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2023.10.06
こんにちは。京都市左京区岩倉にある歯医者「金田歯科医院」です。
「インプラント周囲炎の原因はなにか」「予防するにはどうすればよいのか」など、インプラント治療を受けた方のなかには、インプラント周囲炎について聞いたことがある方もいらっしゃるのではないでしょうか。
インプラント周囲炎とは、インプラントの周りの組織が細菌感染による炎症を起こしている状態です。自覚症状なく進行し、重度になるとインプラントが抜け落ちてしまうこともあるため注意が必要です。
今回は、インプラント周囲炎の原因や治療法、予防法について解説します。インプラント治療を受けた方は、インプラント周囲炎についての知識を深めておきましょう。
インプラント周囲炎とは、インプラントの周りの組織が細菌感染による炎症を起こしている状態です。進行すると顎の骨が溶けて、インプラント体(人工歯根)がグラグラと動揺し、脱落する可能性があります。
初期は自覚症状がありませんが、インプラントは天然歯と比べて抵抗力が低いため、細菌感染を起こすと骨吸収(骨の破壊)が急速に進行します。気づいたときには重症化しているケースが多いため、日頃のメンテナンスによる予防が重要です。
インプラント周囲炎は初期では自覚症状がないことがほとんどですが、進行するとさまざまな症状があらわれます。
進行度別のインプラント周囲炎の症状は、以下のとおりです。
歯周ポケット周囲に炎症が起こり、歯茎の赤みや腫れがみられます。また、歯磨きや食事のときに出血することがあります。この段階では痛みがないことが多く、痛みがあっても軽いことがほとんどです。
炎症が進行すると歯茎の腫れが強くなり、歯周ポケットのすき間が大きくなって歯垢や歯石がたまりやすくなります。歯周ポケットの中で細菌が増殖し、歯茎の深い部分にも炎症が広がります。
歯茎の赤みや腫れ、痛みなどが自覚症状としてはっきりあらわれるようになり、不快に感じる方も多いでしょう。口臭や味覚の変化を伴うケースもあります。
炎症が慢性化して歯周組織や骨組織の破壊が進行します。歯茎の赤みや腫れ、痛みなどの症状が強くなり、膿が出て悪臭がする場合もあります。インプラント周囲の歯茎が下がってインプラントの根本が露出し、抜け落ちてしまう場合もあるため注意が必要です。
インプラントが不安定になることで、噛み合わせにも問題があらわれることがあります。また、炎症を放置すると細菌が血液の中まで侵入し、全身に悪影響を及ぼす可能性もあります。
インプラント周囲炎は自覚症状なく進行するのが特徴です。歯茎の腫れや出血、痛みなどの症状があらわれる頃には、炎症が慢性化して歯周組織・骨組織の破壊が進んでいることも少なくありません。
最悪の場合、インプラントが抜け落ちたりインプラントを撤去して再埋入したりする必要があるため、早期発見・早期治療が非常に重要です。初期の段階で発見できれば、歯科医院でのクリーニングなどの処置によって改善が期待できます。
重度になるほど身体に負担のかかる治療が必要となるため、定期的に歯科医院でメンテナンスを受け、早期発見・早期治療につなげましょう。
インプラント周囲炎の主な原因は、口腔ケア不足です。
適切な口腔ケアが行われていないと歯垢や歯石が蓄積し、細菌が増殖してインプラント周囲炎症を引き起こします。また、喫煙習慣やストレスなどの生活習慣、免疫力が低下する病気、歯ぎしりなどの癖は感染リスクを高めるため注意が必要です。
インプラント周囲炎の主な原因は、以下のとおりです。
インプラント周囲炎を引き起こす原因は、歯垢に潜む細菌です。
ご自宅での口腔ケアや歯科医院でのメンナンスを怠ると、細菌が増殖してインプラント周囲炎を発症します。歯磨きでは歯石などの汚れを落とせないため、歯科医院でのクリーニングは重要です。
タバコに含まれるニコチンには血管を収縮させる作用があり、血流に悪影響を及ぼします。
血流が滞ると酸素や栄養が組織に十分に行き届かないため、細菌に対する抵抗力が弱まり、インプラント周囲炎を発症するリスクが高くなります。
血糖値が高いと白血球の機能が低下し、感染に対する抵抗力が弱まります。また、血糖値が高いと傷の治りが悪くなり、術後にインプラント周囲炎を発症するリスクが高まります。
