tel 075-711-0118

〒606-0018京都府 京都市 左京区
岩倉中河原町193

ご予約はこちら

MENU

月・火・水・金・土

09:15〜13:00(最終受付12:00)
14:30〜18:15(最終受付17:45)

※祝日のある週の木曜日は8:45〜12:30(最終受付12:00)になります。 土曜日の診療時間は8:45〜17:00(最終受付16:30)になります。 宜しくお願い致します。
休診日
木・日・祝
京都市左京区岩倉の歯医者「金田歯科医院」木野駅徒歩5分です。

どのような親知らずは抜くべき?抜かなくてもよいケースと流れも

こんにちは。京都市左京区岩倉にある歯医者「金田歯科医院」です。

親知らずを抜歯する様子

親知らずが生えてきた時、抜くべきかどうか悩む方は非常に多いです。生え方や位置によって抜歯の必要性は変わりますが、実際に抜くかどうかの判断は、今現れている症状や将来のリスクを考慮しながら決めることが大切です。

この記事では、どのような親知らずなら抜くべきなのか、抜かなくてもよいのはどのような場合なのか、解説していきます。また、抜歯の流れや注意点についても触れていきます。

親知らずとは

親知らずについて説明する歯科医師

親知らずとは、正式には第三大臼歯(だいさんだいきゅうし)と呼ばれる、一番奥に生える永久歯のことです。一般的に17歳から25歳の間に生えてくることが多く、親が知らないうちに生えてくる歯という意味で親知らずと呼ばれています。

親知らずは上下左右の奥歯の一番後ろに位置し、最大4本生えます。必ずしも4本すべてが生えるわけではなく、1〜3本しか生えない場合や、1本も生えない場合、生えていても歯茎に埋まったままで見えない場合もあります。

親知らずがまっすぐ生えていれば問題ありませんが、多くの場合は斜めや横向きに生えたり、部分的にしか出てこなかったりします。そのため、さまざまなトラブルの原因になります。

例えば、親知らずが周囲の歯を押して痛みが出たり、汚れが溜まって虫歯や歯周病の原因になったりします。また、歯茎が腫れて炎症を起こすこともあります。

こうした理由から、親知らずは抜歯の対象になることが多いですが、無理に抜かずに経過観察するケースもあります。

どのような親知らずは抜くべき?

横向きに生えた親知らず

親知らずは必ず抜かなければならないわけではありませんが、以下のような状態にある場合は抜歯を検討する必要があります。

斜めや横向きに生えている場合

親知らずが斜めや横向きに生えている場合は、抜歯を検討したほうがよいかもしれません。隣の歯を押して、痛みや炎症を引き起こすことがあるからです。

特に、横向きに生えている親知らずはブラッシングが難しいため、虫歯や歯周病のリスクが高まります。周囲の歯まで悪影響が及ぶため、抜くことが推奨されます。

周囲に腫れや痛みが起こる場合

親知らずの周囲に歯茎の腫れや痛みが繰り返し起こる場合も、抜歯が検討されることがあります。智歯周囲炎と呼ばれ、親知らずの周囲の組織に炎症が生じている状態です。慢性的に炎症が続くと、痛みが強くなり日常生活にも支障をきたすため、抜歯が検討されます。

虫歯がひどく治療が難しい場合

虫歯が重症化して治療が難しい場合も抜歯が検討されます。親知らずは位置的に治療が困難なことが多く、虫歯が再発する可能性も高いです。放置していると、隣接する歯にも虫歯が広がるリスクがあるため、早めに抜歯することが望まれます。

顎の骨や神経に悪影響を及ぼす場合

さらに、親知らずが顎の骨や神経に悪影響を与える可能性がある場合も注意が必要です。例えば、顎の骨が薄い部分に無理に親知らずが生えていると、顎関節に負担がかかり顎の痛みや違和感を引き起こすことがあります。

神経に近い場合は、抜歯時に神経を傷つけるリスクもありますが、適切な処置を行うことで防げます。

矯正治療を行う場合

矯正治療を行う場合や将来的に歯並びに悪影響を及ぼす可能性がある場合も、抜くことが多いです。矯正治療では、親知らずの存在が歯並びの調整に支障をきたす可能性があると、治療前に抜歯を検討します。

抜かなくてもよい親知らずとは

抜かなくてもよい親知らずのイメージ

親知らずがあっても、必ずしも抜かなければならないわけではありません。ここでは、抜かなくても良い親知らずの特徴を紹介します。

まっすぐ正常に生えている場合

抜かなくてもよい親知らずとして、正常にまっすぐ生えていて、噛み合わせに問題がない場合が挙げられます。虫歯や炎症のリスクが低いため、経過観察が可能です。

歯ぐきの中に完全に埋まっている場合

歯茎の中に完全に埋まっている親知らず(埋伏歯)も、痛みなどの症状がなければ抜歯の必要はありません。埋伏歯は外から見えず、周囲の組織に悪影響を及ぼしていなければ、そのままにしておくことが一般的です。

ただし、定期的なレントゲン検査で状態をチェックし、問題が起きていないか確認することが大切です。

問題が出ていない高齢者の場合

年齢が高くなっても親知らずが問題を起こしていない場合は、無理に抜かずにそのまま維持する選択もあります。抜歯はある程度の身体的負担を伴うため、リスクとメリットをよく考えて判断しなければなりません。

ただし、周囲の歯や組織に悪影響がないかどうかも重要なポイントです。歯磨きが十分にできず、虫歯や歯周病のリスクが高い場合は、症状が出る前でも抜歯を検討することがあります。

親知らずを抜く流れ

親知らずを抜く治療の様子

ここでは、親知らずを抜く場合の治療の流れを解説します。抜歯を検討している方は把握しておきましょう。

診察と検査

まずは歯科医院での診察と検査です。レントゲン撮影を行い、親知らずの位置や生え方、周囲の骨や神経の状態を詳しく確認します。これにより、抜歯の難易度やリスクを判断します。

抜歯に関する説明

次に、抜歯の説明と同意確認が行われます。歯科医師から抜歯の方法や所要時間、術後の注意点やリスクなどについての説明を受けます。この時、不明点があれば質問しましょう。

抜歯手術

実際の抜歯は、局所麻酔を使って痛みを抑えながら行います。麻酔が効いたら、歯茎を切開して親知らずを露出させます。親知らずが埋まっている場合は、歯を分割して取り出すこともあります。手術にかかる時間は30分から1時間程度です。

止血・術後のケア

抜歯後は、傷口を縫合して止血します。血が止まるまで圧迫を行い、出血が落ち着いたら帰宅できます。抜歯後は麻酔が切れるまで安静にし、痛みや腫れが出ることがあるため、医師の指示に従い冷却や服薬を行いましょう。

抜歯の翌日以降は、食事の制限や口内の清潔を保つためのケアが重要です。硬いものや刺激物は避け、うがいは優しく行いましょう。また、喫煙や飲酒は治癒を遅らせるため、控えることが望ましいです。

万が一、強い痛みや腫れ、出血が長引く場合は早めに歯科医院を受診しましょう。適切な処置で回復を促すことが大切です。

親知らずを抜いたあとに注意すること

親知らずを抜いたあとの注意点イメージ

親知らずを抜いた後、適切なケアを行わなければ、痛みや腫れ、感染症などのトラブルが起こる可能性があります。抜歯後の傷口は非常にデリケートな状態であり、日常の行動が回復に大きく影響します。

特に、初めの数日は出血や腫れが起きやすいため、注意深く過ごすことが大切です。ここでは、抜歯後の痛みや腫れの対処法など、回復をスムーズに進めるために知っておきたいポイントを詳しく解説します。

抜歯後の出血と止血の方法

抜歯直後は出血しますが、ガーゼをしっかりと噛んで圧迫することで止血を促せます。血が止まらない場合でも、無理にうがいをしたり、口の中を触ったりしないようにしましょう。強いうがいや刺激は、血餅を剥がし治癒を妨げる原因になります。

痛みや腫れのケア

抜歯後の痛みや腫れは数日間続くことが多いです。医師から処方された痛み止めをきちんと服用し、患部を氷嚢などで冷やすと症状を和らげられます。

ただし、冷やしすぎないように注意し、15分冷却、15分休むというサイクルで行いましょう。

食事の注意点

抜歯後は柔らかく刺激の少ない食事を選び、熱いものや辛いものは避けましょう。食べ物のカスが傷口に入るのを防ぐため、食後は優しくうがいをし、口内を清潔に保つことが重要です。

ただし、強いうがいは避けてください。

避けるべき行動

喫煙や飲酒は治癒を遅らせるだけでなく、感染症のリスクを高めます。運動や激しい活動も出血を引き起こす恐れがあるため、抜歯後は安静に過ごすことが望ましいです。

合併症の兆候と対処

抜歯後に激しい痛みや腫れ、発熱が続く場合はドライソケットという合併症の可能性があります。速やかに歯科医院を受診し、適切な治療を受けることが必要です。

まとめ

親知らずを抜き快適に過ごす笑顔の女性

親知らずは生え方や口の中の状態によって、抜くべきか抜かなくてもよいかが異なります。斜めや横向きに生えていたり、痛みや炎症を繰り返したりする場合は抜歯を検討する必要がありますが、正常に生えていて問題がなければ経過観察も可能です。

抜歯は歯科医師の診断のもと、適切な方法で安全に行われます。また、抜歯後は出血や痛み、腫れに注意し、食事や口腔ケア、喫煙や飲酒の制限など正しくケアすることが重要です。万が一、異常を感じた場合は早めの受診を心がけましょう。

親知らずの抜歯を検討されている方は、京都市左京区岩倉にある歯医者「金田歯科医院」にお気軽にご相談ください。

当院は、皆さまの「行きたい歯医者」を目指して診療を行っております。虫歯・歯周病治療、ホワイトニング、矯正治療、予防歯科など、さまざまな治療に力を入れています。

ホームページはこちらWEB予約も受け付けております。ぜひ一度ご覧ください。

こんにちは。京都市左京区岩倉にある歯医者「金田歯科医院」です。

最近、「子どもの発音がはっきりしない」「食事のときにクチャクチャと音がする」「飲み込むときに首に力が入っている」などのお悩みを持つ親御様が増えてきました。これらは、もしかすると口腔機能発達不全症と呼ばれる症状の一部かもしれません。
今回は、その中でも「舌圧(ぜつあつ)」に注目し、舌圧が低いことで起こりうるデメリットや、予防・改善のために日常生活で気をつけること、簡単にできるトレーニング方法について、わかりやすく解説いたします。

舌圧とは?

