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2021.03.10
京都市左京区岩倉の歯科医院、金田歯科医院の院長の金田直樹です。
今回のブログのお題にもありますが、インプラントは虫歯になるのでしょうか?
答えから申しますと、インプラントは虫歯にはなりません。虫歯とは歯の病気です。インプラントは歯ではないので虫歯にはなりません。入れ歯が虫歯にならないのと同じです。
一方で、インプラントは歯周病にはなるのでしょうか?こちらも答えから申しますと、インプラント歯周病になります。その理由を今から解説します。
歯周病とは、歯槽骨と呼ばれる骨が溶ける病気です。
では歯槽骨とは何でしょう?歯槽骨とは歯を支えている骨です。お口の中を見ると、歯は歯茎から生えているように見えますが、その歯茎の下には骨があり、その骨がしっかりと歯を支えているのです。この骨、歯槽骨が溶ける病気が歯周病や歯槽膿漏と呼ばれる病気です。
さて、お話を戻します。では、なぜインプラントは歯周病になるのでしょうか?それはインプラントは骨の中に植えるからです。インプラントは歯と同様に骨によって支えられています。よってインプラントは骨の病気の歯周病にはなるのです。
歯周病が進むと歯がグラグラしたり、膿が出たり、噛んだら痛くなりますが、インプラントも骨が溶けるとグラグラしたり、膿が出たり、噛んだら痛くなります。このようなインプラントの歯周病のことをインプラント周囲炎と呼びます。
インプラント周囲炎も歯周病も、原因は噛み合わせなどの過度な力と、お口の中の汚れです。
過度な力、とはインプラントや歯に食いしばりや歯軋りなどで、過度で余分な力が加わるとインプラントや歯を支えている骨が溶けたり痩せたりします。ちょうど、砂場に立てた柱を横から力を加え続けると、柱の周りの砂が緩んで柱が動くのと同じです。
続いてお口の汚れに関するお話です。汚れが歯周病の原因である、ということはおおよそみなさん、ご存知だと思います。インプラント周囲炎も同じです。ですのでインプラントもご自身の歯と同様に、食事の後の日々の歯ブラシによるお掃除(セルフケア)歯科医院でのメンテナンス(プロフェッショナルケア)が必要です。
インプラントは噛めるようになって治療が終了するわけではありません。どちらかというとスタートです。やっと噛めるようになったので美味しいご飯をしっかりと3度食べるという生活がスタートするのです。
そのためには、皆さんの歯と同様にメンテナンスによってより良い状態の維持が必要なのです。虫歯にならないからといってお掃除をする必要がなかったりメンテナンスが必要ではない、ということはありません。
インプラントというのは非常に生体親和性が良いです。生体親和性が良い、とは簡単にいうと、私たちに体と相性がいい、私たちの体にとって優しい、ということです。ですので、骨の中に存在しても異常が起こらないのです。
しかし、人工物、であることには変わりがないので、一度感染を起こすと一気にインプラント全体が感染を起こすことがあります。しかし、きちんとケアをすれば感染が起こるリスクは非常に低いです。せっかく、時間と費用を費やして行ったインプラント治療ですので、是非とも日々の歯ブラシによるお掃除や歯科医院でのメンテナンスを大切にして下さると幸いです。