糖尿病の方でインプラント治療を検討している方は、血糖コントロールを適切に行いましょう。
貧血は酸素や栄養が全身の組織に行き届かないため、免疫力が低下します。免疫力が低下すると細菌感染を起こしやすくなり、インプラント周囲炎を発症するリスクが高まるでしょう。
歯ぎしりや食いしばりは、歯や顎の骨に大きな力がかかります。過度の力がかかることで歯周組織が損傷し、炎症を起こしやすくなります。
インプラント治療は噛み合わせを考慮して行いますが、治療後に噛み合わせがずれることがあります。噛み合わせが悪いことによってインプラントの歯や周囲の組織に負担がかかり、炎症を起こしやすくなります。
歯周病菌はインプラント周囲炎の原因菌です。
歯周病の治療をせずにインプラントを埋入すると、インプラント周囲炎のリスクが高まります。歯周病がある場合は、しっかり治療を行ってからインプラント治療を行います。
インプラント周囲炎の治療法は炎症の程度により異なります。重度になると外科的な治療(手術)が必要となるため、早期治療が重要です。
インプラント周囲炎の治療法は、以下のとおりです。
毎日の歯磨きが適切でないと歯垢がたまり、インプラント周囲炎が進行します。ご自宅で適切な口腔ケアを行うために、歯科医院でブラッシング指導を受け、正しいブラッシング方法を身に付けることが大切です。
歯科医師または歯科衛生士が、専用の器具で歯周ポケット内の歯垢や歯石を除去します。インプラント周囲炎が軽度の場合は、ご自宅での適切な口腔ケアとPMTCで改善するケースが多いです。
炎症が進行している場合は、細菌を除去して炎症をおさえる光殺菌治療(レーザー)を行うことがあります。また、炎症が強い場合は、処方された抗生物質の服用が必要です。
歯周ポケットに薬剤を入れ、殺菌作用のある薬剤でうがいすることで、お口の中の細菌を死滅させる治療を行う場合もあります。
骨吸収が進んでいる場合は、外科的な処置が必要です。歯肉を切開し、専用の機器を用いてインプラントの表面を殺菌します。また、炎症を起こしている部分を切除する場合もあります。
歯周組織や骨組織の破壊が進行している場合は、再生療法を行います。特殊な歯科材料を用いて、失われた歯周組織や顎の骨を再生させる治療法です。
インプラント周囲炎は、最悪の場合インプラントの脱落をまねきます。インプラントを長持ちさせるためには、予防が非常に重要です。
インプラント周囲炎の予防法は、以下のとおりです。
インプラント周囲炎にならないためには、毎日の口腔ケアが非常に重要です。
歯磨きはインプラント周囲炎だけでなく、虫歯や歯周病予防の基本です。歯科医院でクリーニングを受けていても、ご自宅での口腔ケアが適切でなければ歯垢は蓄積します。インプラント治療を受けた方は歯科医院でブラッシング指導を受け、毎日のセルフケアを徹底しましょう。
インプラント周囲炎を予防するためには、歯科医院での定期的なメンテナンスが欠かせません。
ご自宅での口腔ケアでは歯垢や歯石などの汚れを完全に除去できないため、歯科医師または歯科衛生士によるクリーニングを受けましょう。噛み合わせに問題がある場合は、歯を削ることや被せ物を調整することで、インプラント歯への負担を軽減し、炎症を予防します。
定期的に歯科医師の診察を受けることで、インプラント周囲炎を初期段階で発見でき、早期治療にもつながります。
歯ぎしり・食いしばりは、インプラントの歯に大きな負担がかかります。
歯周組織、骨組織の損傷により炎症を引き起こす可能性があるため、マウスピースを装着し、インプラントにかかる負担を小さくします。
喫煙や栄養不良、睡眠不足などの生活リズムの乱れは、免疫力が低下する原因となります。
全身の健康を保つためにも、禁煙やバランスのよい食事、十分な睡眠を心がけて免疫力を高めましょう。
インプラント周囲炎は、ご自宅での口腔ケア不足や歯科医院でのメンテナンス不足が主な原因です。自覚症状なく進行するため、気づいたときには骨まで炎症が及んでいるケースもあります。
最悪の場合、インプラントが抜け落ちる可能性もあるため、早期発見・早期治療が非常に重要です。インプラントの歯を守り、お口全体の健康を保つためにも、毎日のセルフケアを徹底し、定期的に歯科医院でメンテナンスやクリーニングを受けましょう。
インプラント周囲炎の治療を検討されている方は、京都市左京区岩倉にある歯医者「金田歯科医院」にお気軽にご相談ください。