「舌圧(ぜつあつ)」とは、舌が上あご(口蓋:こうがい)に向かって押しつけるときの力のことをいいます。普段はあまり意識しない動きかもしれませんが、実はこの舌圧という力は、毎日の「食べる」「話す」「呼吸する」などの基本的な動作に深く関わっていて、お子様の健やかなお口の成長にも欠かせない大切なものです。

舌圧が支えるお口の機能

たとえば、食べ物を飲み込むときには、舌が食べ物をのどの奥へ送り込むように動きます。そのとき、舌がしっかりと上あごに押しつけられることで、スムーズに飲み込むことができます。舌圧が弱いと、飲み込みに時間がかかったり、食べ物が口に残ってしまったりすることがあります。
また、発音にも舌の力は重要です。特に「た行」「さ行」「ら行」などの音は、舌が上あごや前歯の裏に触れることで出る音です。舌圧が不足していると、発音が不明瞭になってしまうことがあり、言葉の聞き取りにくさや話しづらさにつながることもあります。
さらに、舌の位置と舌圧は、お口を自然に閉じる力にも関係しています。舌は本来、リラックスしているときに上あごにぴたりとついているのが理想的です。この状態だと、唇も自然と閉じていられます。ところが、舌圧が弱く、舌が下にさがってしまうと、口がぽかんと開いたままの「ぽかん口」になってしまいがちです。この状態が続くと、口呼吸のクセがついたり、唇やあご周りの筋力が発達しづらくなったりする可能性もあります。
そしてもうひとつ、見逃せないのが歯並びやあごの発達への影響です。舌には、成長途中の上あごを内側からやさしく広げるような役割があります。舌圧が適切にあることで、歯が正しく並ぶためのスペースが保たれ、あごの成長がスムーズに進みやすくなります。逆に、舌圧が足りないと、上あごが狭くなってしまい、歯並びがガタガタになったり、噛み合わせに問題が出たりすることもあります。
このように、舌圧は「目に見えにくいけれど、とても大切な力」です。特にお子様の成長期においては、将来的な歯並びや発音、食べ方、呼吸の仕方にまで影響を与える可能性があるため、早めにチェックしておくことが安心につながります。

舌圧が低いことによる影響とは?

お子様の舌圧が低い状態が続くと、以下のようなさまざまな問題が出てくる可能性があります。

①嚥下(飲み込み)がうまくできない

舌の力が弱いと、食べ物をうまく喉に送り込むことができず、「モグモグ」「ゴックン」が苦手になってしまいます。結果として食事に時間がかかる、食べこぼしが多いなどの傾向が見られます。

②発音の不明瞭さ・構音障害

舌先のコントロールが弱いと、「さ行」「た行」などの発音がうまくできず、お話が不明瞭になることがあります。これにより、園や学校でのコミュニケーションに影響が出るケースもあります。

③ 開咬・出っ歯などの不正咬合

本来、舌は上あごに軽く触れている状態が自然ですが、舌圧が低いと舌が下に落ちてしまい、歯並びに必要な内側からの支えが不足します。その結果、前歯が前方に押し出されたり、かみ合わせがずれるなど、歯列に影響を及ぼすことがあります。

④口呼吸やぽかん口

舌の位置が低いと口が閉じづらくなり、口をぽかんと開けてしまいがちです。これが慢性化すると、口呼吸やドライマウス、虫歯・歯周病のリスクにもつながります。

舌圧低下の原因

舌圧が低くなる背景には、いくつかの要因があります。
● 離乳食の始め方や食事内容(柔らかいものばかり)
● 長時間のタブレット視聴などによる姿勢不良
● 指しゃぶりや口唇癖の継続
● アレルギーなどで鼻呼吸ができず、口呼吸になっている
● 食事中にあまり噛まない習慣
特に、舌は筋肉の一種ですので、「使わなければ弱っていく」のが特徴です。

日常生活でできる舌圧を育てる工夫

舌圧を高めるには、毎日の生活習慣の中で「舌をしっかり使う」ことがとても大切です。次のような点に意識を向けてみましょう。

・食事を「噛む時間」を大切に

やわらかい食事ばかりを与えていると、舌やあごの発達が妨げられてしまいます。ご家庭では、噛みごたえのある食材(ごぼう、れんこん、きんぴら、肉団子など)を意識して取り入れましょう。

・姿勢を整えて食べる

猫背のまま食事をすると、舌の動きが制限されてしまいます。足が床につき、背筋が伸びた状態で座るだけで、舌の使い方も自然と変わります。

・ 飲み込み方を見直す

飲み込むときに唇をすぼめる、あごを突き出すようなクセがある場合、正しい舌の使い方ができていないサインかもしれません。舌が上あごにしっかりくっついた状態で飲み込めるか、確認してみてください。

ご家庭でできる舌圧アップトレーニング

以下のトレーニングは、ご家庭でも簡単に取り入れられるものばかりです。遊び感覚で毎日少しずつ続けていくことが大切です。

①ポッピングトレーニング(舌打ち)

舌先を上あごにつけ、「ポンッ」と音を鳴らします。これを繰り返すことで、舌の上げる力が自然と鍛えられます。
● 1日10回×3セットを目安に

②舌上げ体操(スポットポジション)

舌の先を上前歯の少し後ろ(スポット)に軽く当ててキープします。慣れないと最初は難しいですが、これができると舌の位置が正しい状態に近づきます。
● 毎回10秒キープを3セット

③ガム噛み練習

キシリトールガムなどを使って、左右均等に噛む練習を行います。噛むことで唾液の分泌や舌・あごの筋肉も鍛えられます。
● 食後やおやつのあとに取り入れても◎

④舌押しトレーニング

口を閉じた状態で、舌で上あごを10秒間強く押す動きを繰り返します。これも舌圧を直接鍛えるのに効果的です。
● 朝・夕の2回、習慣にしてみましょう

早めのチェックがカギ

舌圧のチェックには、専用の測定機器を使って数値で評価することも可能です。
また、発達段階に合わせた“MFT(口腔筋機能療法)”というトレーニングもあります。これは、舌・唇・頬など口の周囲の筋肉をバランスよく使えるようにする訓練で、歯並びや発音の改善にもつながります。

まとめ

舌圧は、単に「舌の力」ではなく、お子様の食事、発音、歯並び、全体的な口の機能発達に関わる重要な要素です。舌圧が弱いと、思わぬ形で将来的な口腔のトラブルに繋がることもあります。しかし、正しい生活習慣と簡単なトレーニングによって舌圧は少しずつ改善が可能です。大切なのは、早めに気づいてあげること。そして、楽しみながら続けることです。
当院では、虫歯・歯周病治療、ホワイトニング、矯正治療、予防歯科だけではなく舌圧をはじめとした口腔機能の発達支援にも力を入れています。「このままで大丈夫かな?」と心配になったときは、どうぞお気軽にご相談ください。
ホームページはこちらWEB予約も受け付けております。ぜひ一度ご覧ください。

こんにちは。京都市左京区岩倉にある歯医者「金田歯科医院」です。

総入れ歯のイメージ

総入れ歯とは、歯をすべて失ったときに用いられる装具のことです。費用を抑えて作製できる保険適用のものから、審美性や快適性に優れた自費のものまで様々な種類があります。

本記事では、保険・自費の総入れ歯の違いや費用、種類、メリット・デメリットについて解説します。「総入れ歯について詳しく知りたい」という方は、ぜひ参考にしてみてください。

総入れ歯とは

総入れ歯について説明するイメージ

総入れ歯とは、上下どちらか一方の歯列全体または、上下両方の歯列全体が失われた際に用いられる治療方法です。装具本体は、歯ぐきを覆う義歯床と呼ばれる部分と人工歯の部分で成り立っています。

総入れ歯は、吸盤のように歯ぐきに吸着させるようにして装着します。そのため、患者さま一人ひとりの口腔内に合わせて精巧に作る必要があるのです。

口の中に合っていないものを使用すると、会話をしたり食事をしたりする際に、違和感が強くなったりカパカパしたりする可能性が高いです。

保険適用のものは、強度を高めるために厚みが出やすく、安定性が低くなりやすいです。そのため、装着時の快適性にこだわる方は、自費の入れ歯を選択する傾向があります。

保険・自費の総入れ歯の違い

保険・自費の総入れ歯の違いについて説明するイメージ

ここでは、保険と自費の入れ歯の具体的な違いについて解説します。

素材

保険と自費の義歯では、素材が異なります。保険適用のものでは、素材が歯科用プラスチック(レジン)に限られます。自費の義歯には素材の制限がないため、セラミックやシリコン、チタン、ゴールドなど、様々な素材の中からご自身に合ったものを選ぶことが可能です。

見た目

保険の総入れ歯はプラスチック素材で作られるため、見た目に違和感が出やすくなります。「安っぽく見える」「不自然に見える」と感じる方もいるかもしれません。

一方、自費の義歯は幅広い素材から選択できるため、より自然な見た目を得ることができます。

着け心地

保険適用の総入れ歯は、素材の強度を高めるために分厚い仕上がりになります。そのため、装着時の違和感が強く出やすいという欠点があります。

自費のものは保険適用のものよりも時間をかけて精密に作られることに加え、薄く仕上げられます。そのため、快適な付け心地を求める方には、自費の総入れ歯が好まれます。

耐久性

プラスチック素材は経年劣化によって摩耗しやすく、使用しているうちに変色したり変形したりしやすいといわれています。寿命の目安は、3~5年程度です。

自費の入れ歯には様々な種類がありますので、強度や耐久性を重視した素材を選ぶことも可能です。自費の義歯の場合、メンテナンス次第で10~20年程度は良好な状態を維持できます。

食事のしやすさ

保険適用のものは歯ぐきに密着させる義歯床が分厚いため、食べ物の温度や大きさなどの感覚が伝わりにくくなります。食べ物の感触や美味しさをダイレクトに感じることが難しくなるでしょう。

自費入れ歯の場合には、口の中の粘膜にフィットする薄い素材や熱伝導性に優れた素材を用いることにより、食事の際の違和感を軽減できます。

話しやすさ

先にも述べた通り、保険適用の入れ歯にはレジンが使用されます。強度を高めるために分厚く作る必要あり、舌を動かすのが難しく感じることがあります。

一方、自費の入れ歯では、強度が高く薄い素材を採用することで、より自然な口腔環境を作り出せます。そのため、保険適用の入れ歯に比べて発音がしやすくなります。

汚れやすさ

レジンは素材の特性上、表面に細かい傷がつきやすくなります。また、熱いものを口にすることによって、変形をする恐れもあります。その結果、傷やすき間にプラークが蓄積しやすくなるでしょう。

自費のものは、表面が傷つきにくく歯ぐきとの密着性も高いため、すき間ができることもほとんどありません。いずれにしても、快適に使い続けるためには、専用歯ブラシでの毎日のケアや洗浄剤での消毒を行うことが大切です。

費用

保険適用の場合、治療費の目安は3割負担で1万~1万5,000円程度です。自費の場合は、種類や歯科医院によっても異なり、3万~80万円程度かかります。選択する入れ歯の種類によっては、100万円を超えるケースも考えられるでしょう。

自費の総入れ歯は保険適用のものに比べて費用が高額ですが、審美性や耐久性、快適性などを重視したい方に選ばれています。

総入れ歯の費用

総入れ歯の費用のイメージ

費用目安は、以下の表を参考にしてみてください。ただし、実際にかかる費用は、歯科医院によって異なりますので、治療を受ける歯科医院で確認するようにしましょう。

<総入れ歯の費用の目安>

種類費用の目安
保険適用の義歯1万~1万5,000円
シリコン義歯40万~60万円
金属床義歯25万~50万円
BPSデンチャー50万~65万円
インプラントオーバーデンチャー200万~300万円

総入れ歯の種類

総入れ歯の種類について説明する歯科医

ここからは、総入れ歯の種類について詳しくみていきましょう。

保険適用

先にも述べた通り、保険適用の入れ歯は歯科用プラスチックで作られています。本体に厚みが出るため食事や会話の際に違和感を覚えることもありますが、治療期間や費用を抑えたい方に選ばれています。

