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予防歯科が支える健康寿命 ― メタボリックドミノを止めるお口のケア

公開日:

こんにちは。京都市左京区岩倉にある歯医者「金田歯科医院」です。

これまで「メタボリックドミノ」という考え方を通じて、小さな生活習慣の乱れやお口のトラブルがどのように全身の病気へとつながるのかを紹介してきました。
シリーズの最後となる今回は、「生活習慣病予防としての予防歯科の価値」をテーマにお話しします。特に、歯を失った経験がある方や、噛みにくさ・違和感を感じ始めている方に向けて、予防歯科がなぜ大切なのかをわかりやすく解説していきます。



歯を失い始める世代と全身の変化

忙しい毎日の中では、ちょっとした体やお口の変化を見過ごしやすいものです。歯ぐきの腫れや出血も「たいしたことないし、歯医者は後でいいか」と放置してしまい、気づいたときには歯周病が進行していることもあります。
たった1本の歯を失うだけで噛み合わせのバランスが崩れ、咀嚼力(食べ物をすりつぶす力)が低下します。奥歯を1本失っただけで、咀嚼能率は約20〜30%低下するといわれています。その結果、硬い野菜や繊維質の多い食品を十分に噛み砕けず、栄養の吸収効率が下がります。しっかり噛めないことで食事の内容が偏り、炭水化物や脂質に偏りやすくなります。これが積み重なると、肥満や糖代謝の乱れ、高血圧といった“生活習慣病ドミノ”が次々と進みやすくなるのです。

「特に症状がないから大丈夫」と思っていたら、健康診断で血糖や中性脂肪の値が基準を超えていて驚く方も少なくありません。背景には歯周病による炎症や噛みにくさが関係していることもあります。


歯を守ることが生活習慣病予防につながる理由

⚫︎栄養バランスを守る「噛む力」
噛める歯がそろっていることで、肉や野菜、繊維質の食品も自然に取り入れられます。逆に、しっかり噛めない状態では柔らかい炭水化物や脂質中心の食事に偏りやすく、糖尿病や脂質異常症のリスクを高めます。

⚫︎炎症の連鎖を防ぐ「歯周病対策」
歯周病の炎症が血流を通じて全身に広がり、糖尿病や動脈硬化を悪化させることは多くの研究で報告されています。予防歯科で炎症の芽を早めに摘むことが、全身の病気予防にも関係していることがわかっています。

⚫︎呼吸と代謝を支える「口腔機能」
口呼吸やドライマウスは、虫歯や歯周病だけでなく、感染症や全身の疲れやすさにも関係します。舌の位置や鼻呼吸の習慣を意識することは、代謝やホルモンバランスを整えるうえでも大切です。


予防歯科が担う役割

“治療のために行く場所”だった歯科は、今では“健康を守るために定期的に通う場所”へと変化しています。予防のために歯科を活用することが、新しいスタンダードになりつつあるのです。
予防歯科では次のような取り組みが行われています。

①定期検診とプロフェッショナルケア
歯ぐきや歯石の状態をチェックし、必要に応じてレントゲン撮影で見えない部分まで確認します。さらに、専門的なクリーニングで細菌の温床を除去し、口腔内を健康に保ちます。

②噛み合わせの確認と調整
小さな違和感を早めに調整し、全身への負担を防ぎます。

③生活習慣・セルフケアのサポート
フロスや歯間ブラシの正しい使い方を指導し、自宅でのケアの質を高めるアドバイスをします。加えて、必要に応じて食べ方や間食・飲み物の選び方についてもお伝えし、無理なく続けられる習慣づくりを一緒に考えていきます。



違和感は予防を始めるサイン

歯の大切さは、失ったときに初めて気づく方も多いものです。ですが本来は、ちょっとした違和感を感じた時こそ予防を始めるサインです。
たとえば、

⚫︎朝起きたときに口が乾いている
⚫︎歯みがきで出血することがある
⚫︎片側ばかりで噛んでいる
⚫︎冷たいものがしみる歯がある
⚫︎噛むと痛い

これらはお口からのSOSであり、放置するとドミノの最初の一枚になりかねません。早めに歯科を受診し、まだ小さなトラブルの段階で対処することが重要です。


未来を見据えた予防歯科の価値

歯を守ることは、今の暮らしを快適にするだけでなく、未来の自分を支える力にもなります。しっかり噛めると食事を楽しめ、栄養も摂れます。さらに会話や笑顔に自信が生まれ、心の健康にもつながります。
日本歯科医師会が推進する「8020運動(80歳で20本の歯を残そう)」は、まさに予防歯科の重要性を示す代表的な取り組みです。自分の歯が多く残っている方ほど、寝たきりや認知症のリスクが低く、健康寿命が長いことがわかっています。
一方で、高齢期になると「オーラルフレイル」と呼ばれるお口の機能低下が問題になります。噛む力や飲み込む力が弱まることで、柔らかい食品ばかりを選ぶようになり、栄養バランスが崩れ、全身の筋力や認知機能の低下へつながるケースも少なくありません。
定期的な歯科検診や予防ケアを通じて歯を守り続けることで、オーラルフレイルの予防にもつながります。歯の健康は「生活の質(QOL)」を高めるだけでなく、医療費の抑制や健康寿命の延伸という面からも、非常に大きな価値を持っているのです。


「1本失った」から始める予防歯科

「すでに歯を失ってしまったから手遅れでは?」と不安に思う方もいますが、決してそうではありません。むしろ1本を失ったことをきっかけに予防を始めることが、残りの歯を守り、生活習慣病のリスクを減らす大切な分岐点になります。
歯を失ったまま放置すると、周囲の歯が倒れ込んできたり、噛み合わせがずれたりして、さらに歯を失う連鎖につながることがあります。また、しっかり噛めないことで食生活が偏り、肥満や糖代謝の乱れといった生活習慣病のリスクも高まります。
そのため、失った歯を補う治療はとても重要です。

①ブリッジ
両隣の歯を支えに人工の歯を入れる方法。見た目や噛む力を回復できますが、両隣の健康な歯を削るという点がデメリットです。

②入れ歯
取り外し式で比較的負担が少ない治療法です。ただし、噛む力は天然歯より弱く、違和感や外れやすさを感じる方もいます。

③インプラント
顎の骨に人工の歯根を埋め込み、天然歯に近い噛む力を回復できます。

これらの治療で噛む力を取り戻すことは、残っている健康な歯を守り、体全体の健康を支える土台づくりにつながります。さらに定期的なケアを重ねることで、生活習慣病へ広がる“ドミノ倒し”を途中で止めることができるのです。



まとめ

メタボリックドミノは、小さな習慣の乱れが病気の連鎖を引き起こすという考え方です。そしてその流れを止めるにはお口の健康を守ることが大切です。「歯を失わないようにする」「歯周病を予防」「噛み合わせを整える」これらはすべて生活習慣病の予防と直結しています。
『健康な体は健康なお口から』、ぜひ今日から意識してみてください。日々のセルフケアに加え、定期的な検診やクリーニングを続けることが健康を長く守る秘訣です。

当院では、歯周病治療、噛み合わせの調整、入れ歯・インプラント・矯正治療、予防ケアまで幅広く対応し、丁寧で分かりやすい診療を大切にしています。どうぞお気軽にご相談ください。

お口の健康や生活習慣について、不安や疑問があればいつでもご相談ください。ホームページInstagramでも情報を発信しています。WEB予約も簡単にできます。ぜひご予約ください!

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