、パラジウムや金など、貴金属であっても反応するケースもあります。個人の体質によって、症状の出方や反応する金属に差があるのです。
また、金属アレルギーは、ある日突然発症すること少なくありません。長年問題がなかった素材に対して急に症状が出ることもあります。一度発症すると、原因となっている金属に触れるたびに症状が出るため、日常生活でも注意が必要です。
皮膚科や歯科でのパッチテストによって、どの金属に反応しているかを確認することができ、治療方針や素材選びの大切な判断材料となります。
金属アレルギーは、接触性皮膚炎と全身性金属皮膚炎の2つに分けられます。
接触性皮膚炎は、金属素材でできたものが直接皮膚に触れることにより、炎症が引き起こされる疾患です。具体的には、金属製のネックレスやピアス、ブレスレット、ベルトのバックルなどが肌に触れることによって、皮膚に赤身や痒み、かぶれなどが引き起こされます。
また、その他にも金属成分を含む化粧品などが原因になることもあります。
一方、全身性金属皮膚炎とは、食品、入れ歯や被せ物などの歯科装具に含まれる金属成分が体内に入ることによって引き起こされるものです。金属に触れる部分の発赤や腫れ、口内炎などに限らず、顔や首、手足などにも赤みやかゆみ、ブツブツなどが現われるのが特徴です。
結論からいうと、金属アレルギーの方でも入れ歯を使用することは可能です。義歯の種類は複数あり、金属が使用されていないものを選択することで、アレルギーの方でも安心して使用できます。
なお、総入れ歯の場合には、保険治療で金属が使用されていないものを選択できますが、保険治療の部分入れ歯には、金属製のバネが使用されています。そのため、部分入れ歯を作製する場合には、自費治療の入れ歯を選択する必要があります。
詳しくは後述しますが、現在では金属を一切使用しない入れ歯や、アレルギー反応の出にくいチタンを使用した入れ歯など、金属アレルギーに対応したものが存在します。自由診療となる場合が多いものの、アレルギー症状を避け、安心して使い続けられるメリットがあります。
また、アレルギーの可能性がある場合は、事前に歯科医院で金属アレルギーの有無について相談しておきましょう。信頼できる歯科医師と相談し、自分に合った入れ歯を見つけることが大切です。
金属アレルギーの方は、具体的にどのような入れ歯を選択すればよいのでしょうか。ここからは、金属を使用していない入れ歯をご紹介していきます。
保険治療で作製できる総義歯は、歯科用プラスチック(レジン)でできていますので、アレルギーの方でも使用できます。保険適用内ですので、費用は上下合わせて2万円程度で作製することが可能です。
しかし、プラスチック製ですので強度や耐久性が低く、強度の問題から床が厚くなりやすいという特徴があります。そのため、食べ物の美味しさや温度が感じにくく、話をしているときなどに外れやすいというデメリットもあります。
BPSデンチャーとは、生体機能型補綴システムによって作製される入れ歯のことです。BPSデンチャーは患者さま一人ひとりの口腔内の状態や口の動きに合わせて作られるため、食事や会話が快適にできるのが特徴です。
先にも述べた通り、保険の入れ歯には、噛みにくい、話しにくい、壊れやすいなどの欠点が挙げられます。BPSデンチャーには高品質な素材が使用されており、素材自体の強度や耐久性が高いため、床部分を薄く作ることができ、口腔内への適合性が高くなります。
なお、BPSデンチャーは保険適用外の自由診療の対象ですので、費用はクリニックによっても異なりますが、60万~140万円程度が目安です。
シリコンデンチャーとは、床の一部がシリコン素材でできた義歯のことです。歯肉と触れる部分がシリコン製ですので、顎の動きにフィットしやすく、ズレや不快感が軽減できるという特徴があります。
また、硬い物を噛んだ際でも痛みが少なく、しっかりと噛めることもメリットといえるでしょう。
その一方で、シリコンには汚れが付着しやすく不衛生になりやすい点や、破損した際に修理が難しい点などのデメリットもあります。万が一、破損して修理ができない場合には、新たに作り直しが必要になるため注意が必要です。
こちらも保険適用外の自由診療となり、上下どちらかのみの場合、40万~60万円程度が目安となります。
ノンクラスプデンチャーとは、クラスプ(金属のバネ)を使用しない部分入れ歯のことです。保険適用の部分入れ歯では、クラスプと呼ばれる金属製のバネを健康な歯に引っかけて、人工歯を固定します。
クラスプには、金銀パラジウム合金やコバルトクロム、ニッケルクロムなどの金属が含まれており、金属アレルギーの方は使用できません。
一方、ノンクラスプデンチャーは、バネの部分が柔らかく弾力性のある樹脂で作られており、金属アレルギーの心配がありません。見た目にも自然で、入れ歯を装着していることが目立ちにくいため、審美性を重視する方にも人気です。
耐久性、柔軟性も備えており、快適に使用することが可能です。また、金属のバネを引っかける必要がないため、健康な天然歯への負担も軽減できます。
費用は保険適用外の自由診療で、1装置あたり10万~55万円程度かかることが一般的です。
チタンは、医療分野でも使用されることが多い生体親和性の高い金属です。金属アレルギーを起こしにくい素材として知られており、アレルギー反応の心配がある方でも問題なく使用できることが多いです。軽量で耐久性も高いため、長期間の使用も可能でしょう。
金属床義歯と呼ばれる、床部分を金属で作成する入れ歯にチタンを使用するケースが一般的です。自由診療となる場合が多く、費用の相場は50万〜70万円程度でしょう。
今回は、金属アレルギーがある方でも入れ歯を使用できるのかについて詳しく解説しました。「金属アレルギーがあると入れ歯を作れないのでは?」と不安に感じる方もいるかもしれませんが、金属を使用していない素材を選択すれば、アレルギーの方でも問題ないでしょう。
総義歯であれば保険適用のものでも金属は使用していないため、費用を抑えて作製することができます。
ただし、フィット性や快適性、耐久性などが低いというデメリットもある点は理解しておく必要があります。
一方、部分入れ歯の場合には、保険適用のものは金属のバネを使用するため、金属アレルギーの方は使用できません。その場合には、ノンクラスプデンチャーなどの自費の義歯であれば対応できる可能性があります。
信頼できる歯科医師と相談しながら、ご自身にあった入れ歯を選択しましょう。
金属アレルギーで入れ歯を検討されている方は、京都市左京区岩倉にある歯医者「金田歯科医院」にお気軽にご相談ください。
当院は、皆さまの「行きたい歯医者」を目指して診療を行っております。虫歯・歯周病治療、ホワイトニング、矯正治療、予防歯科など、さまざまな治療に力を入れています。