自費

自費の総入れ歯には、いくつか種類があります。代表的なものを確認しましょう。

シリコン義歯

シリコン義歯とは、歯ぐきに密着する床の部分がシリコン素材で作られたものです。クッション性のある床が歯ぐきにぴったりとくっつくため、痛みが出にくく外れにくいのが特徴です。

金属床義歯

金属床義歯とは、義歯床が金属で作られたタイプです。床が薄いため装着時の違和感が少ないことはもちろん、熱伝導性に優れているため、食べ物や飲み物の温度をしっかりと感じとれます。耐久性にも優れています。

BPSデンチャー

BPSデンチャーのBPSとは、Biofunctional Prosthetic System(生体機能型補綴システム)の略です。ヨーロッパで開発された特殊なシステムを用いて精巧に作られるオーダーメイドの総入れ歯です。

国際ライセンスを持つ歯科技工士が患者さま一人ひとりの口腔内に合わせて作製します。他の義歯に比べて、フィット性に優れているのが特徴です。

インプラントオーバーデンチャー

インプラントオーバーデンチャーとは、顎の骨にインプラント(人工歯根)を埋め込み、その上に総入れ歯を被せて使用するものです。歯根を埋め込むため、安定した装着感や噛み心地が得られるのが特徴です。

総入れ歯のメリット

総入れ歯のメリットのイメージ

メリットは、以下の通りです。

見た目が改善できる

すべての歯を失った状態では、社会生活に影響が出る方も多いかもしれません。装着すれば見た目を改善できることは総入れ歯のメリットといえます。

食事や会話がしやすくなる

歯がない状態では、食べ物が噛めなかったり発音が上手くできなくなったりします。食事や会話は人生の豊かさに直結すしますが、義歯を入れることで、日々のストレスを軽減できるでしょう。

身体への負担が少ない

失った歯をすべてインプラントで補うとなると本数が非常に多くなるため、身体への侵襲も大きくなります。その点、入れ歯は外科的な処置を伴わないため、身体への負担が少ないです。

インプラントを使用するインプラントオーバーデンチャーという種類の義歯もありますが、通常のインプラントに比べて埋入する人工歯根の本数は少ないです。身体への負担が軽減できるでしょう。

総入れ歯のデメリット

総入れ歯のデメリットのイメージ

デメリットには、以下のようなものが挙げられます。

違和感や痛みが出る

総入れ歯は、あくまでも異物ですので、口の中に入れると違和感や痛み、不快感を覚えることもあります。特に、保険適用の総入れ歯では、装着時の違和感を覚えやすくなります。快適性を重視したい方は、自費の入れ歯を選択するとよいかもしれません。

メンテナンスが必要

メンテナンスが不十分であれば、入れ歯が早期に寿命を迎える可能性もあります。毎日のブラッシングや洗浄剤での消毒、定期的な歯科受診などを行いながら、良い状態を維持していく必要があります。

自費のものは費用が高額

自費の入れ歯には様々な種類がありますが、高額なものでは100万円を超える可能性もあります。総入れ歯を選ぶ際には、ご自身の予算に合わせて無理のないものを選択することも重要です。

なお、費用を抑えたい方は保険適用で作ることもできますが、3~5年程度で作り変えが必要になります。

まとめ

総入れ歯にして笑顔の男女

本記事では、保険・自費の総入れ歯の違いや費用、種類、メリット・デメリットについて解説しました。総入れ歯には様々な種類があり、費用も異なります。それぞれの種類にメリット・デメリットがありますので、ご自身の希望や予算に合ったものを検討してみてください。

総入れ歯についての疑問や不安をお持ちの方は、お気軽に歯科医院へご相談ください。

総入れ歯を検討されている方は、京都市左京区岩倉にある歯医者「金田歯科医院」にお気軽にご相談ください。

当院は、皆さまの「行きたい歯医者」を目指して診療を行っております。虫歯・歯周病治療、ホワイトニング、矯正治療、予防歯科など、さまざまな治療に力を入れています。

ホームページはこちらWEB予約も受け付けております。ぜひ一度ご覧ください。

こんにちは。京都市左京区岩倉にある歯医者「金田歯科医院」です。

審美歯科の費用相場イメージ

「歯を白くしたい」「口元の見た目をきれいに整えたい」と考えている方に注目されているのが審美歯科です。基本的に保険適用外の治療となるため、費用が気になる方も多いのではないでしょうか。

この記事では、審美歯科で受けられる主な治療と費用相場について解説します。医療費控除についても解説しますので、ぜひ参考にしてください。

審美歯科とは

審美歯科の治療を受ける女性

審美歯科とは、歯の機能を改善させるだけでなく、見た目の美しさにも重点を置いた歯科治療です。

歯の白さや歯並びの整い具合、歯と歯茎のバランスにも着目し、自然で美しい口元を目指します。代表的な治療は、セラミック治療や歯のホワイトニング、歯のクリーニング、歯列矯正などです。

審美歯科で行われる治療は基本的に保険適用外のため、高額になる場合があります。

しかし、保険診療では使用できない器具や材料を使用できるため、治療によっては長期間美しさを維持できます。口元の見た目に対するコンプレックスの軽減や、自信にもつながるでしょう。

審美歯科の費用

審美歯科の費用イメージ

ここでは、審美歯科で行われる治療の費用相場について解説します。

セラミック治療

セラミック治療は、セラミック素材の詰め物や被せ物を使用する治療です。

虫歯などで削った範囲に合わせて詰め物や被せ物をします。また、歯が欠けたり変色したりした際に、歯の見た目を改善する場合にも行われます。歯を少し削って形や色味を調整した被せ物を装着するのです。

セラミック治療に使用される素材にはいくつか種類があり、選択する素材によって費用が異なります。

オールセラミック

オールセラミックは、すべてセラミックでできている素材で、透明感があり、天然歯に近い色調と質感が特徴です。前歯や、人から見られやすい部位によく選ばれます。費用の相場は、1本あたり8万〜18万円程度です。

ジルコニア

ジルコニアは、セラミックのなかでも硬い素材です。オールセラミックに比べると透明感は劣りますが、非常に硬いため奥歯などの強い力がかかる部分にも使用されます。費用の相場は、1本あたり8万〜16万円程度です。

e-max

e-maxは、適度な強度と審美性を持った素材です。オールセラミックよりも硬く、透明感もあります。ジルコニアほど硬くはないため、噛み合う歯を傷つけるリスクも少ないです。e-maxの費用は、1本あたり5万〜13万円程度です。

ハイブリッドセラミック

ハイブリッドセラミックは、セラミックとレジン(歯科用プラスチック)を混合させた素材です。ほかのセラミック素材よりも審美性は劣りますが、費用を抑えられます。

ただし、レジンが含まれているためほかのセラミック素材よりも劣化しやすい傾向にあります。ハイブリッドセラミックの費用は、1本あたり4万〜8万円程度です。

メタルボンド

メタルボンドは、金属のフレームにセラミックを焼き付けた被せ物です。強度があるため奥歯の治療に使用されることが多いですが、金属アレルギーの発症リスクや、歯茎が黒ずむリスクを伴います。費用の相場は、1本あたり7万〜12万円程度です。

ラミネートベニア

ラミネートベニアは、歯の表面を薄く削り、セラミックの薄い板を貼り付ける治療です。歯の形や色、歯と歯の間の隙間を改善する場合に用いられます。ラミネートベニアの費用は、1本あたり5万〜15万円程度が相場です。

ホワイトニング

ホワイトニングは、薬剤を使用して歯を白くする審美治療です。歯の表面の着色汚れを除去するのではなく、歯の内部の黄ばみを分解して歯そのものの色を白くします。ホワイトニングにはいくつか種類があり、それぞれ費用が異なります。

オフィスホワイトニング

オフィスホワイトニングは、歯科医院で高濃度の薬剤を使用して歯を白くする方法です。短期間で効果を実感しやすく、結婚式や旅行などの予定が控えている方にも選ばれています。

費用は、1回あたり1万5,000円〜5万円程度です。1回で効果を実感できる場合もありますが、理想の白さになるまでには3〜5回ほど施術が必要になるケースが多いです。

ホームホワイトニング

ホームホワイトニングは、自宅でマウスピースと薬剤を使用して歯を白くする方法です。安全性に配慮しており、薬剤の濃度はオフィスホワイトニングほど高くありません。そのため即効性には劣りますが、効果は長持ちしやすい点が特徴です。

ホームホワイトニングの費用は、マウスピース代と薬剤代を合わせて1万5,000円〜4万円程度です。

デュアルホワイトニング

デュアルホワイトニングは、オフィスホワイトニングとホームホワイトニングを組み合わせた方法です。即効性のあるオフィスホワイトニングと、効果が長持ちしやすいホームホワイトニングの両方のメリットが得られます。

デュアルホワイトニングの費用相場は、5万〜8万円程度です。オフィスホワイトニングを受ける回数や、ホームホワイトニングを行う期間によっても費用は異なります。

歯のクリーニング

歯科医師や歯科衛生士が歯のクリーニングを行い、自分では落とせない歯垢や歯石のほか、コーヒーやタバコのヤニなどによる着色汚れを除去します。

自費で歯のクリーニングを行う場合には、使用できる器材や時間に制限がありません。専用の回転ブラシやラバーカップなどを使い、時間をかけて徹底的に歯の汚れを取り除きます。歯のクリーニングの費用の相場は、1回あたり5,000円〜1万5,000円程度です。

歯列矯正

歯列矯正は、歯を動かして歯並びや噛み合わせを改善する治療です。大きく分けてワイヤー矯正とマウスピース矯正の2つの治療方法があります。

ワイヤー矯正

ワイヤー矯正は、歯の表面にブラケットと呼ばれる装置を装着し、そこにワイヤーを通して歯に力をかけて動かしていく治療です。歯を大きく動かす症例や、歯のねじれがある症例にも対応できる可能性があります。

部分矯正の費用相場は30万〜60万円程度です。歯並び全体を治療する場合は70万〜130万円程度かかります。

マウスピース矯正

マウスピース矯正は、透明なマウスピースを歯に装着し、交換していくことで歯並びを整える治療です。装置が透明で目立ちにくい点と、取り外して普段どおり歯磨きや食事ができる点がメリットです。

ただし、ワイヤー矯正のように歯を大きく動かす症例には対応できないケースが多いです。部分矯正の費用は30万〜60万円程度、全体矯正の場合は60万〜120万円程度が相場です。

審美歯科の費用は保険が適用される?

審美歯科の費用は保険が適用されるかどうか考えるイメージ

審美歯科の治療は、基本的に保険が適用されません。見た目の美しさを目的とした治療であるためです。例えば、保険適用で虫歯を治療する場合は、銀歯やレジンなど、歯の機能を回復させるために最低限必要な素材が用いられます。

一方で、歯を補う素材としてオールセラミックやジルコニアなど審美性の高い素材を選んだ場合は、保険適用外です。また、ホワイトニングやラミネートベニアも見た目を改善させる目的で行うため、保険は適用されません。

保険が適用されるのは、顎変形症と診断されて手術を受ける前後に行う歯列矯正など、国に定められた条件に該当する場合のみです。また、国が認可した医療機関で治療を受ける必要があります。保険が適用されるかどうかは、歯科医師に確認しましょう。

審美歯科の費用は医療費控除の対象?

