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舌圧とは?飲み込み・発音・歯並びに影響する理由とその対策について

2025.06.12

こんにちは。京都市左京区岩倉にある歯医者「金田歯科医院」です。

最近、「子どもの発音がはっきりしない」「食事のときにクチャクチャと音がする」「飲み込むときに首に力が入っている」などのお悩みを持つ親御様が増えてきました。これらは、もしかすると口腔機能発達不全症と呼ばれる症状の一部かもしれません。
今回は、その中でも「舌圧(ぜつあつ)」に注目し、舌圧が低いことで起こりうるデメリットや、予防・改善のために日常生活で気をつけること、簡単にできるトレーニング方法について、わかりやすく解説いたします。

舌圧とは?

「舌圧(ぜつあつ)」とは、舌が上あご(口蓋:こうがい)に向かって押しつけるときの力のことをいいます。普段はあまり意識しない動きかもしれませんが、実はこの舌圧という力は、毎日の「食べる」「話す」「呼吸する」などの基本的な動作に深く関わっていて、お子様の健やかなお口の成長にも欠かせない大切なものです。

舌圧が支えるお口の機能

たとえば、食べ物を飲み込むときには、舌が食べ物をのどの奥へ送り込むように動きます。そのとき、舌がしっかりと上あごに押しつけられることで、スムーズに飲み込むことができます。舌圧が弱いと、飲み込みに時間がかかったり、食べ物が口に残ってしまったりすることがあります。
また、発音にも舌の力は重要です。特に「た行」「さ行」「ら行」などの音は、舌が上あごや前歯の裏に触れることで出る音です。舌圧が不足していると、発音が不明瞭になってしまうことがあり、言葉の聞き取りにくさや話しづらさにつながることもあります。
さらに、舌の位置と舌圧は、お口を自然に閉じる力にも関係しています。舌は本来、リラックスしているときに上あごにぴたりとついているのが理想的です。この状態だと、唇も自然と閉じていられます。ところが、舌圧が弱く、舌が下にさがってしまうと、口がぽかんと開いたままの「ぽかん口」になってしまいがちです。この状態が続くと、口呼吸のクセがついたり、唇やあご周りの筋力が発達しづらくなったりする可能性もあります。
そしてもうひとつ、見逃せないのが歯並びやあごの発達への影響です。舌には、成長途中の上あごを内側からやさしく広げるような役割があります。舌圧が適切にあることで、歯が正しく並ぶためのスペースが保たれ、あごの成長がスムーズに進みやすくなります。逆に、舌圧が足りないと、上あごが狭くなってしまい、歯並びがガタガタになったり、噛み合わせに問題が出たりすることもあります。
このように、舌圧は「目に見えにくいけれど、とても大切な力」です。特にお子様の成長期においては、将来的な歯並びや発音、食べ方、呼吸の仕方にまで影響を与える可能性があるため、早めにチェックしておくことが安心につながります。

舌圧が低いことによる影響とは?

お子様の舌圧が低い状態が続くと、以下のようなさまざまな問題が出てくる可能性があります。

①嚥下(飲み込み)がうまくできない

舌の力が弱いと、食べ物をうまく喉に送り込むことができず、「モグモグ」「ゴックン」が苦手になってしまいます。結果として食事に時間がかかる、食べこぼしが多いなどの傾向が見られます。

②発音の不明瞭さ・構音障害

舌先のコントロールが弱いと、「さ行」「た行」などの発音がうまくできず、お話が不明瞭になることがあります。これにより、園や学校でのコミュニケーションに影響が出るケースもあります。

③ 開咬・出っ歯などの不正咬合

本来、舌は上あごに軽く触れている状態が自然ですが、舌圧が低いと舌が下に落ちてしまい、歯並びに必要な内側からの支えが不足します。その結果、前歯が前方に押し出されたり、かみ合わせがずれるなど、歯列に影響を及ぼすことがあります。

