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2023.05.11
目次
こんにちは。京都市左京区岩倉にある歯医者「金田歯科医院」です。
「歯ブラシをあてると歯茎から出血がある」「疲れがたまると歯茎に違和感がある」といった症状にお悩みの方はいらっしゃいませんか。
このような症状がある方は、歯周病に罹患している可能性が高いかもしれません。歯周病は、30歳以上の80%以上の方が罹患している身近な感染症のひとつです。
本記事では、歯周病の概要と自宅でできる歯周病予防などを解説します。歯周病や歯周病対策について理解を深めたい方は、参考にしてください。
歯周病は、歯を支えているあごの骨や歯茎などの組織に起こる病気です。歯周病は、自覚症状があらわれにくい特徴があるため、ご自身が気づかない間に歯周病が進行し、回復の見通しが悪くなるケースも少なくありません。
歯周病は、進行状態によって大きく歯肉炎と歯周炎にわかれます。それぞれの症状は、以下のとおりです。
歯肉炎は、歯茎だけに炎症がある状態を指します。歯周病の初期段階なので、適切に対処すれば健康な状態に改善できます。
歯肉炎の主な症状は、以下のとおりです。
初期段階では、赤みや腫れもわかりにくいです。歯ブラシをあてたとき、たまに出血する程度なので症状に気づかない方もいらっしゃるでしょう。歯茎の赤みや腫れ、歯茎からの出血は気づいても痛みを感じないケースが多いので、放置しがちです。
しかし、歯肉炎を放置すると歯周炎へと移行するので、歯肉炎の段階で適切に対処する必要があります。
歯周炎は、歯茎だけでなく、歯を支えるあごの骨(歯槽骨)にまで炎症が進行している状態です。歯周炎に移行すると自覚症状を感じる方も増加します。
歯周炎の主な症状は、以下のとおりです。
歯周炎は進行度合いによって軽度~重度にわかれます。進行度合いによる症状の違いは、以下のとおりです。
軽度の場合、歯茎の赤みや腫れ、出血の症状があり、歯磨きなどで歯茎が刺激されると出血をともないます。頻繁に出血があるので、自覚症状を感じる方も多いでしょう。
疲れやストレスで抵抗力が弱まっていると歯周病菌が活発に活動するため、歯茎が腫れて痛むことがあります。
中等度の場合、軽度の症状に加え、口臭や歯茎からの排膿がみられる方が多いです。
歯周病菌の影響で、歯を支えている歯槽骨が溶けるので、歯が揺れる場合や歯茎が痩せて歯と歯の間にすき間ができる場合があります。中等度では、多くの方が自覚症状を感じるでしょう。
重度の場合、歯が揺れてものが噛めない、歯茎が腫れて痛いなどの自覚症状が顕著にあらわれます。
症状が進行して日常生活に支障がある場合、抜歯することもあります。また、重度の歯周炎の場合、歯槽骨が歯を支えることができなくなり、歯が抜け落ちることも珍しくありません。
歯周病は、自覚症状があらわれにくい疾患のため、早期発見や早期治療が何よりも大切です。
歯周病の原因には、直接的原因と間接的原因があります。それぞれの違いは、以下のとおりです。
歯周病の直接的原因は、歯の表面に残る「プラーク(歯垢)」です。
プラークは、細菌が増殖してできた塊です。白色または黄白色のねばねばした物質で、1mgあたり1億個以上の細菌が繁殖しているといわれています。
プラーク中の歯周病菌は、酸素の少ない場所を好み、主に歯と歯茎の境目にある歯周ポケットに生息しています。歯周病は、歯周病菌が増殖しながら内毒素とよばれる毒素を作り出し、内毒素によって歯茎や歯槽骨などの歯周組織に炎症を引き起こすのです。
歯周病の間接的原因は、口内の環境や生活習慣に起因し、歯石は歯周病を悪化させる間接的原因のひとつです。歯石の表面はざらざらしているため、プラークが付着しやすく、歯周病が悪化する可能性が高いです。
また、喫煙はタバコに含まれるニコチンや一酸化炭素によって、歯茎の血行不良や酸素不足につながります。歯茎に十分な栄養が行き届かないことで歯周病菌に対する抵抗力が低下し、結果的に歯周病が進行する原因となります。