審美歯科の費用は医療費控除の対象になるか考えるイメージ

医療費控除とは、1年間に支払った医療費が一定額を超えた場合に申請することで、税金の一部が戻る制度です。

審美歯科治療において医療費控除の対象となるのは、機能回復を目的とした治療に限られます。例えば、噛み合わせの改善や歯の欠損を補う目的でセラミック治療を受けた場合は、医療費控除の対象となる場合があります。

一方で、見た目の美しさのみを目的としたホワイトニングやラミネートベニアは、控除の対象にはなりません。

申請する場合は、領収書を保管しておく必要があります。ご自身が受ける治療が対象となるかどうかは、歯科医師に確認しましょう。

まとめ

審美歯科で美しい歯になった笑顔の女性

審美歯科では、セラミック治療やホワイトニング、歯列矯正など、見た目の美しさに重点を置いた治療が受けられます。治療内容や素材によって費用は大きく異なりますが、基本的には保険適用外であるため、事前に相場を確認しておくことが大切です。

また、治療内容によっては医療費控除の対象になるケースもあります。歯科医師に確認し、費用面の負担を軽減する手段として活用するとよいでしょう。

審美歯科治療を検討されている方は、京都市左京区岩倉にある歯医者「金田歯科医院」にお気軽にご相談ください。

当院は、皆さまの「行きたい歯医者」を目指して診療を行っております。虫歯・歯周病治療、ホワイトニング、矯正治療、予防歯科など、さまざまな治療に力を入れています。

ホームページはこちらWEB予約も受け付けております。ぜひ一度ご覧ください。

こんにちは。京都市左京区岩倉にある歯医者「金田歯科医院」です。

入れ歯のイメージ

失った歯を補うために入れ歯を作製した方は「入れ歯は虫歯にならないからお手入れしなくても大丈夫」「一度作れば一生使える」と思っているかもしれません。

しかし、入れ歯の適切なケアや定期的な歯科検診を怠ると、装具に不具合が出たり虫歯や歯周病を発症したりすることもあります。そのため、装具を作製したあとも毎日の丁寧なお手入れや歯科医師の定期的なチェックを受けることが重要です。

本記事では、入れ歯の作製後に定期検診を受けたほうがよい理由や検診で行う内容、理想的な頻度、装具の適切なお手入れの方法などについて解説します。

入れ歯の作製後も定期的に検診を受けたほうがよい理由

入れ歯の作製後も定期的に検診を受けるイメージ

入れ歯を作製した後も定期的に歯科でチェックを受けたほうがよい理由には、以下のようなものがあります。

虫歯や歯周病のリスクがあるため

「入れ歯は人工物だから虫歯の心配はないだろう」と考えている方もいらっしゃるでしょう。もちろん、入れ歯自体が虫歯によって溶かされることはありません。

しかし、毎日のブラッシングやお手入れを怠り、細菌が繁殖すれば、他の天然歯が虫歯や歯周病によってダメージを受ける可能性は十分に考えられます。虫歯や歯周病は放っておいて自然に治ることはなく、徐々に進行していく病気です。

症状が悪化すれば、抜歯が必要になることもあるため、早期発見・早期治療が重要です。

装具が劣化するため

入れ歯の寿命は、使用される素材や口腔内の状態、メンテナンスの状況によっても異なりますが、一般的には4~5年程度といわれています。入れ歯は一生使えるものだと思っている方もいるかもしれませんが、経年劣化によってトラブルが生じれば、作り変える必要があるのです。

具体的には、装具の破損や変形、細菌繁殖による独特なニオイなどが挙げられます。寿命を迎えた装具をそのまま使用し続けていると、装着時の違和感や痛みが強くなったり噛み合わせが悪くなったりして口腔内に悪い影響を及ぼす可能性があります。

口腔内の状態は日々変化するため

口腔内の状態は、加齢に伴って日々変化します。入れ歯を長期間にわたって使用していると、顎の骨や歯ぐきが痩せて、装具のフィット性が徐々に損なわれていくのです。

しかし、患者さま自身が加齢による口腔内の変化を実感することは難しいでしょう。そのため、定期的に歯科クリニックで歯ぐきや顎の骨をはじめ、口腔内の状態を確認することが大切です。

入れ歯の作製後の検診で行うこと

入れ歯のチェックを歯科医が行うイメージ

入れ歯の作製後に歯科クリニックの検診で行う内容は、以下の通りです。

口腔内の確認

通常の歯科検診と同様に、まずは口腔内の状態を確認します。歯や歯ぐき、口腔粘膜の状態、虫歯や歯周病の有無などをチェックします。

クリーニング

専用の機器を使用して、普段のブラッシングでは除去できないプラークや歯石を丁寧に取り除きます。入れ歯だけでなく、天然歯のクリーニングも行うことで、お口全体のトラブルを予防します。

入れ歯のチェック・メンテナンス

口腔内の状態や天然歯のクリーニングに引き続き、入れ歯自体の洗浄と殺菌を行います。装具に汚れや細菌が蓄積していると、不快なニオイや装具の劣化の原因となるため、徹底的に洗浄・殺菌する必要があります。

さらに、本体にひび割れや変形がないか、バネの緩みがないか、噛み合わせに問題がないかなども合わせてチェックします。

入れ歯の調整

フィット性や噛み合わせなどに問題が生じている場合には、装具の調整を行います。先にも述べた通り、口腔内の状態は加齢に伴って変化していきます。また、入れ歯も経年劣化によって不具合が生じる可能性があるため、定期的に調整する必要があります。

適合性の悪い装具を装着していると、口の中を傷つけたり顎の関節に負担がかかったりすることもあります。「入れ歯がカパカパする」「会話や食事の際に違和感がある」という場合には、一度歯科クリニックでチェックを受けるようにしましょう。

定期検診を受ける頻度

入れ歯の作製後に定期検診を受ける頻度のイメージ

定期検診を受ける頻度の目安は、3~6ヵ月に1回程度です。実際には、患者さまの口腔内の状態によって異なります。

例えば、毎日のブラッシングや装具のお手入れがしっかりできていて、虫歯や歯周病のリスクが低い場合には6ヵ月に1回でも問題ないでしょう。入れ歯に不具合が生じていない場合も6ヵ月に1回でも問題ないでしょう。

しかし、適切なケアがされず口腔内の状態が悪い場合には、3ヵ月に1回程度の受診を勧められることもあります。なお、すでに入れ歯の装着時に違和感や痛みがある方や歯や歯ぐきのトラブルがある方は、放置せずに早めに受診することが重要です。

入れ歯のお手入れ方法

入れ歯を洗浄剤でクリーニングするイメージ

最後に、入れ歯の適切なお手入れ方法についてご紹介します。

毎食後に洗浄する

入れ歯のお手入れは、天然歯と同様に毎食後行う必要があります。食べカスや汚れをそのままにしておくと、細菌が繁殖してイヤなニオイの原因となります。また、食べカスが装具と歯ぐきの間に挟まってフィット性が悪くなる可能性も考えられるでしょう。

快適に使い続けるためにも、毎食後にしっかりと洗浄しましょう。外出先などでブラッシングが難しい場合には、入れ歯用の拭き取りウェットシートを活用してみてください。

専用のブラシでブラッシングする

洗浄する際には、柔らかいハブラシや入れ歯専用のブラシを使用します。流水やぬるま湯で優しく磨きましょう。硬い歯ブラシでゴシゴシ擦ると表面に細かい傷がつき、雑菌が蓄積しやすくなるため注意が必要です。

また、熱湯消毒やキッチン用の漂白剤の使用は、装具の変形や変色を招く恐れがあるため絶対に避けましょう。

取り外した際には水かぬるま湯につける

入れ歯をそのままの状態で洗面所やテーブルの上などに置いておくと、乾燥によって劣化しやすくなります。装具が乾燥によって劣化すると、ひび割れたり変形したりする恐れがあります。

そのため、取り外した際には、水やぬるま湯につけて保管するように心がけることも大切です。

就寝前には洗浄剤を使用する

毎食後の洗浄は、流水でのブラッシングだけで問題ありません。

しかし、それだけですべての汚れや雑菌を取り除くことはできないため、就寝前には洗浄剤を使用しましょう。入れ歯の洗浄剤には、除菌・消臭・汚れの分解・歯石の付着防止・漂白効果などがあります。

また、つけ置きタイプ(タブレット・顆粒・粉末)や泡タイプなど様々な種類がありますので、ご自身が使用しやすいものを選んでみてください。

定期的に調整を受ける

先にも述べた通り、入れ歯を使用していると口腔内の変化や装具の経年劣化によって、適合性が悪くなることがあります。適合性の悪い装具をつけ続けていると、不快感や痛みだけでなく、顎関節に負担がかかることなども考えられるでしょう。

また、毎日しっかりとケアをしているつもりでも、食べカスやプラーク、歯石などが口腔内に蓄積していることもあります。そのままにしておくと入れ歯の不具合だけでなく、歯周病や虫歯のリスクも高まります。

そのため、自宅でのケアに加え、歯科クリニックで定期的に調整を受けることも重要です。

まとめ

入れ歯の作製後も定期的に検診を受けて快適に食事をする女性

入れ歯を作製したことによる安心感から、セルフケアや定期検診を怠る方は少なくありません。

しかし、毎日のお手入れや歯科クリニックでの定期的なチェックをせずにいると、虫歯や歯周病を発症したり装具のフィット性が損なわれたりする恐れがあります。不具合が生じることによって、不快なニオイ生じたり口の中が傷ついたりする可能性も考えられるでしょう。

入れ歯の快適な装着感や機能をできるだけ長く維持し続けるためにも、毎日のセルフケアは丁寧に行うことが大切です。

なお、入れ歯は毎日使用するものですから、使っているうちに変形したりヒビが入ったりすることもあります。そのため、3~6ヵ月に1回は歯科クリニックで入れ歯のチェックやメンテナンスを受けるようにしましょう。

入れ歯を検討されている方は、京都市左京区岩倉にある歯医者「金田歯科医院」にお気軽にご相談ください。

当院は、皆さまの「行きたい歯医者」を目指して診療を行っております。虫歯・歯周病治療、ホワイトニング、矯正治療、予防歯科など、さまざまな治療に力を入れています。

ホームページはこちらWEB予約も受け付けております。ぜひ一度ご覧ください。

こんにちは。京都市左京区岩倉にある歯医者「金田歯科医院」です。

セラミックの歯はいくらか考える女性

セラミックは、天然歯と見分けがつかないほどの透明感や色を再現できる素材です。基本的には保険が適用される素材に比べると、費用が高額になる傾向があります。

では、セラミックの歯の値段はどれくらいなのでしょうか。また、どうして高額でもセラミックの歯が選ばれるのでしょうか。

今回は、セラミックの歯の値段や高額な理由、高額でも選ばれる理由について詳しく解説します。

セラミックの歯の値段

セラミックの歯にかかる費用のイメージ

セラミック治療に使用される素材には、主に以下の4つの種類があります。

  • オールセラミック
  • ジルコニア
  • ハイブリッドセラミック
  • メタルボンド

それぞれの素材や値段について詳しく解説します。

オールセラミック

オールセラミックは、すべてセラミックで作られており、非常に審美性が高い素材です。天然の歯に近い白さや透明感、自然な光沢を再現できるため、自分の歯と見分けがつかないほど自然に仕上がり、周囲の歯ともよく調和します。

