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予防歯科とは、患者様に定期的にご来院いただき、むし歯や歯周病などの疾患を発症したり悪化させないよう、検査や治療、専門的なクリーニング等のプロフェッショナルケア、歯磨き等のセルフケアについての指導を行うことです。
日頃からお口の中の環境を整えることで、ご自身の歯を1本でも多く長く健康に保ち、全身の健康に繋げていくことが大切です。
患者様の中には、歯の痛みや違和感を感じない限りは歯科医院を受診しない方もいらっしゃるかもしれません。しかし、その時点では既に症状が進行しており、治療にかかる時間や費用などのご負担が大きくなるケースが多数あります。
予防歯科は、「治すための治療」ではなく、むし歯や歯周病に「ならないための治療」です。
したがって、気になる症状やお痛みがなくても、定期的にご来院いただくことが予防歯科において最も大切なことです。
多くの患者様は、歯の痛みを感じてから「歯医者に行かなくては」と思われるかと思います。しかし、痛みが出てからの治療では、治療にかかる費用も大きく、治療期間も当然長引くため、患者様ご自身の負担が増えてしまいます。
何より、一回削ってしまった歯はもう二度と戻ってこないのです。
先ほどお伝えした通り、予防歯科は、「治すための治療」ではなく、むし歯や歯周病に「しないための治療」です。
自宅で行う毎日の歯磨きや口腔ケアと、歯科医院での予防歯科を並行して行うことで、むし歯や歯周病の発症を未然に防ぎ、たとえ症状が出ても早期発見・治療を最短で終えることができます。大切な歯の健康を維持するためにも、定期的な予防歯科を行うことが大切です。
噛みしめる楽しみ、会話する楽しみの大切さは失ってから気づくものです。豊かな生涯を送るためも、綺麗な歯を守っていきましょう。
雑誌『プレジデント』による調査で、70歳代の「健康分野において後悔していること」の1位は「歯を失ったこと」でした。歯を失うことにより、食事の楽しみが半減したり、歯の治療費が膨らみ家計を直撃する辛さを感じている方がとても多いという結果となったようです。
また、60歳以上の男女400名を対象に『歯並びと歯の残存数に関する意識調査』を行ったところ、「若いうちにもっとケアをしておけばよかった」と後悔したものの一位は『歯』でした。ご自身の体について「変化して欲しくなかったこと」「失って後悔していること」を聞いたところ、“歯”と回答した人が61.3%と、「髪の毛」や「体型」をおさえて最も多い結果となりました。
“歯”を選択した理由について、「歯を失って食べ物が美味しくなくなったから」「化粧に色々手をかけるより、歯に気を使えば良かった」などの声が得られました。
人生の大きな楽しみの一つ「食事」。これを楽しめなくなると、食べることがつまらなくなり、必要な栄養が取れなくなったりして、身体にもさまざまな影響が出てくるようになります。定期検診に行けば、そういった後悔をすることもなく、身体も健康で人生を楽しめるということです。
厚生労働省の調査によると、40~74歳の男性約55%、女性約17%がメタボリックシンドロームの疑いまたは予備軍といわれています。メタボリックシンドロームとは、内臓脂肪の蓄積に加えて、「脂質異常」、「高血糖」、「高血圧」を2つ以上該当した状態を指し、主な原因として食べ過ぎや飲み過ぎによるカロリー過多、運動不足、生活習慣の乱れなどが挙げられます。
このメタボリックシンドロームに至るまでの過程を表現するのが、「メタボリックドミノ」です。メタボリックシンドロームが進行すると、ドミノ倒しのように高血圧や糖代謝異常、さらには動脈硬化や脳血管障害が引き起こされ、最終的に心不全や脳卒中などの重大な疾患に繋がる、という病態の連鎖のことを表します。
実は、むし歯や歯周病はさまざまな全身の病気に大きく影響しており、最近ではメタボリックシンドロームとの関連も取り上げられるようになりました。
特に歯周病は全身疾患との関わりが深く、歯周病原菌が糖尿病や心血管疾患、骨粗しょう症といった全身疾患に影響を及ぼすということが既にエビデンスとして確立しています。
例えば、歯周病は糖尿病の合併症の一つとされています。歯周病菌は、歯ぐきの炎症部分から血液によって全身へと流れるので、歯周病があると肥満に結び付くと考えられます。さらには肝臓にも脂肪を蓄積させるので高脂血症を生み出します。肥満になるとインスリンの分泌が少なくなって働きが悪くなり、その結果、糖尿病を発症するという悪循環に陥ることがわかります。特にヘモグロビンA1cと呼ばれる血液中の数値が7%を越えると、歯周病の悪化も早まるともいわれています。したがって、糖尿病管理の一環として、歯周病を治療することも非常に重要であると考えられています。
