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2023.04.22
目次
京都市左京区の歯医者、金田歯科医院の院長の金田直樹です。
口臭検査には欠かすことのできない、BBチェッカー(タイヨウ社製)のご紹介です。
長引くマスク生活でのお悩みで多く挙げられるのが、口臭です。マスクをしていることで、吐き出す息が蒸散されずにマスクの中に溜まり、臭いを感じやすくなるためです。つまり、マスクと口臭に因果関係があるのではなく、以前から口臭があった方が、マスクで気づくようになったということです。
そのほか、口臭に気づく・気になるようになるきっかけとしては、家族など身近な人からの指摘等があります。デリケートな問題であるため、他人から指摘されることはまずありません。口臭が気になったら、一人で悩まず、まずは歯科医院で口臭検査をお受けいただくことをお勧めいたします。
口臭には、主に「生理的口臭」と「病的口臭」の2種類があります。
「生理的口臭」は、起床直後や空腹時、緊張時など唾液の分泌量が減るタイミングで生じる口臭です。唾液の分泌が減少することで、細菌が増殖し、口臭の原因である揮発性硫黄化合物が増えることが原因です。生理的口臭は、中学生以上であれば普段健康で口臭がないと思う人でも、その時々の生活習慣や気分、体調などの変化に応じて発生するもので、誰にでも起こりうる口臭です。
「病的口臭」は、何らかの疾患が原因で発生する口臭です。口腔内の疾患に由来するものと、全身疾患に由来するものがあります。一般的な病的口臭のうち、90%異常が口腔由来とされています。口腔由来の場合は、進行した虫歯や歯周病、ドライマウスなどが原因です。全身由来の場合は、糖尿病などの代謝系疾患、胃潰瘍や胃がんなどの消化器系疾患、慢性鼻炎や蓄膿症などの耳鼻咽喉疾患、気管支炎などの呼吸器系疾患など原因は多岐にわたります。いずれの場合も、口臭の改善のためには根本の原因となっている疾患を治療する必要があります。
このように、口臭の原因は様々です。口臭を改善するためには、まずはそもそもの原因を客観的に把握し、それに対してアプローチをしていくことが非常に重要になります。当院における口臭治療は、以下のような流れで行っています。
Step1:カウンセリング
現在気になっている口臭への意識や歯磨き習慣などについてお伺いします。
Step2:お口の検査
虫歯やクリーニングをすることが難しい歯並び、悪影響の出ている詰め物がないかなどを検査します。あわせて歯周病のチェックも行います。
Step3:診断・説明
口臭の原因とみられる症状や生活習慣についてご説明します。また、ご自宅でできるセルフケアについても指導いたします。
Step4:フィードバック
セルフケアでうまくできなかったところなどをお伺いしながら、歯磨き方法の再指導や、必要であればお口のクリーニングを行います。
Step5:治療終了・メンテナンス
口臭の原因がお口の中にある場合、セルフケアだけでなく、継続して歯科医院での定期的なメンテナンスを受けることが口臭予防において大切です。
口臭の原因を突き止めるために欠かせないのが、口臭測定器での検査です。当院の口臭検査においては、口臭ガス測定器「B/Bチェッカー」(タイヨウ社製)を使用しています。B/Bチェッカーは、口腔内ガス、呼気ガス、鼻腔内ガスを個別に測定し、臭いの起源を類推することのできる検査機器です。測定時間は僅か15秒ほどですので、ご負担を少なく、精度の高い検査を行うことが可能です。
※口臭測定1回500円(税込)
B/Bチェッカーは、測定部位(口腔・鼻腔)に直接センサープローブを設置して測定します。プローブの先端はディスポーザブル仕様(使い捨て)になっており、感染予防にも配慮がされています。プローブを口腔内に静置すれば「口腔内ガス」を、口腔に静置し息を吐き出せば「呼気ガス」を、付属の鼻腔アダプタを接続し鼻腔に設置すれば「鼻腔ガス」を測定することができます。硫化水素・メチルメルカプタンをはじめ、多数の揮発性ガスを検知することができ、測定した値は、ガス濃度をヒトの嗅覚レベルに置き換えた独自の単位(B/B値)で出力します。口臭の発現で最も強い値を最高値の100、最も弱い値を最低値の1とし、この間を100等分して口臭の程度を評価します。評価基準は以下のようになっています。
0~10 全く臭いを感じない
10~30 においを感じない
30~50 ほとんど感じない 正常範囲
50以上 わずかに臭いを感じるようになる
60以上 何らかの臭いを感じる
80以上 比較的臭いを感じる 時には特有のにおいを感じる
100以上 強いにおいを感じる 症状のある方の寝起きのレベル
岡山大学大学院予防歯科学分野における研究によると、健康な男女20人に対し口腔・呼気・鼻腔それぞれをB/Bチェッカーとガスクロマトグラフィー(気化しやすい化合物の同定・定量に用いられる機器分析の手法)を用い測定し比較検討したところ、両者の結果に一定以上の相関がみられ、臨床における有用性が示唆されたとの結果が得られています。こ
のほかにも、B/Bチェッカーを用いた口臭測定についての研究は数多く報告されており、口臭の簡便かつ有効な測定法であることが確認されています。
B/Bチェッカーは、資料中の全ての可燃性ガス成分を測定するため、測定前の飲食等に含まれる成分に大きく影響を受けます。そのため、以下の事項にご注意ください。
・検査2時間前からは、ミネラルウォーター以外を口に含まないでください(ガムやタブレット類も禁止)。
・洗口液、口臭対策用スプレー、歯磨き粉などの使用も、検査1時間前からはお控えください。
・喫煙者は、検査1時間以上前から禁煙してください。
日本人の約8割が自分の口臭が気になると回答したというアンケート調査もあり、それほど口臭のお悩みは身近なものです。まずは自分の口臭が「生理的口臭」なのか、それとも「病的口臭」なのかを正しく診断してもらうことが大切です。自分で判断することはまず不可能ですので、歯科医院でご相談ください。も
し病的口臭ならば、原因となる病気の治療が必ず必要です。大半は虫歯や歯周病などの一般歯科的な問題ですので、歯科医院で原因疾患を治療し、口臭の改善をはかりましょう。
生理的口臭の場合は、よく噛んで食べる、睡眠を十分にとり疲れをためないようにするなど日頃から唾液を減らさないような工夫をすること、また胃腸に負担をかけない生活を心がけることで、口臭予防につながります。
いずれの場合も、お口の中を清潔に保つことが、口臭の一番の予防方法でもあります。毎日ご自宅で行うセルフケアはもちろんのこと、歯科医院での定期的なプロフェッショナルケアを積極的に活用し、口臭を予防していきましょう。
口臭のことや口臭検査・治療について気になることがございましたら、お気軽に当院のスタッフまでお問合せください。