時間が経っても色や形の変化が少なく、美しさを長期間維持できる点も魅力です。特に、笑ったときに見える前歯など、目立つ箇所の治療に使用される傾向があります。

ただし、強い衝撃が加わると欠けたり割れたりするリスクがあります。奥歯など噛む力が集中しやすい部位や、歯ぎしり・食いしばりの癖がある方の場合、使用を避けたほうが良いこともあります。

オールセラミックの値段は、詰め物の場合で約6万〜8万円、被せ物では約8万〜20万円ほどが目安となります。

ジルコニア

ジルコニアは、人工ダイヤモンドと呼ばれるほど、セラミック素材のなかでも特に強度が高い素材です。そのため、奥歯への使用や、歯ぎしり・食いしばりの癖がある方でも安心して選択できます。

見た目の美しさではオールセラミックにやや劣る部分がありますが、変色や変形が起こりにくく、汚れも付着しにくいという特徴があります。また、その耐久性から、前歯・奥歯を問わず幅広い部位に使用可能です。

ただし、ジルコニアは天然歯よりも硬いため、噛み合う歯に負担がかかることがあります。噛み合う歯の摩耗や損傷のリスクがあるため、部位によっては使用しても問題ないか相談する必要があります。

ジルコニアの値段は、詰め物の場合で約4万〜8万円、被せ物では約10万〜20万円が相場です。

ハイブリッドセラミック

ハイブリッドセラミックは、保険治療で使用されるレジン(樹脂)とセラミックを混ぜ合わせたもので、ほかの素材に比べるとコストを抑えられるのが特徴です。

一定の条件を満たせば、保険が適用されるケースもあります。そのため、費用を重視したい方には選択肢の一つとなるでしょう。

ただし、レジンが含まれているため、着色しやすい点はデメリットといえます。また、ほかのセラミック素材と比べて強度が劣るため、使用年数とともに破損のリスクが高まる点には注意が必要です。

ハイブリッドセラミックの値段は、詰め物で約3万〜4万円、被せ物で約4万〜8万円程度が一般的です。

メタルボンド

メタルボンドは、金属のフレームにセラミックを焼き付けた被せ物であり、高い耐久性を持つのが特徴です。

一方で、内側に金属を使用しているため、見た目の自然さではオールセラミックなどに比べると少し劣ります。透明感がやや少なく、特に光が当たると金属の影響により自然さに欠けることもあるでしょう。

また、長期間使用することで金属イオンが溶け出し、歯茎が黒く変色したり、金属アレルギーの症状が現れたりする可能性もあります。メタルボンドの値段は、おおよそ8万〜15万円程度が相場です。

セラミックの歯が高額な理由

セラミックの歯が高額な理由を紹介する歯科医師

セラミックの歯が高額な理由は、以下のとおりです。

  • 素材の質が高いから
  • すべてオーダーメイドで作られているから
  • 保険が適用されない自由診療だから

それぞれ詳しく解説します。

素材の質が高いから

セラミックは、見た目や機能面で天然歯に非常に近い素材です。白さ・透明感・光沢といった審美的な特徴に優れており、変色もしにくいため、長期的に美しさを保つことができます。こうした高品質な素材を使うため、どうしてもコストが高くなるのです。

すべてオーダーメイドで作られているから

セラミックの歯は、一人ひとりの歯の形に合わせて作製されます。歯科技工士が精密に仕上げるため、工程には高度な技術と多くの時間が必要です。この一点ものを作る作業が、価格にも反映されます。

保険が適用されない自由診療だから

セラミック治療は、審美目的の治療に該当するため、保険適用の対象になりません。自由診療になるため、全額自己負担となり、費用が高額となります。

高額でもセラミックの歯が選ばれる理由

審美性に優れたセラミックの歯にした女性の口元

高額でもセラミックの歯が選ばれる主な理由は、以下のとおりです。

  • 見た目が非常に自然で美しい
  • 虫歯や歯周病になりにくい
  • 金属アレルギーのリスクがない

それぞれ詳しく解説します。

見た目が非常に自然で美しい

セラミックは白く透明感がある素材で、天然歯に近い自然な仕上がりを再現できます。特に前歯などの目立つ部分でも、周囲の歯と違和感なくなじむため、審美性を重視する方に好まれています。

また、金属を使った被せ物の場合、金属成分が溶け出して歯茎が黒ずむことがありますが、金属を使用しないセラミックの歯を選択すればその心配がありません。

虫歯や歯周病になりにくい

セラミックの歯の表面は非常に滑らかで、汚れや細菌が付着しにくいです。口内を清潔に保ちやすいため、虫歯や歯周病になるリスクを軽減できます。

また、銀歯などの金属製の詰め物・被せ物は、長年使用するうちに変形することがあります。これによって、天然歯との間に隙間ができ、その隙間に細菌が入り込むと、虫歯や歯周病の原因となります。

一方で、セラミックの歯は精密に作製され、天然の歯にしっかりとフィットするため、隙間ができにくく、汚れもたまりにくいです。二次虫歯のリスクが低いため、適切にケアをすれば、10年以上美しさを維持できることも珍しくありません。

金属アレルギーのリスクがない

オールセラミックやジルコニアのような金属を含まない素材を使用した詰め物・被せ物であれば、金属アレルギーの心配がありません。体に優しい治療を求める方にとっては、大きな安心材料となります。

セラミックの歯の寿命を延ばす方法

セラミックの歯の寿命を延ばすために定期検診に通う女性

セラミックの歯は耐久性が高く、適切に使用すれば10年以上使い続けることも可能です。以下のような習慣を意識することで、より長く快適に使うことができます。

  • 毎日丁寧に歯磨きをする
  • 定期的に歯科検診を受ける
  • 歯ぎしり・食いしばりの対策をする

それぞれ詳しく解説します。

毎日丁寧に歯磨きをする

セラミック自体は人工物のため虫歯になりませんが、歯磨きを怠ると土台となる天然歯が虫歯になることがあります。土台となる歯が虫歯になった場合は、セラミック歯を外して治療しなければなりません。

土台となる天然歯が虫歯になるのを防ぎ、セラミックの歯を長く使い続けるためには、毎日丁寧に歯磨きをすることが大切です。セラミック歯の周辺や歯と歯茎の境目に磨き残しができないよう、やさしく丁寧にブラッシングを行いましょう。

定期的に歯科検診を受ける

セラミックの歯の寿命を延ばすためには、定期的に歯科検診を受けることも大切です。数か月に一度の頻度で歯科医院で検診を受けることで、セラミック歯の状態や装着部の異常を早期に発見できます。

また、噛み合わせがずれていたり、噛む力が偏っていたりすると、セラミックの歯にヒビが入ったり割れることがあります。必要に応じて噛み合わせの調整を行うことでトラブルを未然に防ぐことができるでしょう。

痛みやトラブルがなくても、歯科医院で定期検診を受ける習慣を付けましょう。

歯ぎしり・食いしばりの対策をする

歯ぎしり・食いしばりの癖はセラミック歯の破損の原因となります。

無意識のうちに歯ぎしりをしてしまう方は、就寝中にナイトガードという専用のマウスピースを使用するとよいでしょう。ナイトガードを装着することで、歯ぎしりや食いしばりによってセラミックの歯に加わる力を分散でき、破損を防ぐことができます。

まとめ

セラミックの歯にして口元に自信が持てるようになった笑顔の女性

セラミックにはいくつかの種類があり、それぞれ特徴や値段が異なります。よく理解したうえで自分に合ったセラミックを選ぶことが大切です。

セラミックの歯は保険適用の対象にならないため費用は高額ですが、天然歯のように美しく、口内のトラブルが起こりにくいなどさまざまなメリットがあります。そのため、高額であっても多くの方に選ばれているのです。

セラミックの歯は自由診療のため、歯科医院によっても値段は異なります。詳しくは、治療を受ける歯科医院で確認してください。

セラミック治療を検討されている方は、京都市左京区岩倉にある歯医者「金田歯科医院」にお気軽にご相談ください。

当院は、皆さまの「行きたい歯医者」を目指して診療を行っております。虫歯・歯周病治療、ホワイトニング、矯正治療、予防歯科など、さまざまな治療に力を入れています。

ホームページはこちらWEB予約も受け付けております。ぜひ一度ご覧ください。

こんにちは。京都市左京区岩倉にある歯医者「金田歯科医院」です。

入れ歯が合わず痛みを感じる高齢女性

入れ歯を装着した際「痛い」「違和感がある」と思う方は少なくありません。特に、初めての入れ歯の場合、口の中に馴染むまでに時間がかかることもありますが、痛みが続く場合には何らかの原因が潜んでいる可能性があります。

入れ歯による痛みを放置すると、口内炎や歯ぐきの炎症を引き起こし、食事や会話に支障をきたすことにもなりかねません。

今回は、入れ歯で痛みが生じる主な原因や放置するリスク、そして痛みを和らげるための具体的な対処法について詳しく解説します。

入れ歯をつけたときに痛いと感じる原因

入れ歯を装着する様子

入れ歯を装着した際に痛みを感じる原因はいくつかあります。早期に対処しなければ日常生活に支障をきたすだけでなく、口腔内の健康にも影響を及ぼします。

ここでは、入れ歯装着時に痛みを感じる主な原因について詳しく解説します。

入れ歯の形が合っていない

もっともよくある原因の一つが、入れ歯の形や大きさが口腔内に合っていないことです。入れ歯は歯型をもとに作製されますが、口腔内は日々変化しており、装着後に歯ぐきの状態が変わることもあります。

そのため、わずかなズレや圧迫が痛みにつながることがあります。特に、硬い素材で作られた部分が粘膜に当たると、炎症や傷が生じやすくなります。

また、部分入れ歯の場合にはバネ(クラスプ)が残っている歯に強く当たることがあり、その圧力によって痛みや歯の動揺が生じる可能性もあります。自分の歯と人工の入れ歯とのバランスが崩れると、噛むたびに負担がかかり、継続的な痛みの原因となります。

噛み合わせが合っていない

入れ歯の噛み合わせが適切でない場合も、痛みの原因になります。上下の入れ歯や天然歯との接触が強すぎると、特定の部分に過剰な力が集中し、その部分の粘膜や骨にダメージを与えることがあります。

特に、硬いものを噛んだ際に痛みが強くなるような場合は、噛み合わせに問題があることが疑われます。

噛み合わせがずれていると、全体の咀嚼バランスが崩れ、顎関節や筋肉にまで負担が及ぶこともあります。結果として、顎の痛みや頭痛、肩こりといった全身症状につながるケースもあります。

歯ぐきや粘膜の炎症・傷

入れ歯が粘膜にこすれたり、強く当たる部分があると、口内に小さな傷や潰瘍ができることがあります。これが口内炎や炎症の原因となり、入れ歯を装着していないときでも痛みが続くようになることもあります。

特に、新しい入れ歯を装着したばかりの時期には、粘膜がまだ慣れていないため、痛みや違和感が出やすいです。また、長年使っている入れ歯でも、経年劣化や歯ぐきの変化によって適合が悪くなり、接触部分に摩擦が生じて炎症を引き起こすことがあります。

痛みが出たまま使い続けると、炎症が慢性化し、治りにくくなるおそれがあります。

入れ歯による圧迫や吸着の異常

総入れ歯の場合、歯ぐき全体で支える構造になっているため、歯ぐきの厚みや形状によって圧力のかかり方が異なります。入れ歯が一部に強く吸着しすぎたり、逆に隙間が生じてズレやすくなったりすると、その動きが粘膜を刺激し痛みを生じます。