このようなことから、むし歯や歯周病はメタボリックドミノの1枚目に相当すると考えられます。メタボリックドミノの最初の1枚が倒れないよう、お口の健康を保つことが全身の健康を保つことにも繋がるのです。
むし歯や歯周病が重症化して歯を失うと、下記のような順で口腔衛生状況が悪化していきます。
このように、良く噛めなくなることの弊害が、メタボリックシンドロームの出発点となるのです。
歯周病は、糖尿病や動脈硬化、心筋梗塞や脳梗塞との関連も認められている怖い病気です。これらは生活習慣病そのものであり、口腔疾患がメタボリックドミノの最上流にあるという考え方も素直に頷けることかと思います。
このようなドミノ倒しにより、最終的には重大な全身疾患が引き起こされます。これが、「メタボリックドミノ」と呼ばれる病態の連鎖であり、日本人の医師、伊藤裕氏がその概念を初めて世に示しました。
歯周病菌は、歯ぐきの炎症部分から血液によって全身へと流れるので、歯周病があると肥満に結び付くと考えられます。さらには肝臓にも脂肪を蓄積させるので高脂血症を生み出します。肥満になるとインスリンの分泌が少なくなって働きが悪くなり、その結果糖尿病に結び付いてしまうという悪循環に陥ることがわかっています。
メタボリックドミノの最初の1枚が倒れないようにするためには、
などの生活習慣を心掛けるようにしていきましょう。
そのためには、健康な歯でよく噛んで食事ができることが重要です。
歯とお口の健康を守ることの第一歩は、歯科医院での定期検診を受診することです。
日頃の歯磨きなどのセルフケアも意識していきましょう!
政府は令和7年度を目安に「国民皆歯科健診制度」の導入を検討しています。
「国民皆歯科健診制度」とは、日本全国民に対して毎年の歯科健診を義務付けるというものです。この制度が導入された背景には、日本人の歯の健康に対する意識の低さと、歯周病罹患率の高さ、歯科疾患と全身疾患の関連性が挙げられます。
現在、1歳半と3歳の乳幼児と、小学校~高校までの学生については、学校歯科検診は義務付けられています。しかし、それ以外の世代(※歯に有害な化学物質やガスを使用する職業の人を除く)については各自治体の制度に一任されているのが現状です。健康推進法で歯周病対策が定められていることから、40歳以上の人に対して10年に1度の歯科健診を実施している自治体も多く見られますが、実際にこの制度を利用して歯科健診を受診する人の割合は全国平均で1割にも満たない、という調査結果もあります。
大人になると、自分で検診を受けに行かなければならなくなるため、受診率が一気に下がり、痛みなどの症状が出なければ歯科医院での受診をしないという人が多い傾向にあります。
歯科健診の受診率が低い一方、成人の歯周病罹患率は高く、45歳以上では約半数ともいわれています。歯周病は細菌の塊である歯垢(プラーク)が主な原因であり、歯と歯ぐきのすき間(歯周ポケット)が深くなる、歯ぐきが赤みを帯びて腫れたり出血する、口臭が悪化するなどの症状がみられる疾患です。歯周病は重症化するまで症状が現れにくいことが多く、「沈黙の病」とも呼ばれるため、気づかないうちに進行している場合があります。これらの症状がさらに進行した場合には、歯槽骨という歯を支えている骨が溶け、歯が抜け落ちてしまうこともあります。
歯を失う原因の第1位である歯周病を予防ためにも、お口の健康に対する意識を高め、定期的な歯科健診を受ける習慣づけをすることが重要なのです。
歯周病菌に感染すると、歯周組織に炎症が起こり、「歯肉炎」や「歯周病」を発症します。歯肉が腫れたり痛んだりするほか、歯磨きのときに出血する・口臭が発生するなどの症状も現れやすくなります。
歯を支えている「歯槽骨(しそうこつ)」という骨に影響が及んでいなければ「歯肉炎」、歯槽骨まで影響が及んだものを「歯周病」と言うのですが、歯周病になると骨が溶け、最悪の場合は歯が抜け落ちてしまうこともあるのです。
歯周病が悪化すると、歯を失ってしまうだけでなく、他の病気を引き起こすリスクも高まります。これは歯周病菌や菌による毒素などが、血管を伝って全身に巡ってしまうため、糖尿病、誤嚥性肺炎、心疾患、脳疾患などにつながってしまう恐れがあると考えられているからです。
定期健診を受けることのメリットは、全身の健康を守るだけではありません。
スウェーデンと日本では、高齢者の残存歯に、約16本もの差があります。その違いは一体何なのでしょうか?
