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2023.04.20
目次
京都市左京区の歯医者、金田歯科医院の院長の金田直樹です。
今日のお話は当院で使用しているうがい薬のポイックウォーターについてのお話です。
ポイックウォーターは自宅でも使用できる安全な洗口液です。「ポイック」とは「Professional Oral Infection Control」の略で、専門的口腔感染症予防を意味します。ポイックウォーターは高濃度たんぱく分解除菌水ともいわれ、次亜塩素酸(HOCL)と次亜塩素酸イオン(OCL-)を含む水です。次亜塩素酸(HOCL)は殺菌力の本質で、次亜塩素酸イオン(OCL-)はたんぱく質の分解・洗浄を左右するイオンです。たんぱく質分解の際の酸性物質により、それ自身が次亜塩素酸イオンから次亜塩素酸に形を変えます。そのため、お口の中をゆすぐだけで洗浄と除菌を同時に叶えることができます。
ポイックウォーターは、不純物を極限まで取り除いた「超純水」と、純度99.9%の塩を混合し、電気分解して生成します。したがって薬品は一切使用しておりません。ここが市販の洗口液と大きく異なる点です。また次亜塩素酸は、人間の体内で白血球(好中球)が細菌を死滅させる過程において作用しているものと言われています。人間の血液中にある成分由来だからこそ、安全性が高く、安心してご使用いただけます。
ポイックウォーターには、大きく分けて2つの効果があります。
プラーク(歯垢)とは、歯の表面に付着している細菌の塊です。プラークの中には細菌が約600種類も存在していると言われています。白色または黄白色をしているため目では確認しにくいのですが、舌で歯を触るとざらざらとした感触があります。歯の表面がねばねばするのは、食べかすそのものではなく、自分の口の中の細菌に起因するのです。これらのプラークは粘着性が強いため、歯の表面にしっかりと付着しており、ただ水でうがいをするだけでは取れません。歯以外にも、清掃が不十分な入れ歯や舌の表面にも同様に付着します。
このように、虫歯菌・歯周病菌はプラークという集合体で守られているため、プラークを分解しないことには歯を菌から守ることもできません。ポイックウォーターは、まず歯の表面のプラークを分解し、その後虫歯菌・歯周病菌を除菌していきます。このように、虫歯や歯周病の予防が期待できます。
また、長引くマスク生活で口臭が気になる方も多くいらっしゃるのではないでしょうか。口臭には様々な要因がありますが、虫歯や歯周病、そしてプラークも主な原因と言われています。口の中の細菌が、餌となるたんぱく質を分解する際に発生する物質が関係しているからです。したがって、口臭を予防するためには、餌となるたんぱく質を除去すること、そして除菌・殺菌することが重要になります。
さらに、このポイックウォーターはインフルエンザやノロウイルス等に対しても除菌効果をもつと言われています。芽胞菌やカビ、HIV、O-157、B型肝炎、C型肝炎、MRSAなど様々な細菌やウイルスに効果があるため、次亜塩素酸水を殺菌水と呼ぶ人もいるほどです。そのため、これからの季節に心配な風邪や感染症に対しても効果が期待できるのです。
市販されている洗口液は、薬品を使用して殺菌力を高めています。しかし、市販のうがい薬に含まれている成分は、殺菌力はそう高くはなく、また、たんぱく質を分解するような成分も含まれていません。
一方、ポイックウォーターには次亜塩素酸(HCLO)という成分が含まれており、この成分により除菌能力を持ちます。次亜塩素酸は人体由来の免疫成分であり、安全性が高いことで知られています。一般に、食品添加物の規定上限は80ppmと定められていますが、このポイックウォーターは20ppmとその基準もクリアしています。したがって、ポイックウォーターはたんぱく質を分解し、除菌力にも優れた唯一の洗口液として、安心・安全にご使用いただけるのです。
ポイックウォーターは歯科医院においても幅広く活用されています。患者様のご自宅での使用はもちろんのこと、治療前の洗口や根管治療、歯周治療、各種オペ時、器具洗浄、チェアーの清掃など幅広く活用されています。特に、訪問診療においては、周術期の口腔ケアや誤嚥性肺炎の予防の観点からもポイックウォーターの効果が期待されています。さ
らに、歯科のみならず様々な企業においても、同様の成分の水で食品や工場の生産ラインを除菌しているほか、某テーマパークにおいても微酸性電解水という名称で使用されているようです。
ポイックウォーターの使用方法は簡単です。キャップ1杯(5~10cc)のポイックウォーター原液でうがいをします。この際、30秒ほど強めにぶくぶくうがいをしていただくことで、お口の中に水流を起こし、しっかり洗口することができます。
また、ポイックウォーターを口に含んだ状態で歯を磨くことも効果的です。歯ブラシの毛先を歯と歯ぐきの間に入れ込むように細かく磨くことによって、落としにくい箇所のプラークも除去しやすくなります。
ポイックウォーターでうがいをすると、塩素のような臭いがすることがあります。これは、ポイックウォーターそのものの臭いや薬品の臭いではありません。口腔内のたんぱく質が分解されるときに発生する、「クロラミン」という気体の臭いです。汚れが多いほど臭いを強く感じますが、体に害のあるものではありません。継続してご使用いただくうちに、クロラミンの発生も減り、臭いも徐々に薄れてきます。
さらに、妊娠中の方にもポイックウォーターはおすすめです。次亜塩素酸は人間の免疫成分のため、妊娠中のお身体にも問題はありません。妊娠中は女性ホルモンの影響で歯周病菌が増殖し、歯周病が悪化したり口臭の原因になることも多いです。妊娠初期は特に、つわりなどで十分な歯磨きができない場合もあります。そのようなときにも、ポイックウォーターを積極的に使用することで、お口の中のさっぱり感を得られ、虫歯や歯周病の予防にも繋がります。
もし、刺激が強いと感じるようでしたら、同量のお湯やお水(可能であればお湯のほうが効果は高いです)で薄めてご使用いただくことも可能です。朝・昼・晩とご使用いただくことが理想ですが、忙しい時は就寝前だけでもポイックウォーターでのうがいを取り入れてみてください。翌朝目覚めたときのお口の中のねばねば感が違います。もしお湯やお水で薄めてご使用される場合は、うがいをする直前に薄めて使用していただくようにお願いいたします。
・虫歯を予防したい方
・歯周病を予防したい方
・インプラント周囲炎を予防したい方
・口内炎ができやすい方
・口臭が気になる方
・お口の中がねばねばするなどの不快感が気になる方
・風邪やインフルエンザを予防したい方
一度ご使用いただくと、良さをご体感いただけるかと思います。
ご興味のある方は、当院スタッフまでお気軽にお声がけください。