特に下顎の入れ歯は、上顎に比べて安定しにくく、舌の動きによってズレやすいため、装着直後は痛みや違和感を訴える方が多いです。唾液の量が少ない方も、吸着性が悪くなりやすく、結果的に入れ歯の安定性が損なわれることがあります。

口腔内の変化や疾患

加齢や体調の変化、持病などによって歯ぐきや顎の骨の状態が変化すると、それまで合っていた入れ歯が急に合わなくなることがあります。例えば、歯ぐきが痩せてくると入れ歯の支えが不安定になり、強く当たる部分ができて痛みが出るようになります。

また、口腔内に他の疾患が隠れている場合もあります。粘膜に異常が見られる場合や、入れ歯を外しても痛みが続く場合は、口腔がんや神経性の痛みなど、他の要因が関係している可能性もあるため注意が必要です。

入れ歯をつけたときの痛みを放置するリスク

入れ歯をつけたときの痛みを放置するリスクのイメージ

入れ歯を装着した際に「少し痛いけど我慢できる」とそのまま使い続ける方もいるでしょう。

しかし、入れ歯による痛みには必ず何らかの原因があり、それを放置すると口腔内の状態を悪化させ、さらなるトラブルを引き起こす可能性があります。ここでは、入れ歯の痛みを放置することで起こりうる主なリスクについて詳しく解説します。

粘膜や歯ぐきの炎症が悪化する

入れ歯の縁や底部が歯ぐきや口腔粘膜に強く当たっている場合、そこに継続的な刺激が加わることで炎症が生じます。初期段階では赤みや軽度の腫れだけしか現れないこともありますが、痛みを我慢して使い続けることで粘膜に潰瘍やただれができる可能性もあります。

特に、粘膜の傷口が長時間にわたって刺激を受けると、細菌感染を起こしやすくなり、口内炎の悪化や二次的な感染症につながることもあります。

噛み合わせの乱れによる全身への影響

入れ歯による痛みは、噛み合わせのズレや不均等な力のかかり方によっても生じます。このような不調和を放置すると、噛む力が一部に集中し、顎関節に負担がかかります。

結果として、顎の痛みや開閉時の違和感が生じるほか、慢性的な肩こりや頭痛といった全身症状につながることもあります。噛み合わせのバランスが崩れると、咀嚼効率が低下し、食事を十分に楽しめなくなるだけでなく、消化器への負担も大きくなります。

食事や会話への支障が広がる

入れ歯の痛みによって噛むことが難しくなると、食べられるものが限られて栄養バランスが偏りやすいです。特に、高齢の方では、噛みにくさから食事の量が減少し、体力や免疫力の低下にも影響を与えることがあります。

また、入れ歯による痛みで発音が不明瞭になったり、話すたびに不快感を覚えたりすることもあり、人前での会話を避けるようになるケースも見られます。

入れ歯自体の劣化や破損のリスク

痛みを我慢して入れ歯を使い続けると、本来の適合状態が悪化しやすくなります。歯ぐきの形が変わったり、入れ歯に余計な力がかかり続けたりすると、人工歯の摩耗や変形、さらにはひび割れや破損といった問題を引き起こすこともあります。

そうなると、修理や再製作が必要になり、時間と費用の負担が増えることにもなります。

また、入れ歯の不具合により支えとなる天然歯や歯ぐきに過度な負担がかかると、残存歯の動揺や歯周病の悪化につながることもあります。部分入れ歯を使用している場合、バネがかかる歯が次第に弱っていき、最終的に抜歯が必要になるリスクもあるため注意が必要です。

入れ歯をつけたときに痛いと感じるときの対処法

入れ歯が痛いと感じ歯科医院を受診した高齢男性

適切な対処を行えば、入れ歯による痛みを軽減し、快適な入れ歯生活を取り戻すことができます。ここでは、入れ歯による痛みを感じたときの主な対処法について解説します。

歯科医院での調整を受ける

入れ歯による痛みの対処で最も効果的なのが、歯科医師による調整です。痛みのある部分は、入れ歯の縁や底部が歯ぐきに過度に圧迫をかけていることが原因である場合が多いです。ほんのわずかな削合や形状の修正で大きく改善することがあります。

調整では、どの部位にどの程度の負担がかかっているのかを確認し、細かく丁寧に入れ歯のかたちを整えてもらうことで、違和感や痛みを軽減できます。

また、噛み合わせのバランスも重要です。片側だけに力がかかっていたり、上下の歯がうまくかみ合っていない場合には、顎や筋肉に負担がかかり痛みの原因になります。噛み合わせの調整も歯科医院で行えるため、早めの相談が大切です。

痛みのある部分を無理に使わない

入れ歯が原因で歯ぐきや粘膜に炎症が起きている場合、その部分に負担をかけ続けると症状が悪化する可能性があります。痛みが強いときには、入れ歯を一時的に外し、口腔内を安静に保つことも有効です。

ただし、長時間外したままにすると、口腔内の筋肉や粘膜の状態が変わり、入れ歯が合わなくなることもあります。外す時間や頻度は歯科医師と相談のうえで調整することが望まれます。

また、痛みがある間は硬いものや粘着性のある食べ物は避け、やわらかく噛みやすい食品を選ぶことで、刺激を最小限に抑えることができます。入れ歯を入れた状態で、できるだけ均等に噛むよう意識することも、口腔内の負担を軽減する工夫のひとつです。

入れ歯安定剤の活用

入れ歯がずれやすく、それが原因で痛みを感じる場合には、市販の入れ歯安定剤を活用するのも一つの方法です。安定剤はクッションの役割を果たし、入れ歯と歯ぐきの間の摩擦を和らげることで、装着時の不快感を軽減してくれます。

ただし、安定剤はあくまで一時的な対処法であり、根本的な解決にはなりません。使用を続けると入れ歯のフィット感が損なわれることもあるため、痛みが続くようであれば、必ず歯科医師に診てもらいましょう。

清潔な状態を保つ

入れ歯が汚れていたり、歯ぐきとの接触面に歯垢や食べかすが残っていると、口腔内で細菌が繁殖しやすくなり、炎症や口内炎のリスクが高まります。入れ歯は毎日丁寧に清掃し、専用のブラシや洗浄剤を使って常に清潔な状態を保つことが重要です。

寝る前には入れ歯を外し、専用の洗浄液に浸けておくことで、細菌の増殖を防げます。また、口の中の粘膜や歯ぐきも忘れずにケアしましょう。柔らかい歯ブラシや指用ブラシを使って、歯ぐきや舌をやさしくマッサージすることで、血行を促進し炎症予防にもつながります。

入れ歯は再作製も視野に入れる

長年使っている入れ歯で痛みが出てきた場合は、入れ歯そのものの劣化や歯ぐきの形の変化が影響している可能性があります。歯ぐきは年齢や体調によって痩せていき、入れ歯が合わなくなってくることがあります。

こうした場合には、部分的な修理や調整だけでは対応できないこともあるため、新しい入れ歯の作製を検討するのが適切です。歯科医院では、現在使用中の入れ歯の状態を確認したうえで、修理で対応できるか、新たに作り直したほうが良いかを判断してもらえます。

痛みが慢性的になっている場合や、何度も調整を繰り返しても改善が見られないときには、無理に使い続けず、作り直しも視野に入れることが快適な生活への近道です。

まとめ

入れ歯を調整し笑顔を見せる高齢女性の口元

入れ歯を装着した際に痛みを感じるのは、入れ歯の形が合っていなかったり、噛み合わせの不調和、歯ぐきや粘膜の炎症などが原因です。痛みを放置すると、炎症の悪化や口内炎の慢性化などの悪影響につながるおそれがあります。

安定剤の活用や食事内容の工夫、日々の清掃も痛みの緩和に効果的ですが、違和感がある場合は、早めに歯科医院で調整を受けることが重要です。

入れ歯を検討されている方は、京都市左京区岩倉にある歯医者「金田歯科医院」にお気軽にご相談ください。

当院は、皆さまの「行きたい歯医者」を目指して診療を行っております。虫歯・歯周病治療、ホワイトニング、矯正治療、予防歯科など、さまざまな治療に力を入れています。

ホームページはこちらWEB予約も受け付けております。ぜひ一度ご覧ください。

こんにちは。京都市左京区岩倉にある歯医者「金田歯科医院」です。

歯周病のイメージ

歯周病は、日本人の成人の約8割がかかっている、もしくはその予備軍と言われている病気です。初期段階には自覚症状が少なく、気づかないうちに進行していることが多いです。放置していると、最終的には歯が抜け落ちることもあります。

しかし、早期発見・早期治療ができれば進行を止めることができ、口腔内の健康を取り戻せます。

この記事では、歯周病の基礎知識から治療法、そして歯科医院で実際に行われる治療の流れまで、丁寧に解説します。歯周病の進行を止めたい方、または予防に取り組みたい方は、ぜひ最後までご覧ください。

歯周病とは

歯周病について説明するイメージ

歯周病は、歯と歯茎の間に付着しているプラーク(歯垢)に含まれる細菌によって引き起こされる炎症性の疾患です。初期段階では歯肉炎と呼ばれ、歯ぐきの腫れや出血などの症状が見られますが、この段階では痛みを感じにくいため、気づかないうちに進行していることが多いです。

歯肉炎が進行すると歯周炎となり、歯を支える骨(歯槽骨)まで破壊されます。さらに進行すると、最悪の場合、歯が抜け落ちることもあります。

歯周病の原因となるのは、主にプラーク(歯垢)と呼ばれる細菌のかたまりです。プラークは、毎日の歯磨きで除去することが可能です。

しかし、磨き残しがあると歯石になり、歯ブラシでは取り除けなくなります。歯石の表面は細菌が付着しやすく、炎症が慢性化していきます。

また、歯周病は口腔内だけのトラブルとどまらず、全身の健康にも影響を及ぼすことが知られています。例えば、糖尿病や心疾患、誤嚥性肺炎などとの関連も指摘されており、放置すれば全身の健康を害する高まる恐れがあるのです。

の健康を守るためにも、歯周病を早期発見・早期治療がすることが非常に重要といえます。異変を感じたら、できるだけ早く歯科医院を受診するようにしましょう。

歯周病は治る?

