京都市左京区岩倉の歯医者「金田歯科医院」です。

歯の被せ物や詰め物を作る機械：デンケン・ハイデンタル社「キャスコムS」の特徴と当院での活用　

2024.11.21

こんにちは。京都市左京区岩倉にある歯医者「金田歯科医院」です。

 

 

歯科治療において、入れ歯や詰め物、被せ物などの補綴物をいかに精密に製作できるかは、患者様の快適さや治療効果に大きく影響します。補綴物の完成度が高いほど噛み合わせが良くなり、日常生活において違和感を生じることが少なくなります。また、見た目にも自然な仕上がりを実現できるため、審美面でも大きなメリットがあります。当院ではデンケン・ハイデンタル社が提供する「キャスコムS」を導入し、院内技工士が常駐することで患者様により精度の高い治療を提供しています。
本記事では、歯科補綴物製作における「キャスコムS」の優れた特徴や、当院での活用事例について分かりやすく解説します。

「キャスコムS」とは？

「キャスコムS」はデンケン・ハイデンタル社が提供する歯科用鋳造機の一つで、特にその精度と信頼性で業界内でも高く評価されています。補綴物製作の工程では金属を溶かして型に流し込み、固める「鋳造」が重要な役割を果たしますが、この工程でいかに精密に作業が行われるかが最終的な補綴物の質を左右します。「キャスコムS」は鋳造の過程において非常に高い精度を実現し、長持ちする補綴物を製作するための革新的な機器です。

1.精密な温度管理と溶融性能

鋳造工程において、金属を適切な温度で溶かすことは不可欠です。金属が溶けきらない、あるいは過度に加熱されると鋳造結果にムラが生じ、補綴物が正確に作成できなくなるリスクがあります。
「キャスコムS」の特徴の一つに、金属を溶かす際の温度管理機能があります。デジタル温度制御により、精確な温度調整が可能です。これにより歯科用の様々な金属が最適な条件で溶解し、均一な品質の補綴物を製作できます。特に金属の流動性が鋳造結果に与える影響は大きいため、この温度管理機能は非常に重要です。患者様に提供する補綴物のフィット感や耐久性が向上し、より長期的に使用できる補綴物が完成します。

2.鋳造圧の安定化による高精度な仕上がり

鋳造の際には溶けた金属を型に流し込みますが、その時に使用される圧力も重要な要素となります。鋳造圧が不足していると金属が隅々まで流れ込まず、形状が不完全になったり、強度が不足したりするリスクがあります。また、圧力が不安定な場合には、金属の均一性に悪影響が出る可能性もあります。
「キャスコムS」はデジタル制御によって鋳造時の圧力を常に安定させ、精密な鋳造を可能にします。これにより微細な部分や複雑な形状を持つ補綴物でも、精度高く仕上げることができます。特に噛み合わせの調整が必要な歯冠やブリッジなどの補綴物では、圧力の安定化が高品質な結果に繋がります。

3.真空鋳造機能で気泡の混入を防止

鋳造中に発生する問題として、気泡の混入があります。金属を型に流し込む際に気泡が生じるとその部分が空洞となり、補綴物の強度に悪影響を与えることがあります。気泡が原因で補綴物の耐久性が低下し、使用中に破損するリスクが高まることもあります。
「キャスコムS」には真空鋳造機能が搭載されており、型内の空気を抜くことで気泡の混入を防ぎます。これにより密度の高い金属補綴物が完成し、見た目にも美しく、耐久性の高い補綴物を作製できます。特に審美性が重視される前歯部の補綴物や長期間にわたって使用されるインプラントの補綴物において、この真空鋳造機能は非常に重要です。

4.多様な金属に対応した鋳造

歯科補綴物の製作には、様々な種類の金属が使用されます。ゴールドやパラジウム、コバルトクロムなど、患者様のニーズや治療計画に応じて最適な金属を選択することが求められます。それぞれの金属は異なる溶融温度や性質を持っており、鋳造においてもそれぞれに最適な条件が必要です。
「キャスコムS」は、このような多様な金属に対応できる汎用性の高さが特徴です。異なる金属ごとに最適な温度と圧力を自動調整し、鋳造の精度を高めることができます。例えば、ゴールドは生体適合性が高く耐久性に優れているため、高価な治療や長期間使用する補綴物に適しています。一方、コバルトクロムは強度が高く、入れ歯のフレームとして使用されることが多い金属です。「キャスコムS」は、これらの金属特性に合わせた鋳造が可能であり、補綴物の完成度を向上させます。

5.コンパクトで効率的な設計

「キャスコムS」はコンパクトな設計でありながら、高性能を誇る鋳造機です。省スペースで設置できるため、技工所だけでなく院内での使用にも適しています。また、操作もシンプルで直感的な設計が施されており、技工士がスムーズに作業を進めることができます。
このコンパクトさと使いやすさは、特に院内での迅速な対応を可能にします。外部の技工所に依頼するのではなく院内で補綴物を製作することで治療の効率化が図れ、患者様にとっても待ち時間や治療期間が短縮されるメリットがあります。

当院における「キャスコムS」と院内技工士の役割

当院には歯科技工士が常駐しており、患者様の治療に合わせて補綴物の製作を行っています。通常、補綴物を製作する際は外部の技工所に依頼し、完成までに数日から1週間ほどの時間がかかることが一般的です。しかし、当院では「キャスコムS」をはじめとする機器を用いて院内で補綴物を製作するため、迅速な対応が可能です。

・即日対応によるスピーディーな治療

例えば被せ物や詰め物が外れた場合、従来の治療では外部技工所での製作を待たなければならず、数日間患者様に不便を強いることがあります。しかし、当院では院内技工士が「キャスコムS」を使ってその場で補綴物を製作し、短期間で装着できる場合があります。このような迅速な対応により患者様の通院回数や待ち時間を大幅に減らし、治療のスピードを向上させています。

・補綴物の精度向上

院内技工士が常駐していることで、患者様のお口の中の状態を直接確認しながら補綴物を製作できるため、フィット感や噛み合わせの精度が向上します。さらに、「キャスコムS」を使用することで補綴物の強度や耐久性も確保され、長期間にわたって安定した状態を維持することができます。

まとめ

デンケン・ハイデンタル社の「キャスコムS」は、温度管理、圧力制御、真空鋳造などの高度な機能を持つ鋳造機です。当院ではこの「キャスコムS」を活用し、院内技工士との連携により、迅速かつ精度の高い補綴物を患者様に提供しています。特に即日対応可能な点や補綴物の高い精度は、患者様にとっても大きなメリットとなるでしょう。
当院は、皆さまの「行きたい歯医者」を目指して診療を行っております。虫歯・歯周病治療、ホワイトニング、矯正治療、予防歯科など、さまざまな治療に力を入れています。
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