この差こそが、定期健診を受けている人と受けていない人の差といえるでしょう。
先ほどの数字で示したように、歯科医療先進国であるスウェーデンやアメリカでは、定期検診の受診率が70~80%と高く、それに伴い80歳の残存歯数も高くなっています。
一方、日本では歯科定期検診の受診率が16%とはるかに低く、残存歯数もわずか8.8本です。日本での予防意識がはるかに低く、その結果、残存歯数に大きく影響していることがわかります。
日本でのデータでは、定期検診に行っている人の80歳の残存歯数の平均は15.7本に対し、定期検診に行かず、痛い時しか治療を受けない人の残存歯数の平均は6.8本となります。
別の調査では、日本において定期健診に行っている人の80歳平均残存歯数が15.7本なのに対し、定期健診に行かず、痛い時しか治療を受けない人の平均残存歯数は6.8本であるというデータもあるようです。
いずれの調査結果をみても、定期健診を受けることは、歯を多く残すために必要であることがお分かりいただけるかと思います。歯を1本でも多く残すことで、食事を美味しく楽しんだり、人とコミュニケーションをとったり、心から笑うことが可能となり、QOL(Quality Of Life:生活の質)の向上に繋がるのです。
また、トヨタ関連部品健康保険組合によると、組合員約5万人を対象とした医療費に関する調査で、定期的に歯のメンテナンスを受けている人は、生涯医療費が平均よりも安くなるという結果を得たと報告されています。歯科を定期的に受診している分、48歳までは一般平均よりも医療費が高くなっているものの、それ以降は一般平均よりもかかる医療費が安くなっていきます。年齢が高くなるにつれて、医療費の一般平均は大きく上昇するのに対し、歯科健診を受けている人は金額が大きく上昇することはありません。
65歳の一般平均は35万円ですが、歯科で検診を受けているグループは平均20万以下であり、15万円もの差がついています。
前述のように、お口の健康と全身の健康には深い関連があります。したがって、定期的に歯科健診を受けお口の健康が守られている人は、全身の健康も保たれ、結果的に医療費負担を抑えることに繋がるのです。
調査を行ったトヨタ関連部品健康保険組合は、次のように分析しています。
実際に、多くの歯を失い噛めなくなると、認知症や認知症、脳血管疾患、転倒(寝たきりを招く)、免疫力の低下などのリスクが高くなることがわかっています。
定期的にメンテナンスを受け、噛める歯を残すことは、生涯に渡って好きなものを食べられ、QOL(生活の質)向上につながります。しかし、それだけでなく多くの全身疾患の予防、生涯医療費の節約にもつながるのです。
これまでお話ししてきたように、お口の健康を守ることが全身の健康を守ることにも繋がります。そのためには「予防歯科」を実践していくことが一番の近道です。
予防歯科においては、「セルフケア」と「プロフェッショナルケア」の両立が非常に重要となります。
むし歯や歯周病の原因となる細菌は、プラーク(歯垢)の中に棲みついており、その数はプラーク1mgにつき約1億個以上ともいわれています。したがって、むし歯や歯周病を予防するためには、このプラークを取り除くことが大切です。
プラークを取り除くための方法としては、歯ブラシで磨くこと、デンタルフロスや歯間ブラシなどの補助清掃用具を活用することなどが挙げられますが、これらを”正しく”行うということがセルフケアにおいて最も重要なことです。
自分ではしっかりと磨いているつもりでも、実際には歯ブラシの毛先がうまく歯面にあたっていなかったり、奥歯や歯ブラシの届きにくい部分などを上手に磨けていなかったりすると、プラークは残ってしまいます。したがって、正しく磨く方法を身につけ、それが行えているかどうかを定期的にチェックすることが大切であり、そのためには歯科医院を受診することが必要です。
予防歯科と言っても、毎日歯磨きをしているからそれだけで十分じゃないの?と思われている方もたくさんいらっしゃると思います。
実は、ご自身で行うセルフケアだけだと、予防歯科としては不十分なのです。では、セルフケアだけだと不十分ということはどうしてなのかをお話させていただきます。
またその細菌は酸素が苦手で、歯周ポケットの奥深くに潜みます。極細毛の歯ブラシでも歯周ポケットの奥深くまでは到達できないため、歯ブラシで歯周病菌を完全に除去することはできません。そのため、特に不調を感じなかったとしても歯医者で行なう予防歯科が必要となるわけです。
口の中の健康状態を保つために大切なことは、むし歯や歯周病に対するしっかりとした予防意識を持つことです。毎日のブラッシングが重要であることは言うまでもありませんが、歯科医院で行う「プロフェッショナルケア」と、歯科医や歯科衛生士の指導に基づいた毎日の「セルフケア」の2つをきちんと行うことで、健康な歯を保つことができます。
