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2025.03.29
こんにちは。京都市左京区岩倉にある歯医者「金田歯科医院」です。
食事がしにくい、飲み込みにくいと感じることはありませんか?
口腔機能低下症とは、加齢により口腔内の機能が少しずつ低下する状態のことを指します。機能低下が進むと口だけでなく全身の健康に影響を与えてしまう場合もあるため、早期発見と適切な予防が大切です。
今回の記事では、口腔機能低下症の症状や原因、改善方法や予防法について詳しく解説します。
口腔機能低下症とは、加齢によって口腔内の機能が少しずつ低下してくる症状のことです。「感覚」「咀嚼(そしゃく)」「嚥下(えんげ)」「唾液分泌」など口腔の重要な機能に影響を及ぼします。
口腔機能低下症は、7つの評価項目のうち3項目以上に該当すると診断されます。
口腔機能の低下は徐々に進行するため、自覚しにくい場合があります。以下の症状に当てはまるものがある場合は、口腔機能が低下している可能性があります。
・食べ物が口に残るようになった
・硬いものが食べにくくなった
・食事の時間が長くなった
・食事の時にむせるようになった
・薬を飲み込みにくくなった
・口の中が乾くようになった
・食べこぼしをするようになった
・滑舌が悪くなった
・口の中が汚れている
口腔機能低下症の主な原因やリスク要因には、以下のようなものがあります。
加齢に伴い、唾液の分泌は減少し、口内は乾燥、舌や口唇の筋力も衰えがちです。味覚や触覚などの感覚も鈍くなり、食べ物の味わいや口の中の感覚も変わってきます。
歯磨きや口腔ケアが適切でないと、口腔内の細菌が増加し、舌苔(ぜったい)などの口腔不潔を引き起こします。味覚の低下や口臭の原因につながります。
糖尿病やパーキンソン病、脳卒中などの全身疾患も口腔機能に影響を及ぼします。薬の副作用が原因となるケースも考えられます。
むし歯や歯周病の進行は、咀嚼力の低下を招きます。痛みや不快感を伴い、食事を避けるようになることも少なくありません。
口腔機能低下症の診断は、以下の7つの評価項目のうち3項目以上に該当する場合に行われます。
口腔の衛生状態は、舌苔(ぜったい)の付着程度を評価します。舌苔とは舌の表面に白色または黄褐色のこけ状に見えるものです。Tongue Coating Index(TCI)という指標を用いて評価します。
口腔内の乾燥状態は「口腔水分計」を用いて測定します。唾液は食物を細かく粉砕し、食塊としてまとめる重要な役割を果たすため、分泌量の低下は食事に大きく影響します。
感圧フィルムと専用分析ソフトを使用して、歯列全体の咬合力(噛む力)を計測します。咬合力の低下は咀嚼能力と深く関係しており、筋力の低下にもつながります。
「オーラルディアドコキネシス」という検査で、「パ」「タ」「カ」などを続けて発音し、唇や舌の動きを測定します。この機能が低下すると、会話や食事に影響し、生活の質の低下につながる可能性があります。
舌圧測定器を用いて、舌の力(舌圧)を測定します。舌圧が低下すると、飲食中にむせたり、食べ物が飲み込みづらくなったりします。
グミゼリーを一定回数噛んでもらい、吐き出した水に含まれるブドウ糖の量を測定する検査です。咀嚼とは食べ物を嚙みながら唾液と混ぜ、飲み込める状態にすることをいいます。
EAT-10という摂食嚥下障害のスクリーニングテストを用いて評価します。嚥下機能が低下すると、むせやすくなったり、食べ物が喉に詰まりやすくなったりします。
口腔機能低下症と診断された場合や、その傾向がある場合に有効な改善方法をご紹介します。
歯磨きは1日2回以上、歯間ブラシ・フロスは1日1回以上使って清掃しましょう。舌の汚れも丁寧に取りましょう。ブクブクうがいをしっかりすることで、口の中を清潔に保てます。
唾液腺マッサージや、よく口を動かす習慣をつけることで唾液の分泌を促します。必要に応じて、唾液分泌を促進する薬や口腔保湿剤の使用も検討しましょう。
義歯・う蝕・歯周病などの歯科治療を受けることで、咬み合わせをきちんと治せます。歯ごたえのある食べ物(干し芋・スルメイカ・ドライフルーツなど)を食べ、噛む筋力を鍛えましょう。
早口言葉や滑舌の練習として、舌や唇を素早く大きく動かすことが効果的です。家族や友達とおしゃべりする機会を増やすことで、舌や口を動かす機会を持てるようになります。
顔の運動や器具を使って、舌の筋力を鍛えましょう。舌の筋力を鍛える顔の運動のやり方としては、舌で左右の頬を内側から押します。舌を口の中ではじいてポンッと鳴らす舌鳴らしも効果的です。
義歯、う蝕、歯周病などの歯科治療を受け、咀嚼機能を回復させましょう。咀嚼機能のトレーニングや1口に20~30回噛む食べ方の指導を受けることが改善につながります。食べやすい食形態の工夫により柔らかさや大きさの調整することも大切です。
飲み込みの検査を受け、適切な指導を受けましょう。飲み込みの力や呼吸の力を鍛えることで、嚥下機能を向上できます。
心身ともに健やかな生活習慣を心がけましょう。栄養バランスの良い食事を取り、適度な運動をすることも重要です。
口腔機能低下症を予防するためには、日常的な取り組みが大切です。
毎食後の丁寧な歯磨きや、歯間ブラシ、フロスなどを用いた清掃が基本です。特に就寝前の口腔ケアは重要で、口腔内の細菌増殖を防ぐ効果があります。
半年に一度程度の定期検診で、早期に問題を発見し対処できます。歯科医師や歯科衛生士によるケアも受けましょう。
様々な食材をバランスよく摂ることで、口の中の筋肉を使う機会が増え噛む力の維持につながります。また、硬さや食感の異なる食品を意識的に取り入れることも効果的です。
「あいうべ体操」や「パタカラ体操」など、簡単にできる口腔体操を日常的に行うことで、口腔周囲の筋力を維持できます。朝の歯磨き後や入浴時など、習慣として取り入れるとよいでしょう。
変化を感じたら早めに歯科医師に相談することが大切です。早期の対応ほど効果的で機能の回復も期待できます。
口腔機能低下症は、加齢とともに誰にでも起こりうる症状です。早期発見と適切な対応によって改善や進行予防が可能です。日常的な口腔ケア、バランスの良い食事、口腔体操の実践など、自分でできる予防法も多くあります。
当院は、皆さまの「行きたい歯医者」を目指して診療を行っております。虫歯・歯周病治療、ホワイトニング、矯正治療、予防歯科など、さまざまな治療に力を入れています。
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