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2024.01.19
目次
こんにちは。京都市左京区岩倉にある歯医者「金田歯科医院」です。
妊娠中の時期、お母さんは大切な赤ちゃんを守るために特に健康に気を配ります。お口の中に関しても「虫歯や歯周病にならないように」と、気をつけていることでしょう。
とはいえ、つわりや妊娠のストレスから思い通りに口腔ケアができないのも事実です。
そこで今回は、妊娠中の虫歯予防が大切な理由や対策について解説します。妊娠中のお口トラブルが心配な方は、ぜひ参考にしてください。
妊娠中は、虫歯になりやすい時期です。普段は、虫歯があまりできない人でも、妊娠中に虫歯になってしまうこともあり得ます。
まずは、妊娠中に虫歯になりやすい理由について、知っておきましょう。
妊娠中は、ホルモンバランスが変化するため口腔内環境が変わります。女性ホルモンが急激に増加し、その影響で血管の透過性が高まり、唾液が粘っこい状態になります。そのため「口の中がネバネバする」と感じる人も少なくありません。
唾液が粘っこい状態だと、自浄作用が低下し、食べカスやプラークが残りやすくなります。食べカスやプラークが溜まった状態が続くと、虫歯になるリスクが高まるのです。
つわりによって歯磨きができなくなる人も少なくありません。つわりがひどいと「歯ブラシを口に入れただけで吐き気がする」「奥歯を磨けない」などの状況になることもあります。
歯磨きができないと、汚れがいつも残った状態になり虫歯のリスクが高くなります。
妊娠やつわりの影響で、食べ物の好みが変わることもあります。例えば、酸っぱいものを好んで食べるようになる人が増える傾向があります。酸っぱいものを食べると口腔内は酸性に傾くため、虫歯になりやすいです。
いつもは健康や虫歯に気をつけて栄養バランスのよい食事を心がけている人でも、妊娠によって食べ物の嗜好が変わると、限られたものしか受け付けないこともあるでしょう。
妊娠中には食べる量が少なくなる方もいます。そのため、食べる回数が増えることもあるのです。食べる回数が増えることも虫歯になる原因です。
食事をすると、口の中は酸性に傾き歯が脱灰します。その後、脱灰した歯は再石灰化して元の状態に戻りますが、食べる回数が増えると再石灰化する前に脱灰します。妊娠中は、食べられるものを、体調のよいタイミングに合わせて食べるしかありません。
食べるものだけでなく、食べる回数も虫歯になりやすい原因となることを理解しておきましょう。
妊娠中は虫歯だけでなく、次のお口トラブルも起こりがちです。
つわりで歯磨きがしにくいことや、唾液が粘っこくなると、プラークが溜まりやすくなります。プラークは細菌とその排泄物の塊です。プラークは虫歯や歯周病だけでなく、口臭の原因にもなります。
さらに女性ホルモンが増加すると、一種の歯周病原性細菌が繁殖しやすくなるため、歯周病になるリスクが高くなります。妊娠中は妊娠性歯肉炎に注意しましょう。妊娠性歯肉炎になると早産や低体重児出産のリスクがあります。
妊娠中に虫歯になっても、お腹の中の赤ちゃんに直接影響を与えるわけではありません。
とはいえ出産後、生まれたばかりの赤ちゃんに虫歯がうつるリスクは高くなります。生まれたばかりの赤ちゃんの口腔内は、無菌状態で虫歯菌はいません。
しかし、ミルクを飲ませたり、スプーンで離乳食をあげたり、スキンシップをしたりする中で、お母さんの唾液が赤ちゃんの口の中に入ることで虫歯がうつります。
お母さんは赤ちゃんに最も身近な存在です。お母さんが虫歯だと、赤ちゃんの口の中で虫歯菌が増え、乳歯や永久歯が虫歯になりかねません。
生まれてくる赤ちゃんを虫歯から守るためにも、妊娠中に虫歯の予防が大切です。
とはいえ、つわりなどのいつもと違う状況の中で、どのように虫歯を予防すればよいのか疑問をもつ方もいるでしょう。「完璧に予防をしなければならない」とは考えずに、できることから始めましょう。
例えば、下記のポイントを押さえることを意識してください。
妊婦歯科健診を受け、口腔内の状態をチェックしてもらいましょう。妊婦歯科健診を受けることで、虫歯や歯周病を早期に発見・対処できるからです。さらに、妊娠中の歯磨きや、食事の仕方などのアドバイスをもらえます。
つわりで「いつものように歯磨きをするのが難しい」と感じることもあるでしょう。歯磨きが難しいときには、無理しすぎず、できる範囲で対策してください。
例えば、次のことができます。
食後すぐに歯磨きをするのが理想ですが、つわりがきつい場合は無理せず、体調がよいときに歯磨きをしましょう。一度に全ての歯を磨けなくても、上下左右などパートごとに区切り、数回に分けて磨くこともできます。
また、子供用の歯ブラシなど、小さいヘッドの歯ブラシを使用すると、歯磨きが楽になる場合もあります。どうしても歯ブラシを口に入れられないときには無理せず、うがいだけでもしましょう。
できる範囲で、虫歯ができにくい食習慣を意識してください。
つわりで食べられるものや一度に食べる量が変わると、食生活を意識することはなかなか難しいかもしれませんが、つわりがおさまったら以下の点を意識するとよいでしょう。
妊娠中に限らず、ダラダラと食事をすると虫歯になるリスクが高くなります。また、甘いものばかり食べると虫歯になりやすいです。
クッキーやキャラメルなどの歯にくっつきやすいものも避けましょう。ゼリーなど、つるんと飲み込めるものであればお口の中に残りにくいです。
万が一虫歯になったときには、歯科医師(場合によっては産婦人科医も)と相談しましょう。安定期に入り、体調が安定していれば虫歯治療を受けられる場合があります。
妊娠中は「レントゲンは大丈夫?」「妊娠中の治療は大丈夫?」など心配になる方も少なくありません。
しかし、歯科医師やスタッフに妊婦であることを伝えておけば配慮や適切な処置をしてくれます。例えば、エックス線撮影が必要な際は、お腹にエプロンをかけてガードします。
そもそも、歯科のエックス線撮影に使われる放射能の量は微量で、お腹から離れているため胎児にほとんど影響はありません。虫歯の治療もお腹の中の赤ちゃんに負担がかからないように様子をみながら進めてもらえるでしょう。
今回は、妊娠中の虫歯予防が大切な理由や対策について解説しました。
妊娠中は、ホルモンバランスの変化で口腔内環境が変わります。また、つわりなどによって歯磨きがしにくくなるでしょう。そのため、妊娠中は虫歯になりやすいのです。
つわりで歯磨きができないときにはうがいをしましょう。また、食べるものを意識するだけでも虫歯のリスクを抑えることができます。
「完璧に虫歯予防をしなければならない」と考えるとストレスになりますので、ポイントを押さえ、できることから少しずつ対策をしてください。妊娠中の口腔ケアに不安がある方は歯科医院を受診して歯科医師や歯科衛生士に相談しましょう。
予防歯科を検討されている方は、京都市左京区岩倉にある歯医者「金田歯科医院」にお気軽にご相談ください。