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2023.01.06
目次
最近、飲み込むことが難しくなってきていませんか?
京都市左京区の歯医者、金田歯科医院の院長の金田直樹です。
本日のお話は飲み込み、に関してのお話です。
我々、歯医者はお口の中を健康に保つ予防をしたり、虫歯や歯周病を治療したりします。そういった予防や治療の目的はしっかりとご自身のお口でお食事をしていただくことにあります。
食べ物や飲み物を飲み込むことを専門用語で嚥下といいます。
この機能が低下すると嚥下がスムーズにできなくなります。飲み込むということは口から飲食物を摂取する上で、しかも、人が生きていく上で最も重要な機能です。人は生きていくにはしっかりと栄養を口から摂る必要があります。
この嚥下という機能ですが、病気とは関係なく加齢とともに低下していきます。その理由は、老化によって、喉の機能(筋力)が弱くなるからです。
この機能が低下すると食べ物や唾液が食道ではなく気管や肺に入り込んでいわゆる”誤嚥性肺炎”を起こしたり、異物が気管に詰まり”窒息”を起こす可能性が高くなります。
この嚥下の動作の主になるのは喉頭という場所です。喉と気道と食道が交わる場所です。喉頭が上に動くことで食道の入り口が開き食べ物を食道に送り込みます。
この喉頭が上に動く動作が筋力の低下によってしっかりと上がらないために誤嚥が起こります。そして免疫が下がっている状態で誤嚥がおこると誤嚥性肺炎が起こることがあります。
ではここで今のご自身の飲み込む力をチェックをしてみましょう。
・痰が喉に溜まりやすい
・食事中や食後にむせるようになった。
・飲み込むときに引っかかる感じがする。
・喉が詰まった感じがする。
・液体の物が飲み込みにくい。
さて、いくつ当てはまりましたか?
飲み込む力が低下するとそれを改善するにはトレーニングが必要になります。
低下する前に少しでも違和感を感じたらご相談下さい。
喉の衰えは気がつきにくいです。実際に嚥下機能が弱くなっていることが明らかにわかるのは70歳頃からです。しかし、飲み込みに関わる筋肉はの衰えは40歳頃から起こります。嚥下機能の低下を防ぐためには、早めにトレーニングをしていただくことも大切ですし、余裕をもって飲み込める喉の力を維持・向上させることが重要です。嚥下機能が明らかに低下してからトレーニングすることも大切ですが、元の状態に戻すことは難しいのが正直なお話です。ですので、明らかに嚥下機能の低下が現れる前からトレーニングをすることがとても大切です。
トレーニングについての説明です。
まずは
少量のお水を飲み込み、口の中の様子を感じてみてください。
・のど仏が上に動く
・舌が上顎にくっつく
・口の中が狭くなる
・息が止まっている
・軽く顎を引くと飲み込みやすい
力強く飲み込んで、口の中の様子の違いを感じてみてください。
・舌を上顎へ強く当てている
・口の中がかなり狭い
・ごっくん筋(顎の下あたりの筋肉)が硬くなる
・のど仏がしっかり上がっている
力強く飲み込んで3~5秒力を入れたまま止めてみてください。
・舌が上顎を強く押している
・のど仏が上がったままの状態である
・ごっくん筋(顎の下あたりの筋肉)が硬いままの状態である
・息が止まったままである
これがメインのトレーニングです。
舌を大きく前に出したり引っ込めたりしてください。すると喉が間接的に動きます。唾液分泌の促進効果や、喉の可動域を広げる効果があります。
大きな声で発声、発音練習をしてみてください。
腹式呼吸を意識してみてください。
嚥下のお話と嚥下機能の低下とそのトレーニングについてのお話でした。
本日も長文を読んでいただきありがとうございました。