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2023.09.12
こんにちは。京都市左京区岩倉にある歯医者「金田歯科医院」です。
「歯石が気になるけれど、自分で取ることはできないの?」「歯科医院に行かないと駄目なのだろうか」といった疑問をおもちではありませんか。
結論からお伝えすると、自分で歯石を取ることは不可能ではありませんが、おすすめできません。歯科医院で定期的にみてもらうのが最も確実で安全です。
しかし、定期的に歯科医院に通うのが面倒な方や、忙しくてなかなか時間を取れない方も多いでしょう。
そこで今回は、歯石の概要のほか、歯石を取らないリスク、自分で歯石を取るリスク、歯科医院で歯石を取る手順、歯石ができないように予防する方法などを解説します。気になる方はぜひご覧ください。
歯石とは、唾液に含まれるミネラルや、食べカスと細菌が混ざって形成される歯垢が結合してできたものです。
食事の際に食べ物から出た糖質が歯の表面のエナメル質を溶かします。すると、歯を再びコーティングして守るために唾液中のミネラル成分が働きます。この働きが「石灰化」です。石灰化の過程でミネラルと歯垢が混ざり、歯石が作られるのです。
歯石には「縁上歯石」と「縁下歯石」の2種類があります。縁上歯石は歯の表面に付着した目視で確認できる歯石です。縁下歯石は歯茎にある歯周ポケットの中に蓄積した目視できない歯石で、酸素を嫌う嫌気性という性質から歯茎の中で形成されます。
縁上歯石はクリーム色で、縁下歯石は黒色です。通常、縁下歯石は歯茎の中にあるため目で見て確認するのは困難です。蓄積範囲が広く炎症を起こしているなど、重度の場合は、歯の表面や歯茎付近で黒くなっているのを確認できることもあるでしょう。
歯石を取らずに放置するリスクは、以下のとおりです。
以下、それぞれ解説します。
歯石の蓄積は、さらなる歯石の蓄積につながります。
歯石が蓄積すると歯の表面は凹凸があってザラザラした状態となるため、食べカスや歯垢などの汚れが絡みやすくなります。そこから雪だるま式にどんどん汚れが蓄積し、歯石が溜まっていくのです。もし、歯の表面が綺麗でツルツルした状態であれば、摩擦が少ないため歯石も蓄積されにくくなります。
また、歯石は歯の根本から伝って歯茎の中に入り込み、縁下歯石が形成されてしまうのもリスクのひとつです。縁下歯石が蓄積すると、歯茎が炎症を起こし、腫れるおそれや、痛みが生じるおそれがあります。
歯石の蓄積は、虫歯や歯周病の原因となることがあります。なぜなら、歯石があることで食べカスなどの汚れが溜まりやすい状態となっているからです。
歯石が直接虫歯の原因となるわけではありませんが、歯石が虫歯や歯周病を引き起こしやすくし、悪化させます。特に、歯と歯茎の間にある歯周ポケットに蓄積する縁下歯石は、口腔内のトラブルを引き起こしやすいため注意が必要です。
歯石の蓄積は、強い口臭を引き起こすことがあります。歯石が蓄積すると、歯の表面がザラザラして歯垢が溜まりやすくなります。溜まった歯垢が口腔内の細菌と混ざることで悪臭が発生するため、口臭が引き起こされるのです。
また、歯石の蓄積によって歯周病となった場合、歯茎から出血したり膿が出たりすることがあります。血生臭いにおいや膿のにおいも口臭の原因です。
口臭は、自分ではにおいに慣れてしまっているため、気づかずに過ごしていらっしゃる方も多いでしょう。
自分で歯石を取ることは不可能ではありませんが、おすすめできません。理由は、以下のとおりです。
以下、それぞれ解説します。
そもそも歯石を自分で全て取り切るのは難しいです。歯石を取るには専門の器具を使う必要があるため、歯科医師や歯科衛生士ではない限り、器具を用意してもうまく使いこなせない方が多いでしょう。
特に、歯石が溜まりやすいとされている下の前歯の裏側や奥歯の外側は自分で見えにくいため、手が行き届かない可能性があります。自分でやっても取れないことはありませんが、全てきれいにとるためには、専門的な知識と技術のある歯科医院で行うのがよいでしょう。
自分で歯石を取ろうとした場合、歯茎を傷つけて出血するおそれや、腫れるおそれがあります。慣れない器具を使って慣れない作業をすると、思うように使いこなせないことや、指が疲れることがあるからです。
また、歯石の除去に使う器具は先端が尖っていて、力の入れ加減や角度を間違えると歯茎に突き刺さる危険があります。素人が使えば、気をつけていても怪我する可能性があるのです。お口の中を怪我した場合、結局は歯科医院に行くことになるため、自分で歯石を取ることはおすすめできません。
歯石には二種類あると先述しましたが、そのうちのひとつである縁下歯石を自分で取るのはほぼ不可能です。
縁下歯石は歯と歯茎の間にある歯周ポケットに溜まっているため、目で見て確認することができません。専門的な処置が必要となるため、ご自宅では取りのぞけないのです。
だからといって、放置すると虫歯や歯周病を引き起こしてしまいます。症状が出る前に、歯科医院で処置してもらうことが重要です。