歯周病は治るか考えるイメージ

歯周病は、初期段階であれば完治できますが、進行すると元の健康な状態に戻すのは難しいといわれています。完治が難しい場合は、それ以上の進行を食い止めることを目的とした処置が施されます。

特に、歯肉炎の段階であれば、正しい方法でのブラッシングや歯科医院での専門的な歯のクリーニングなどによって、健康な状態へと回復することが期待できます。進行した歯周炎の場合でも、歯周病治療を継続的に行うことで、炎症を抑え悪化を防げる可能性があります。

ただし、すでに破壊された歯槽骨や歯ぐきの組織を元の状態に戻すのは難しいです。治すというよりは、進行を止める・管理するという考え方がより正確といえるでしょう。

また、治療の効果を持続させるには、患者さま自身のセルフケアも非常に重要です。歯科医院での治療だけでなく、正しいブラッシング方法の実践や、食生活の見直し、禁煙、生活習慣の見直しなども、歯周病の改善に大きく関わってきます。

近年では、重度の歯周病に対して再生療法と呼ばれる先進的な治療も行われており、一部の組織を回復させられる可能性もあります。治療の効果には個人差があり、健康な元の状態に戻せるとは限らないため、予防と継続的なケアが最も効果的な対策といえるでしょう。

歯周病の治療法

スケーリングのイメージ

歯周病の治療は、進行度や症状に応じて段階的に行われます。初期の段階では日常的な口腔ケアの改善が中心ですが、進行したケースでは専門的な処置が必要になります。

ここでは、代表的な治療法をいくつかの段階に分けて解説します。

スケーリング(歯石除去)

歯周病治療の基本となるのがスケーリングです。これは、歯の表面や歯ぐきの境目に付着した歯垢や歯石を専用の器具で除去する処置です。歯石は一度付着すると歯ブラシでは取り除けないため、歯科医院でのクリーニングが必要です。

歯石を除去することによって、炎症の原因である細菌を排除でき、歯周病の治療や予防が可能です。

ルートプレーニング

スケーリングの後に行われることが多いのが、ルートプレーニングという治療です。これは、歯周ポケットの中にある歯根の表面に付着した汚染物質や細菌を徹底的に取り除き、滑らかに仕上げる治療法です。

ルートプレーニングを行うことによって細菌が付着しにくくなり、炎症の再発を防ぎます。処置後に軽い痛みや歯ぐきの違和感が出ることもありますが、多くの場合は一時的です。

ただし、痛みがひどい場合や長く続く場合は、治療を行った歯科医院に早めに相談しましょう。

外科的治療(フラップ手術など)

進行した歯周病では、スケーリングやルートプレーニングだけでは十分な改善が見込めないことがあります。その場合には、フラップ手術などの外科的治療も検討されます。

フラップ手術は、歯ぐきを切開して歯根を露出させ、奥深くの歯石や感染組織を取り除く方法です。歯周ポケットを浅くし、歯周病の進行を食い止めることが可能になります。

ただし、外科的治療は他の治療と比べて体への負担が大きいため、慎重に検討する必要があります。

歯周組織再生療法

上記の治療法に加えて、最近では、失われた歯槽骨や歯周組織を部分的に再生させる歯周組織再生療法と呼ばれる治療法も登場しています。

歯周組織再生療法は、特殊な薬剤や人工膜を使用し、体の自然治癒力を利用して組織の回復を促す治療法です。主に重度の歯周病に対して施されます。

ただし、すべての症例で効果が出るわけではないため、治療前に歯科医師との十分な相談が必要です。

歯周病治療の流れ

歯周病治療の流れのイメージ

歯周病の治療は一度の通院で完了するものではなく、段階的に進めていく必要があります。症状の把握から始まり、継続的なメンテナンスまで、複数のプロセスを経て口腔内の健康を取り戻します。

ここでは、歯科医院での一般的な治療の流れをご紹介します。

カウンセリングと口腔内の検査

歯周病の治療は、カウンセリングと口腔内の検査から始まります。まず、どのような症状が出ているか、それはいつからか、思い当たる原因はあるかなどを確認します。

カウンセリングの結果、歯周病が疑われる場合は、歯ぐきの状態や歯周ポケットの深さ、出血の有無や歯の動揺などを確認して歯周病の進行度を把握します。また、必要に応じてレントゲン撮影を行い、歯槽骨の状態や見えない部分の炎症もチェックします。

その後、検査結果や治療の方法、進め方などを歯科医師から説明されます。このとき、不安や疑問があれば相談しておきましょう。

医師の説明に納得できたら、患者さまに合わせた治療計画が立てられ、治療が開始されます。

初期治療(プラークコントロール)

次に行われるのが、スケーリングやルートプレーニングという歯周病の原因であるプラーク(歯垢)や歯石を除去する初期治療です。これらの処置を行った後、改善がみられるかどうか確認します。

また、並行してブラッシング指導が行われることもあります。日々のセルフケアが治療効果を大きく左右するため、患者さま自身が正しい歯磨き習慣を身につけることが重要です。

再評価

初期治療が一通り完了した段階で、再評価が行われます。再び歯周ポケットの深さや出血の状態を確認し、治療の効果を測定します。

改善がみられる場合は、今後の定期的なメンテナンスについての説明やスケジューリングがなされます。改善が見られない場合は、フラップ手術や再生療法などの外科的処置が必要になることもあります。

メンテナンスと定期的なフォローアップ

歯周病は再発しやすい病気のため、治療が終了したあとも定期的なメンテナンスが欠かせません。3か月~6か月程度に一度の受診が推奨されております。

定期検診では、歯科衛生士による専門的な歯のクリーニングや、再発の兆候を早期に発見するためのチェックなどが行われます。継続的なメンテナンスは、歯周病の再発防止や悪化阻止に役立ちます。

まとめ

歯周病を治療して笑顔の女性

歯周病は誰にでも起こりうる身近な病気ですが、早期に発見し、適切な治療とセルフケアを行うことで進行を止められます。スケーリングやルートプレーニングなどの基本治療から、外科的治療、再生療法といった専門的な方法まで、段階的なアプローチが効果的です。

また、治療が終わった後もメンテナンスを継続することで、再発を防ぎ、健康な口腔環境を維持できます。

歯ぐきの腫れや出血、口臭といった初期のサインを見逃さず、気になる症状があれば早めに歯科医院を受診しましょう。自分自身の健康を守るためにも、歯周病と正しく向き合うことが大切です。

歯周病治療を検討されている方は、京都市左京区岩倉にある歯医者「金田歯科医院」にお気軽にご相談ください。

当院は、皆さまの「行きたい歯医者」を目指して診療を行っております。虫歯・歯周病治療、ホワイトニング、矯正治療、予防歯科など、さまざまな治療に力を入れています。

ホームページはこちらWEB予約も受け付けております。ぜひ一度ご覧ください。

こんにちは。京都市左京区岩倉にある歯医者「金田歯科医院」です。

歯科医院でブラッシング指導を受けるイメージ

毎日のブラッシング習慣は、健康な歯ぐきと歯を保つために非常に大切です。

しかし、自己流の磨き方をしていると、予防効果が十分に発揮されないことがあります。歯科医院でブラッシング指導を受けることで、患者さま一人ひとりの状態に合わせた効果的なケア方法を専門家から学ぶことができます。

この記事では、歯科医院でのブラッシング指導のメリットや、自宅で実践できるブラッシングのコツについて解説します。正しい方法でブラッシングを実践することで、歯と歯ぐきを健康な状態に保つことが可能です。ぜひ最後までご覧ください。

ブラッシング指導とは

ブラッシング指導について説明する歯科医

ブラッシング指導とは、歯科医院の歯科衛生士などが、患者さま一人ひとりに合わせたブラッシング方法を直接教える取り組みです。ブラッシング指導では、歯磨きをするときの適切な力のかけ方や補助清掃用具の使い方、歯磨きをするタイミングなども指導します。

こうしたアドバイスにより、ふだんの歯磨きでプラークをしっかりと除去できるようになれば、歯周病や虫歯などのトラブルを未然に防ぐことができます。

歯科医院でブラッシング指導を受けるメリット

歯科医院でブラッシング指導を受けるメリットのイメージ

ブラッシング指導を受けるメリットは、以下のとおりです。

正しい歯磨きの仕方が身につく

ブラッシング指導では、歯科の国家資格を持つ専門のスタッフが歯磨きの仕方を直接指導します。

誰にでも磨き方の癖や磨き残しが生じやすい部分があります。ブラッシング指導を受けることで、磨き方の癖や磨き残しが多い部分を知ることができます。自分では把握しにくい改善点を具体的に教えてもらえるため、ブラッシングの技術の向上につながります。

また、歯並びは一人ひとり異なります。歯と歯が重なっている部分には汚れが残りやすく、正しい方法でブラッシングを行わなければ磨き残しが生じて虫歯になるリスクが高まります。

歯科医院では一人ひとりのお口の状態に合った正しい歯磨きの仕方を指導します。歯並びが悪い部分の磨き方を知り、自宅で実践することで、日々のセルフケアの質が向上し、歯周病と虫歯の予防につながります。

補助清掃用具の使い方を知ることができる

歯ブラシだけでは細かい部分に付着した汚れを落とすことは難しいです。

歯と歯の間や歯と歯茎の境目には磨き残しが生じやすく、これによって虫歯や歯周病になるリスクが高まります。このような細かい部分に付着した汚れを除去するために、デンタルフロスや歯間ブラシなどの補助清掃用具の使用が推奨されるのです。

ブラッシング指導では、個々の口内の状態に合った補助清掃用具の使い方も指導します。一人ひとりの歯並びに合った清掃用具を正しい方法で使用することで、効率的に汚れを除去できるようになるのです。

ブラッシング指導の流れ

ブラッシング指導の前に口内状況を確認する歯科医

ブラッシング指導は、以下の流れで行います。

口内の状態の確認とヒアリング

まず、歯科医院にて患者さまの日頃のブラッシング習慣や使用している清掃用具、時間、回数などの基本情報を詳しくお伺いします。また、個々の生活習慣や口内の状態を正確に把握することで、のちの指導に生かすことができます。

また、虫歯や歯周病の有無やプラークの付着状態、歯並びの状態などを確認します。

染め出し液によるチェック

次に、専用の染め出し液を用いてプラーク(歯垢)を目に見える形で染色します。

この工程では、普段のブラッシングで磨き残している部分を明確に把握できるため、どこを重点的にケアすべきかが具体的に示されるのです。視覚的な確認により、患者さまご自身でも改善の必要性を実感しやすくなります。

模型を用いた実践指導

染め出し液で確認した結果を踏まえ、模型を使って正しいブラッシングの仕方を丁寧に説明します。模型を活用することで、歯ブラシの当て方や動かし方を視覚的に理解することが可能です。

口内でブラッシングを実践

模型を使用した指導のあとは、患者さまご自身の口内でブラッシングを実践していただきます。模型ではうまくブラッシングできていても、実際に自分の歯を磨くとなると難しいものです。

歯ブラシの当て方や力の加減などを歯科衛生士と確認しながらブラッシングを行います。歯並びが悪い部分や磨き残しが多い部分を意識しながら実践することが大切です。

さらに、デンタルフロスや歯間ブラシなどの補助清掃用具の正しい使用方法も説明します。それぞれの正しい使い方を学ぶことで、歯ブラシだけでは届きにくい部分のケアが可能となります。なお、正しいブラッシングの仕方を身につけるためには、実践を繰り返すことが大切です。

最終確認

最後に全体の流れを通して確認し、磨き残しがある場合は再度具体的な方法を指導します。歯科衛生士が最終チェックを行い、フィードバックすることで、正しいブラッシングの仕方が身につくでしょう。

自宅で歯磨きをするときのコツ

自宅で歯磨きをするイメージ

自宅でのブラッシングを効果的に行うポイントは、以下のとおりです。

歯ブラシは鉛筆持ちで軽く握る

歯ブラシは鉛筆を持つように握りましょう。歯ブラシを強く握ると必要以上に力が入って歯や歯ぐきを傷つける原因にもなります。また、強い力で歯を磨くと、歯が削れたり歯茎が下がったりして知覚過敏の症状が現れる可能性があります。

