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2023.10.17
目次
こんにちは。京都市左京区岩倉にある歯医者「金田歯科医院」です。
当院では、ご来院いただく患者様に安心・安全で高精度な治療をお受けいただくため、最新設備や技術を活用した診療を行っております。設備を新たに導入するだけでなく、それらのメンテナンスや法定点検を欠かさず実施することで、設備を使用するにあたっての安全性を確保し、皆さまに安心して治療を受けていただけるような環境を整えています。
歯科治療においては、レントゲンをはじめとするX線画像を用いてお口の中の状況を把握することが非常に大切です。X線が照射されると透過して体外に放出されるもの、吸収されるものがあります。この性質を利用し、透過率の違いから人体の内部を映し出す技術がレントゲンです。X線が透過する皮膚や筋肉、脂肪は黒く、透過しない歯や骨、金属などの人工物は白く映ります。
安心・安全に歯科治療を進めていくにあたって、レントゲン撮影で得られる情報は非常に重要な診断材料となります。歯科医師や歯科衛生士が患者様のお口の中を拝見して確認できるのは、歯や歯ぐきの表面の見えている部分のみです。しかし、歯科治療においては外側からは見えない歯や歯ぐきの中で起こっていることを把握して診断する必要があります。そこで重要となるのが、レントゲン撮影により得られた情報です。
歯科治療では、主に3種類のレントゲンが撮影されます。
「パノラマ」が広々とした眺めを意味する通り、パノラマレントゲンでは眼窩(目の周り)から下顎オトガイ部までの広範囲を映し出すことのできるレントゲンです。歯科医院を受診した際には、お口やその周囲の状況を把握するために必ず撮影します。パノラマレントゲンでは、1枚の画像から以下のようなたくさんの情報を得ることができます。
✓ 虫歯の有無や進行状況
✓ 歯周病の進行状況
✓ 親知らずなどの埋伏歯(まだ生えてきていない歯)の状態
✓ 顎の骨の病気
✓ 顎の関節の状態
✓ 上顎洞(副鼻腔)の状態
✓ 過去の歯科治療歴
✓ 被せ物や詰め物、インプラントなどの状態
✓ その他過剰歯・欠損歯などの状態
デンタルレントゲンでは、約3cm×4cmのフィルムをお口の中に入れて撮影する部分的な歯科レントゲンで、撮影範囲は歯3~4本分です。デンタルレントゲンでは、以下のような情報を得ることができます。
✓ 虫歯の有無や進行状況
✓ 歯と歯の間(隣接面)の虫歯の有無
✓ 根管治療後の確認
✓ 歯周病の進行状況
✓ 根分岐部病変の確認
✓ その他インプラント周囲の骨吸収の確認など
CTとは、コンピューター断層撮影(Computed Tomography)の略称で、放射線などを利用して物体の断面像を三次元的に描写する検査です。インプラント治療や親知らずの抜歯、根管治療の際にもCT撮影が行われることがあります。歯科用CTでは、二次元的なレントゲンでは分からない以下のような情報を得ることができます。
✓ 上顎洞の形態や位置関係
✓ 骨の厚みや奥行き
✓ 神経の位置
✓ 親知らずなどの埋伏歯の位置
✓ 根尖病巣の広がり
当院で導入しております「Green X Plus」は、CT撮影とレントゲン撮影を同時に行える複合機で、10秒かからずに歯科用CTを撮影することも可能です。高速スキャンにより、患者様の被ばく量も最小限に抑えることができますのでご安心ください。
特に、歯科用CTは最先端の医療機器であり、導入している歯科医院はまだ全体の20%程度といわれていますが、当院ではより安全で精確な治療を患者様にご提供するため、歯科用CTをいち早く導入しております。
私たち医療機関は、医療機器を安心・安全に使用できるよう、適切な保守点検を行うことが義務付けられています。X線検査は歯科治療において非常に大切な検査ですが、放射線は検査の目的以外に不必要に浴びてもよいものではありません。そこで当院では、専門機関に半年に1回の医療機器の法定点検を委託をしており、主にレントゲン室の放射線漏洩線量等と管理区域の基準チェックを行っています。
レントゲン室からの放射線量を、放射線測定器(サーベイメータ)を用いて測定する検査です。医療法施行規則第30条の22、電離放射線障害防止規則第54条に規定されており、半年に1度の実施が求められています。また、漏洩線量測定を行った際のデータは、5年間保存しなければなりません。当院が委託している外部業者は労働局より作業環境測定期間の認可を受けており、有資格者が責任をもって放射線漏洩線量測定を行っております。
当院の点検を行っている専門機関による調査では、2021年に実施した3578件の放射線漏洩線量検査において、約2割にあたる640件の施設で漏洩が認められました。放射線の漏洩は、レントゲン室の出入り口の扉の隙間が漏洩箇所として最も多く、放射線漏洩のある施設の約6割で出入り口扉からの放射線の漏れが検知されています。したがって、定期的に検査を行い放射線が漏洩していないことを確認することは、安全性の確保のために非常に大切なのです。
放射線漏洩線量測定においては、サーベイメータ法とバッジ測定(積算線量計法)の2つの方法が従来より行われてきました。しかし、バッジ測定では放射線漏洩が最も起こりやすい出入口扉周囲の測定が難しいというデメリットがあります。バッジ測定に使用する計測器は出入口扉の隙間に貼り付けることはできず、扉を開閉することで落下や破損するリスクも高くなるからです。また、バッジ測定では1カ月間バッジを貼り付ける必要があるため、測定期間中に落下や破損が生じた場合に正確な数値の測定が難しくなってしまいます。一方、サーベイメータ法であれば扉の状態に合わせて測定点を追加したり、レントゲン室の状況に合わせて柔軟な測定が可能となります。そのため、放射線漏洩線量を見逃すリスクも格段に低くなります。測定結果はその場でわかるため、迅速な検査対応が可能となります。このような理由から、保健所等の行政機関でもサーベイメータ法での測定が推奨されています。
放射線測定器には「電離箱式サーベイメータ」「GM管式サーベイメータ」「シンチレーション式サーベイメータ」「半導体式サーベイメータ」などがありますが、一般的な管理区域境界における放射線漏洩線量測定にはX線とγ線を検知できる「電離式サーベイメータ」が用いられます。測定器を床から1mの高さに設置し、画壁の外側で測定を行います。
ご来院いただく患者様に安心して治療を受けていただけるよう、設備の定期点検を欠かさず行っております。また、今回ご紹介した定期点検以外にも診療所内での放射線量測定を定期的に行うなど日常的な安全確認を徹底し、万全の体制で患者様をお迎えできるよう努めております。ご来院いただいた皆様に笑顔でお帰りいただけるような歯科医院を目指して参りますので、お口の中で気になることがございましたらお気軽にご相談ください。