歯周病の原因は、プラーク(歯垢)です。歯周病予防するために、自宅で行うセルフケアが重要です。
セルフケアのポイントは、以下のとおりです。
歯ブラシを選ぶときは、ヘッドの大きすぎるものはさけましょう。ヘッドの大きすぎる歯ブラシを使用すると、奥歯まで歯ブラシが届かずに、磨き残しの原因になります。
また、歯ブラシの毛の硬さは「ふつう」がよいでしょう。「かため」の歯ブラシを使用する場合は、歯茎を傷付けるリスクがあるため、力のかけすぎにご注意ください。「やわらかめ」の歯ブラシは毛がしなりやすく、力をかけすぎると汚れの除去効果が低くなります。
ただし、歯茎が炎症を起こして敏感になっている場合は、一時的に「やわらかめ」の歯ブラシを使用するとよいでしょう。
歯周病を予防するために、プラークを残さないようにしっかりと歯ブラシをあてる必要があります。
歯周病に効果的といわれている代表的なブラッシング法は、スクラビング法とバス法です。それぞれの方法の特徴は、以下のとおりです。
スクラビング法は、歯と歯茎の境目に歯ブラシを90度にあてて、横に小刻みに動かすブラッシング法です。小刻みに動かすことで歯と歯の間に毛先が入り込むので、口内の汚れを全体的に落とすことができます。
スクラビング法は、簡単な動きで高い清掃効果が得られるブラッシング法で、複雑な動きが難しいこどもや高齢者の方でも行うことが可能です。歯周病予防や歯肉炎、軽度の歯周炎に効果的なブラッシング法といえるでしょう。
バス法は、歯ブラシの毛先を歯と歯茎の境目に45度の角度であてて、横に小刻みに動かすブラッシング法です。毛先を45度にすることで、歯と歯茎の境目にある歯周ポケットのなかに毛先が入り込み、歯周ポケットに入り込んだプラークの除去や歯茎のマッサージ効果が期待できるでしょう。
バス法は、歯周炎に罹患して歯周ポケットがある方や歯茎が炎症を起こして腫れている方などに向いているブラッシング法です。
歯ブラシだけでは、口内の汚れの60%ほどしか除去できません。
口内を清潔に保つために、補助清掃用具を積極的に使用しましょう。歯と歯の間に残る汚れは、デンタルフロスや糸ようじ、歯間ブラシを利用して除去しましょう。
また、歯並びが悪く、歯ブラシが届かない部分にはワンタフトブラシがよいでしょう。ワンタフトブラシなら細いすき間でも毛先をあてられるので、歯ブラシで落としきれない部分の清掃に向いています。
歯周病の予防には、歯科医院を定期的に受診して口内の状態を確認してもらうのがよいでしょう。
歯科医院の定期メンテナンスでは、虫歯や歯周病の確認、歯の表面に付着している歯石や着色汚れの除去を行います。
また、歯科医院では、自宅でのセルフケアがスムーズにできるように、磨き残しがある部分や歯ブラシがあてにくい部分、磨き癖などを確認してブラッシング指導するのが一般的な流れです。歯ブラシがあてにくい部分や補助清掃用具の使い方など、確認したい部分や疑問がある場合に適切に指導してくれるでしょう。
一度沈着した歯石や着色は自宅では落とすことができないため、歯科医院で定期的にプロフェッショナルケアを受けることは清潔な口内を保つために必要不可欠です。通院頻度は一人ひとりの口内の状態によって異なりますが、3か月~半年に一度の来院をすすめられるケースが多いでしょう。
歯周病は、30歳以上の80%以上の方が罹患している身近な感染症のひとつです。直接的な原因は口内に残るプラーク(歯垢)で、喫煙など生活習慣の影響でさらに進行が加速する場合があります。
しかし、毎日のセルフケアと歯科医院で行うプロフェッショナルケアを行えば、歯周病の予防や改善ができます。ご自身のブラッシングに自信がない方や歯周病の症状がある方は、早めに歯科医院を受診してブラッシング指導や適切な治療を受けましょう。
歯周病予防を検討されている方は、京都市左京区岩倉にある歯医者「金田歯科医院」にお気軽にご相談ください。