鉛筆を持つように歯ブラシを握ることで、余計な力をかけずに毛先を歯面にあてられます。毛先が広がらない程度の軽い力で、やさしく小刻みに動かすのがコツです。

歯ブラシの当て方を意識する

ブラッシングをするときは歯ブラシを当てる角度も意識しましょう。歯面を磨くときは歯に対して90度の角度で当てて磨くことを意識してください。

汚れが溜まりやすい歯と歯ぐきの境目には歯ブラシを45度くらいの角度で当てて磨きましょう。歯と歯茎の境目に歯ブラシの毛先が入るようにすることで、汚れを効率よく落とすことができ、歯周病の予防につながります。

同じ場所を20回程度、小刻みに往復させることでプラークを効率よく除去できます。歯並びが悪く、凹凸している場合は、歯ブラシの向きを変えながら丁寧に磨いてください。

デンタルフロス・歯間ブラシを併用する

どれだけ丁寧にブラッシングしていても、歯と歯の間などの細かい部分に付着した汚れは歯ブラシだけでは落としきれません。歯ブラシの毛先が届きにくい部分に付着した汚れを落とすために、デンタルフロスや歯間ブラシを使用することが推奨されます。

デンタルフロスや歯間ブラシを使用することで、歯と歯の間などの細かい部分に付着したプラークもしっかり除去できます。使用するときは過度な力を避け、歯や歯ぐきを傷めないように注意しましょう。

歯磨きをするときは1回5〜10分を目安にする

食後のブラッシングは1回につき5分ほど、できれば10分ほどかけるのが理想的です。すぐ歯磨きを終えると、しっかり磨けていない可能性があります。歯に付着したプラークをしっかり落とすために、1本1本時間をかけて磨きましょう。

特に就寝前はしっかりと歯磨きをしてください。就寝中は唾液の分泌量が減るため、細菌が繁殖して虫歯になるリスクが高まります。夜のブラッシングだけでも時間をかけて行い、しっかり汚れを落としましょう。

まとめ

歯科医院でブラッシング指導を受けて綺麗な歯で食事を楽しむ女性

ブラッシング指導とは、歯科医院で専門スタッフが患者さま一人ひとりの歯並びに合ったブラッシング方法を直接指導する取り組みです。

正しい歯ブラシの持ち方や力の加減、デンタルフロスなどの補助清掃器具の使い方などを学ぶことで、効果的に口内ケアを行えるようになります。これによって、セルフケアの質が向上すると、歯ぐきと歯を健康な状態に保つことができるでしょう。

歯磨きの仕方に自信がないという方は、歯科医院でブラッシング指導を受けてみてはいかがでしょうか。

予防歯科を検討されている方は、京都市左京区岩倉にある歯医者「金田歯科医院」にお気軽にご相談ください。

当院は、皆さまの「行きたい歯医者」を目指して診療を行っております。虫歯・歯周病治療、ホワイトニング、矯正治療、予防歯科など、さまざまな治療に力を入れています。

ホームページはこちらWEB予約も受け付けております。ぜひ一度ご覧ください。

こんにちは。京都市左京区岩倉にある歯医者「金田歯科医院」です。

歯科検診を受ける子ども

子どもの歯の健康を守るためには、大人と同様、定期的な歯科検診が欠かせません。

しかし「何歳から歯科検診を受けたらいいの?」「子どもの歯科検診では何をするの?」と疑問に思われている保護者の方も多いのではないでしょうか。子どもが歯科検診を受けることは、虫歯や歯周病を予防できるだけでなく、将来的な歯の健康にも大きく影響します。

この記事では、子どもの歯科検診の重要性、適切な受診時期、検診の内容など、保護者の方が知っておくべき情報をわかりやすく解説します。子どもが健康な歯を保ち、将来にわたって良い歯の状態を維持するために、ぜひ参考にしてください。

子どものうちから歯科検診を受けたほうがよい理由

子どものうちから歯科検診を受けたほうがよい理由を説明する歯科衛生士

子どものうちから歯科検診を受けたほうが良いといわれているのには、さまざまな理由があります。特に、子どもの歯は、弱くて虫歯になりやすい、これから永久歯に生え変わるなど、大人とは異なる特徴があります。

ここでは、子どものうちから歯科検診を受けたほうがよい理由を、4つご紹介します。

乳歯は大人の歯よりも弱いため

一般的に、乳歯は大人の歯よりも弱いと言われています。そのため、乳歯は虫歯になりやすく、虫歯になった場合も進行しやすいです。

特に、お子様は甘いものを好む傾向があり、虫歯菌が増殖しやすい口内環境になりやすいです。自分では歯磨きができない子どもも多いため、早い段階で定期的に検診を受け、早期発見を心がけることが大切なのです。

歯医者に対する恐怖心を払うため

子どもが初めて歯医者に行くときの理由が虫歯の治療だと、歯医者は怖いところという印象を持ちかねません。最初に歯医者に恐怖心を抱くと、それ以降の定期検診や治療を強く拒否するようになるかもしれません。

子どものうちから歯科検診を定期的に受けていれば、歯医者に対して恐怖心を抱かず、ポジティブな印象を持つようになります。

将来の負担を軽減するため

早いうちから歯科検診を受けていると、歯並びの問題や噛み合わせの異常など、将来の歯列矯正に関する問題も早期に発見することができます。歯並びの問題が発生している場合、早期に矯正を始めれば、治療期間を短縮したり、抜歯の必要性を減らしたりできる可能性があります。

早期の検診は、子どもの今の健康だけではなく、将来的な歯並びにも良い影響を与えるのです。

歯を健康にするサポートが受けられるから

歯科検診では、虫歯や歯周病の予防だけでなく、歯磨き指導や食生活のアドバイスも受けられます。保護者が気づかないような食生活や歯磨きのクセについても、専門家の目でチェックしてもらえるため、より良い歯の健康を維持するためのサポートが受けられます。

何歳から歯科検診を受けるとよい?

歯科検診を受けるとよい適齢期の子ども

歯科検診を受ける適切な時期は、子どもの成長度合いによって異なります。基本的には、乳歯が生え始める時期を目安にすることが推奨されています。

ここでは、初めての歯科検診を受けるべき年齢と、その年齢に合った検診の内容を紹介します。

生後6か月~1歳前後

一般的に、乳歯が生え始める生後6ヶ月~1歳前後に初めての歯科検診を受けることが推奨されています。初めての検診では、歯がしっかりと生えているか、歯の間に隙間があるか、歯並びに問題ないかなどがチェックされます。

1歳半~2歳

1歳半~2歳ごろになると、乳歯がさらに生えてきて、子どもの歯の状態が明確になってくるため、この時期にも歯科検診を受けることが望ましいです。この時期では、虫歯の予防や歯磨きの習慣づけが重要になります。

歯科医院では、子どもに対して歯磨き指導を行うことも多く、家庭でのケア方法についてアドバイスがもらえます。また、その後は年に1回~2回のペースで受診しましょう。

歯科検診は虫歯の早期発見だけではなく、歯の成長過程や口腔内の健康全般をチェックする機会となるため、定期的に受けることが重要です。

6歳~

6歳あたりからは、永久歯が生え始める時期です。この時期は、歯の生え方や噛み合わせなどが大きく変わってくるため、定期的な歯科検診を受けることで、早期に問題を発見できます。

この段階で、歯科医師が歯並びや噛み合わせに関するアドバイスをくれることもあります。

子どもの歯科検診で行うこと

歯科検診を受ける子ども

子どもが受ける歯科検診では、どのようなことが行われるのでしょうか。歯科検診は、単に虫歯がないかを確認するだけのものではありません。子どもの口腔内の健康全般をチェックし、早期に問題を発見することが、歯科検診の目的なのです。

ここでは、子どもの歯科検診で行うことを紹介します。

歯の生え方・歯並びの確認

歯科検診ではまず、子どもの歯の生え方や歯並びを確認し、問題があれば対処したりアドバイスをくれたりします。特に、歯並びや噛み合わせの異常は、早期に発見することで矯正が必要な場合でも治療を早く始められます。

乳歯の問題は永久歯に影響を与えることもあるため、この段階でのチェックは非常に重要です。

虫歯の有無・進行度の確認

次に、歯の表面や歯と歯の間に虫歯がないかを確認します。子どもは虫歯が進行しやすく、痛みを感じる前に気づくことが難しいといわれています。そのため、早期に発見して治療することが大切です。

また、歯の表面に傷や歯垢がたまっていないかもチェックされ、必要であれば歯磨き指導が行われます。

粘膜や舌・歯ぐきなどの状態確認

歯の健康状態だけではなく、口の中の粘膜や舌、歯茎の状態も調べられます。これにより、口腔内の感染症や歯周病など、歯以外の問題も早期に発見することができます。

また、乳歯が生え揃った時期に、歯科医師から歯磨きの仕方や食生活に関するアドバイスを実施することも一般的です。これにより、家庭でのケアが適切に行われるようになり、虫歯予防や歯の健康を守るための大切な習慣が身につきます。

保護者の方へのアドバイス

子どもの歯科検診では、保護者に対するドバイスが行われることもあります。例えば、歯磨きの習慣や食事内容、歯科用のフッ素塗布など、家庭でできる予防策について、指導が行われます。

歯科検診を受ける頻度

歯科検診を受ける頻度イメージ

子どもの歯科検診は、定期的に受けることが重要です。一般的には、子どもが歯科検診を受ける頻度は6か月から1年に1回が推奨されています。

しかし、子どもの年齢や口腔の状態によっては、検診を受ける回数が変わることがあります。たとえば、虫歯のリスクが高い子どもや歯並びに問題がある子どもは、より頻繁に歯科検診を受けることが望ましいでしょう。具体的には、3か月に1回程度を推奨されることが多いです。

特に、歯が生え始めた乳児期や、乳歯から永久歯に生え変わる時期は、口腔内の環境が大きく変化します。この時期に定期的に歯科検診を受けることで、虫歯や歯並びに関する問題を早期に発見し、早めの対処が可能となります。

さらに、歯科検診を通じて、歯磨きの指導や予防措置を受けることができます。子どもの歯の健康を守るために、重要な役割を果たすでしょう。

また、歯科検診では虫歯だけでなく、歯茎や口腔内全体の状態もチェックされます。これにより、歯周病やかみ合わせに関する早期のサインを見逃すことなく、適切な治療を受けられます。

まとめ

歯科検診を終え笑顔になる子ども

子どもの歯科検診は、歯の健康を守るために欠かせません。乳歯が生え始める時期から定期的に歯科検診を受けることで、虫歯や歯周病を予防できます。歯並びや噛み合わせなど、将来的な歯の成長に関する問題を早期に発見し、対応できるようになります。

初めての歯科検診を生後6か月~1歳ごろに受け、以後は年に1回~2回のペースで検診を受けると良いでしょう。

また、歯科検診は子どもにとって歯医者に対するポジティブな印象を与えることにも繋がります。歯医者を怖がらず、積極的に通院できるようになるため、将来の治療にも前向きに臨むことができます。

定期的な受診を習慣にし、子どもの歯が健康で美しいものを保てるようサポートしていきましょう。

お子さまの歯科検診を検討されている方は、京都市左京区岩倉にある歯医者「金田歯科医院」にお気軽にご相談ください。

当院は、皆さまの「行きたい歯医者」を目指して診療を行っております。虫歯・歯周病治療、ホワイトニング、矯正治療、予防歯科など、さまざまな治療に力を入れています。

ホームページはこちらWEB予約も受け付けております。ぜひ一度ご覧ください。

Optimized with PageSpeed Ninja