この2つを積極的に実践し、むし歯や歯周病ができる前に予防することは、健康寿命をのばすことはもちろん、将来的に金銭面においても負担が軽くなります。
みなさまの歯の健康を守るためにも、金田歯科医院ではプロフェッショナルケアとして定期的な検診をおすすめしております。
プロフェッショナルケアとは、歯科医師や歯科衛生士が行う専門的なお口のケアのことです。セルフケアだけでは歯石やプラークを完全に取り除くことは難しいです。
歯科医院ではPMTC(歯の専門家による専用の道具や機械を用いて行う、お口のクリーニング)を行い、普段の歯磨きだけでは取り除くことのできない歯石やバイオフィルムを除去することで口内環境の維持をサポートします。
また、セルフケアが正しく行えているかを客観的に評価してもらうことも大切です。具体的には、下記のようなことを行っていきます。
お口の中の状況を正確に把握するためには、検査が必要です。目視では判断できないことを確認するためにレントゲン撮影を行ったり、歯と歯ぐきのすき間を測定する歯周ポケット検査などを行います。
ブラッシングの効果に即効性はありませんが、毎日コツコツと行うことで歯を長持ちさせることができます。当院では患者様1人ひとりに合わせて、正しいブラッシング方法をご指導いたします。
ご自宅で行うホームケアは、歯肉から上の見えている歯のケアとなります。それに比べて、プロフェッショナルケアはスケーラーを使って、ご自身が普段行っている歯磨きでは取れない、歯肉で隠れた部分に溜まってしまったプラークや歯石を除去します。
プラークを定期的に除去しておけば、むし歯や歯周病になるリスクを下げることができます。プラークは歯ブラシによるブラッシングで落とすことができますが、歯石と呼ばれる硬い汚れになると専用の器具や超音波スケーラーという道具を使用しないと除去することができません。
歯石や歯ぐきの中のプラークは、セルフケアでは取り除くことができません。そのため、専用の機材を用い、歯石や細かな部分の汚れ、目に見えないバイオフィルムなどを除去していきます。
歯の表面の汚れを、フッ化物入りの研磨剤を使って歯科用のブラシで清掃します。また、たばこのヤニ、コーヒーやワインなどの飲食物の色素も落とすことができます。
歯科医院でプロフェッショナルケアを受けると、当然ですが口腔環境が健康になります。ケアを行うことで、口腔内機能の向上、食べる楽しみ、運動機能の向上、低栄養予防、誤嚥や窒息の予防などの効果があります。
歯科衛生士によるプロフェッショナルな口腔内ケアは、高齢者の健康寿命を延ばす効果もあると考えられています。
口腔内の状態が良好になると、唾液が出やすくなり、咬みやすくなる上に食事もおいしく感じます。物を積極的に口に入れようとする高齢者も増え、食事の介護が軽減され、口臭もなくなります。その結果、プロフェッショナルケアを行うと生活の自立や、生きる意欲の向上につながり、高齢者がいきいきと暮らせます。
プロフェッショナルケアでは、歯磨きのほかにも、歯周病やむし歯のリスクを下げるいろいろな対処法の指導も受けられます。
口腔内の機能が向上することは誤えん性肺炎など全身に関わる病気の予防にもつながるので、定期的にプロフェッショナルケアを受けるようにしましょう。
健康で長生きしたい、平均寿命は延びる昨今、このように思う方は多いかと思います。健康で快適な生活を送るためにも、しっかりとしたお食事をとることが必要不可欠です。
毎日行う歯磨きやフロスでのセルフケアと、プロが行うプロフェッショナルケアを併用して、いつまでも「自分の歯で噛める」「思い切り歯を見せて笑える」ような生活を送りましょう。自分の歯で噛む、思いっきり笑うということは、私たちの身体的・精神的健康の維持に大いに役立っています。お口だけでなく、全身とこころの健康を維持し、年齢を重ねてからも生活の質を維持できるよう、当院で予防歯科を始めませんか?
金田歯科医院では、健康な状態を長く維持するために、皆様の日々の歯磨きに加え、私たちも皆様のお口の中のケアを行い、皆様の健康維持のお手伝いをさせていただきたいと思います。
そして、ご来院してくださる皆さまの生涯に渡るお口と全身の健康を守っていきたいと考えております。そのため、予防歯科の必要性・重要性をぜひご理解いただき、患者様お一人おひとりに合った予防歯科を実践できるよう、努めて参ります。
私たちと一緒にお口の中から健康になりましょう♪
京都市左京区の金田歯科医院では、患者様の歯の定期健診も行っております。
患者様ご自身では気づかないような虫歯の早期発見にもつながりますので、お気軽にご相談ください。