自分で歯石を取ろうとすると、逆に奥の方へ歯石を押し込んでしまう可能性があります。歯石の位置が見えにくかったり器具をうまく動かせなかったりすることで、思うような処置ができないからです。
歯石は、一度奥に入り込んでしまうと自分で取り出すのは難しく、結局歯科医院に行くことになります。そのため、始めから歯科医院で処置してもらったほうが二度手間にならず、より確実に歯石を取ることができるでしょう。
自分で歯石をとった場合、一度歯石を除去したとしても、またすぐに歯石が蓄積する可能性が高いです。取りきれなかった歯石が残って歯の表面がザラザラしているため、すぐに汚れが蓄積して歯石が形成されてしまいます。結局、何回も歯石をとる必要があり、キリがありません。
歯科医院で歯石を取れば、次は数か月後にチェックすれば問題ありません。無駄に時間と労力がかかってしまうため、自分で歯石を取ることはおすすめできません。
ここからは、歯科医院で歯石を取る際の手順について解説します。歯石が蓄積している場所や程度によって治療法が異なるため、2つのケースに分けて解説します。
一般的な歯石を除去する手順は、以下のとおりです。
まず、超音波スケーラーという器具を使って歯石を取りのぞきます。超音波スケーラーは超音波の振動によって歯石を除去する仕組みで、広範囲の歯石除去に最適です。
超音波スケーラーである程度の歯石が取れたら、次にハンドスケーラーで細かな歯石や歯周ポケットに蓄積している頑固な歯石を除去します。ハンドスケーラーは、手動で使用するスケーラーです。先端は鋭くなっているため、歯の裏や歯周ポケットの歯石を除去する細かい作業に向いています。
ハンドスケーラーを使い分けながら歯石を除去したあとは、ポリッシングを行います。ポリッシングとは、歯の表面を滑らかにする処置のことです。歯の表面を滑らかにすることで歯垢の付着を予防し、健康な歯を維持しやすくなります。ツルツルした摩擦のない歯は汚れが付着しにくくなるでしょう。
歯石が歯周ポケットの奥深くまで蓄積していてスケーラーが届かない場合は、フラップ手術を提案されることがあります。
フラップ手術とは、歯茎を切開して歯の根本をむき出しの状態にし、歯石を取る方法です。歯周ポケットが深くて縁下歯石を除去するのが困難なときに適応されます。術後数週間ほど痛みや腫れが続くことがあり、なかには知覚過敏になる方もいらっしゃるため、患者さまにかかる負担はやや大きいといえるでしょう。
歯石ができないように予防する方法は、以下のとおりです。
以下、それぞれ解説します。
まずは、ふだんの歯磨きをしっかり行いましょう。正しい歯磨きができていれば食べカスや歯垢を除去できるため、そもそも歯石が形成されません。
食べカスは24時間で歯垢に変わり、歯垢は48時間で歯石に変わるといわれています。1日2〜3回の歯磨きを徹底することが大切です。特に、歯石は歯と歯茎の境目から溜まっていきやすいため、歯と歯茎の境目を重点的にブラッシングすると効果的です。
歯ブラシで歯を磨いたあと、デンタルフロスで仕上げ磨きすると、より完璧に汚れを除去できます。歯ブラシでは届かない歯と歯の間に挟まった食べカスまでしっかり取ることができるでしょう。
食事のあとに毎回デンタルフロスで磨くのが難しければ、寝る前に1日の汚れを取るように使用するとよいでしょう。
フッ素が含まれた歯磨き粉を使用すると、歯石の減少につながります。
フッ素は歯の表面のエナメル質をコーティングして歯を守る作用があるため、虫歯予防にもなります。
電動歯ブラシは、歯ブラシの細かい振動を利用して歯の表面の汚れを効率よく除去できるため、歯石の予防として効果的です。
通常の歯ブラシで何度も歯をゴシゴシ磨くのは疲れますが、電動歯ブラシなら自動で細かな歯垢まで落とせます。
ふだんのホームケアを行いながら定期的に歯科医院で見てもらうと、より確実にきれいで健康的な歯を維持できます。定期的に歯科医院に通っていれば、もし歯石が溜まってきたとしてもすぐに取りのぞけるでしょう。
また、歯科医院で定期的にチェックすることで、歯茎を切開するような大きな処置が必要となる状態まで悪化することも防げます。長期的に考えると、人によっては負担もコストもおさえられるのです。
今回は、歯石は自分で取れるのか、歯石ができないようにする予防法について解説しました。
歯石を取りのぞくには専門知識や道具が必要なため、自分で取りのぞくことはおすすめできません。自分で歯石を取りのぞこうとすると自己処理中に歯茎を傷つける可能性があるため、注意が必要です。
また、歯茎の奥にある縁下歯石は、自分で取ることは非常に難しく、歯科医院を受診する必要があります。そのほかにも、不適切な方法で歯石を取りのぞくと歯茎に歯石が押し込まれる可能性があり、歯石を取りのぞいたとしても、再び歯石が蓄積しやすいのです。そのため、定期的に歯科医院に通い、専門的な知識と技術がそろった環境で適切なケアを行いましょう。
歯石の除去を検討されている方は、京都市左京区岩倉にある歯医者「金田歯科医院」にお気軽にご相談ください。