④口呼吸やぽかん口

舌の位置が低いと口が閉じづらくなり、口をぽかんと開けてしまいがちです。これが慢性化すると、口呼吸やドライマウス、虫歯・歯周病のリスクにもつながります。

舌圧低下の原因

舌圧が低くなる背景には、いくつかの要因があります。
● 離乳食の始め方や食事内容(柔らかいものばかり)
● 長時間のタブレット視聴などによる姿勢不良
● 指しゃぶりや口唇癖の継続
● アレルギーなどで鼻呼吸ができず、口呼吸になっている
● 食事中にあまり噛まない習慣
特に、舌は筋肉の一種ですので、「使わなければ弱っていく」のが特徴です。

日常生活でできる舌圧を育てる工夫

舌圧を高めるには、毎日の生活習慣の中で「舌をしっかり使う」ことがとても大切です。次のような点に意識を向けてみましょう。

・食事を「噛む時間」を大切に

やわらかい食事ばかりを与えていると、舌やあごの発達が妨げられてしまいます。ご家庭では、噛みごたえのある食材(ごぼう、れんこん、きんぴら、肉団子など)を意識して取り入れましょう。

・姿勢を整えて食べる

猫背のまま食事をすると、舌の動きが制限されてしまいます。足が床につき、背筋が伸びた状態で座るだけで、舌の使い方も自然と変わります。

・ 飲み込み方を見直す

飲み込むときに唇をすぼめる、あごを突き出すようなクセがある場合、正しい舌の使い方ができていないサインかもしれません。舌が上あごにしっかりくっついた状態で飲み込めるか、確認してみてください。

ご家庭でできる舌圧アップトレーニング

以下のトレーニングは、ご家庭でも簡単に取り入れられるものばかりです。遊び感覚で毎日少しずつ続けていくことが大切です。

①ポッピングトレーニング(舌打ち)

舌先を上あごにつけ、「ポンッ」と音を鳴らします。これを繰り返すことで、舌の上げる力が自然と鍛えられます。
● 1日10回×3セットを目安に

②舌上げ体操(スポットポジション)

舌の先を上前歯の少し後ろ(スポット)に軽く当ててキープします。慣れないと最初は難しいですが、これができると舌の位置が正しい状態に近づきます。
● 毎回10秒キープを3セット

③ガム噛み練習

キシリトールガムなどを使って、左右均等に噛む練習を行います。噛むことで唾液の分泌や舌・あごの筋肉も鍛えられます。
● 食後やおやつのあとに取り入れても◎

④舌押しトレーニング

口を閉じた状態で、舌で上あごを10秒間強く押す動きを繰り返します。これも舌圧を直接鍛えるのに効果的です。
● 朝・夕の2回、習慣にしてみましょう

早めのチェックがカギ

舌圧のチェックには、専用の測定機器を使って数値で評価することも可能です。
また、発達段階に合わせた“MFT(口腔筋機能療法)”というトレーニングもあります。これは、舌・唇・頬など口の周囲の筋肉をバランスよく使えるようにする訓練で、歯並びや発音の改善にもつながります。

まとめ

舌圧は、単に「舌の力」ではなく、お子様の食事、発音、歯並び、全体的な口の機能発達に関わる重要な要素です。舌圧が弱いと、思わぬ形で将来的な口腔のトラブルに繋がることもあります。しかし、正しい生活習慣と簡単なトレーニングによって舌圧は少しずつ改善が可能です。大切なのは、早めに気づいてあげること。そして、楽しみながら続けることです。
当院では、虫歯・歯周病治療、ホワイトニング、矯正治療、予防歯科だけではなく舌圧をはじめとした口腔機能の発達支援にも力を入れています。「このままで大丈夫かな?」と心配になったときは、どうぞお気軽にご相談ください。
ホームページはこちらWEB予約も受け付けております。ぜひ一度ご覧ください。

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